元厚労省のキャリア官僚である著者により、キャリア官僚の実態や求められる能力などについて書かれた本。
2016/05/28 07:52
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投稿者:まつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
元厚労省のキャリア官僚である著者により、キャリア官僚の実態や求められる能力などについて書かれた本。
仕事内容だけでなく、長時間残業のからくりや、左遷のことなど、あまり知らなかったことが書かれていた。
また、アウトプットするための文章の読み方やスケジュール管理法などの仕事術も書かれており参考になった。
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友人から進めれて読んだ一冊。
副題に「秀才たちの~」とか帯には「優秀な官僚に学ぶ」とあり、そういう決め付けもどうかという気がしてしまいます。
ただ、特殊な環境で働くキャリア官僚の仕事術は、官民問わず参考になるべきこともあります。特に文書の作成やそこにいたる情報収集、またいわゆる根回しといったものは、悪く言われる面もありますが、不要になることはありません。
どのような仕事であっても、他に応用できないものはありません。少しでも盗み、活用したいところです。
もう少し具体的な仕事術を紹介してくれるとよかったかなという気もします。こういう職場にいれば自然に鍛えられます、という結論になってしまうと、学ぶところもなくなってしまうような。
最新情報の調査
・マスコミの情報もいいが、情報の確実性や分析力などを加味すると大学がよい。年配の権威ある教授ではなく、脂の乗り切った若手の准教授
真面目な部下ほど締め切りギリギリまで自分を追い詰める。できる上司はそういう受験秀才の気質をよく知っていて、仕事の質よりも締め切りを強調する
情報の検索力
・関連分野の新書を読む。新書は専門書とは違い、広い読者層を対象にわかりやすく書かれていることが多い。
・新書を読み土地勘がついたら、巻末に啓指されている少し難しそうな文献を読む。
・次に、その文献に記載されている参考文献から、もっと難しい学術論文を選んで読む
・このように文献をたどっているうちに、何度も目にする文献にでくわす。
・一般書籍や学術書ではなく、関連団体の報告書を中心に読む。組織が公表している報告書には権威付けがあり、引用しても言い訳になる
文書の読み方
・まず目次を読む。文書全体の論理展開を端的に表している
・目次から仕事との関連性の強いところを的確に判断し、そこを重点的に読む。そうすればすべてを熟読することなく仕事に役立てられる
文章作法
・報告書と小説は違う。必要な情報が必要な箇所に論理的にきちんとはめ込まれていればいい
・大切なのは文章の全体像。報告書や企画書の方向性、「タイトル」を明確にすること
・新たな情報に触れるインプットの機会を積極的に得る
・タイトルの決定、これが全体の方向性を決める。
・目次の決定、目次は本文の設計書。
・帰納法を用いること
・抽象と具体を使い分ける
・接続詞の有効活用
・文章の最初と最後をきちんと書き、読み直すこと
相場観:「仕事の段取りを着想する能力」。「現状→問題点→課題→解決策」という一連の流れを短時間で思い浮かべられる能力
<この本から得られた気づきとアクション>
・職場環境が違うということで、仕事の仕方が別物と思ってしまうのはもったいない。よいところは自分の仕事に取り入れたい。そういう意識を持つことが大切
・文章作成や参考文献の探し方、関連資料の読み込み方は、自分なりに実践して活用してみたい。
<目次>
序 章 官僚仕事はブラ��クボックス?
第一章 官僚の実態
第二章 官僚の仕事体力
第三章 官僚仕事はスケジュール観がキモ
第四章 霞が関に学ぶ最強の文章術
第五章 官僚の発想力
第六章 官僚は相場観で勝負
第七章 難攻不落の相手を落とすプレゼン術
第八章 情報分析は官僚の真骨頂
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自身の官僚時代の経験をもとにその業務内容や進め方について書かれた本。
今年の課題がスピードアップであるため、その技術について知ることができたのは有益。ポイントは逆算、俯瞰的視野であろうか。
だが、官僚のエリートさ、忙しさについての記述が多く、いやになる。
官僚仕事術としては久保田氏の著書の方が有益に感じた。
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●内容
・元労働官僚が官僚のワークスタイルを語る。
・膨大な情報を処理して企画書にまとめるホワイトカラースキル
・合意形成のためのフットワーク。
・想定問答作りで鍛える相場観。
官僚にとって事務仕事ができるのは当然で、その上で「相場観」の有無が出世を分ける、という説。
●引用
(出世)
・課長から上の部長・審議官→局長→事務次官となると、仕事ができても人格が疑わしいような者は出世しない。国家議員や業界団体など外部との利害調整の機会が多くなると、事務処理に長ける秀才というだけでは対処できなくなる。課長から上のポストになると、頭でっかちの者はある程度排除されるのだ。
・相場観と学歴には相関関係がない。場数がものをいう。つまり、どれだけ幅広い仕事を多く経験してきたかに大きく依存する。…出世コースでは、幅広い仕事を経験できるうえに、周りにもできる同僚がたくさんいる。
(仕事力)
・(トラブルの際に)必要とされるのは、瞬発力とそれを支える「相場観」。どんな質問を投げかけられても、躊躇せずに即答できるのが瞬発力。それを下支えするのが、「詳しいことまでは即答できないが、過去の経験をベースに、こんなラインの回答をすれば納得してもらえるだろう」という相場観だ。
・相場観とは、仕事の段取りを着想する能力とも言える。「現状→問題点→課題→解決策」という一連の流れをごく短時間で思い浮かべられる能力といってもいい。
なぜ相場観のある人は出世するのか。まず相場観の持ち主は、トラブルに会っても冷静に判断できる。それだけの腹の据わりがある証拠ともみなせる。どんな職業でも、究極的には「腹の据わり」が重要になる。
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一時期流行った、官僚の仕事術系の一冊。著者は、厚生労働省のキャリア官僚から、大学教授に転身した人物。官僚の仕事の中核はインプットとアウトプットを繰り返す知的業務であるなど、官僚の日常や仕事の進め方がよくわかる。
ただ、肝心の仕事術については、他の類書と比べて、あまり参考になるような点は少なかった。そのなかでも、仕事のスケジュール管理として、仕事の締切を短期、中期、長期に分けてそれぞれ、付箋、クリアホルダー、チューブファイルorノートで管理するという手法は参考になった。また、「書くために読む」というアウトプットを意識した読書や調査という姿勢も見習いたいと思った。
あと、官僚の優秀性を強調しているが、本書を読んでも、正直、どういう点が優秀なのかがあまり伝わってこなかった。官僚の仕事の非効率さはよくわかったが。
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官僚について書かれた本を初めて読んだので、
とても楽しかったです。
キャリアとか、ノンキャリアとか、
よく言う表現だけど、いまいち、わかっていなかったし、
そう言う何となく勝手に理解していた官僚というものを、
ある程度大雑把にですが、わかれてよかったです。
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元官僚が書いた、官僚の生態および仕事のやり方について書いた本。
仕事の上で参考になることが多いのだけど、のっけから事実誤認がある。現在の官僚の試験制度(国家総合職)は、二次試験後に官庁訪問を行うはず。この辺の爪の甘さには残念である。
だが、いい本だと思う。
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副題は「秀才たちの知られざる実態と思考法」
ベールに包まれた官僚仕事の実態と、その思考法や仕事術の詳細を異色の元官僚が解き明かす。
序章 官僚仕事はブラックボックス?
第1章 官僚の実態
第2章 官僚の仕事体力
第3章 官僚仕事はスケジュール観が肝
第4章 霞が関に学ぶ最強の文章術
第5章 官僚の発想力
第6章 官僚は相場観で勝負
第7章 難攻不落の相手を落とすプレゼン術
第8章 情報分析は官僚の真骨頂
帯には「最高峰の仕事術を盗め」とあるが、実用的な面での効用は少ない。 あとがきを読むと、官僚に対するバイアスを少しでも取り除きその仕事を理解してもらう事を目的としているという。
本書を読むと官僚がどのように仕事をしているか垣間見る事が出来る。官僚を目指している人が読む事が一番実用的であろうか。
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他の業界を知らんけど、とりあえずおれのいる組織と仕事のやり方は似てるから参考になる。
情報を集め、分析、処理してアウトプット、根回し力だとか調整力とか相場観とか、そうゆう資質が大事。ムリな締め切りの話とか、付箋のこととか、英文の読み方とか、あぁそうだよなって思うことが多かった。若いうちに積極的に仕事を引き受けて相場観を身につけたほうが得ってのは今のおれへの戒めになりました。
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普段あまりなじみのない官僚の仕事について、元官僚の視点からリアルに語られている。
とても読みやすく、官僚の仕事の実態や出世の厳しさがわかり面白かった。いくつかの仕事術は自分も参考にしていきたいと思う。
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◆キャリア官僚の仕事からみえてくるしたたかな仕事術を描き出している本です。ドラマで「官僚」といえば、えてしてその知識を利用して金儲けに保身にと悪事の限りを尽くしている存在ですが、実際には、国民や国会議員、業界団体、経営者団体、労働組合といった全方位の人びとを相手に、しかも調整を図りながらの激務。その激務をこなすためには、情報処理・生産能力だけではなくて、情報入手のために飛び回るフットワークの軽さや、処理した情報を人に分かりやすく説明する能力、そして利害調整を行うためにゴマをするような交渉能力(と度胸)など、さまざまな能力が求められます。◆たとえば、上司をも騙して話を双方の妥協点にもってゆくというしたたかな仕事術などには、まさに「キャリア官僚の仕事力」を垣間見ることができます。◆また、その仕事場は、一方では怒号が、もう一方では議論熱が絶えません。さらに他方では、そんななかで自分の作業に完全に集中している人もいる。実際の官僚仕事やその制度にある問題も指摘しながら、その実態を活き活きと描き出している、面白い一冊でした。 ◆分かりやすい内容ですぐに読める文章量なので、官僚にすこしでも関心のある方におすすめしたいです。
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官僚に必要な仕事力とはなんぞや。
と今更思って手に取りました。課長補佐まで勤めた厚生労働官僚の方が書いた本だからか、経験に裏打ちされ、なるほどと思う点が多かったです。
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脱藩官僚 公憤、内部告発、留学して退職
マスコミ報道 悪者・エリート
課長から上の部長・審議官→局長→事務次官 頭でっかちの者はある程度排除される。
利害関係者(ステークホルダー)多い
国会 年明けから6月まで→5月タウンミーティング→4月学者意見聴取
朝9時半登庁→メールチェック、関連資料
11時→上司へ仕事の進捗報告
電話対応
昼食
14時→審議会準備
16時半→国会議員説明
17時半→厚生労働白書 担当部分執筆
20時→国会答弁
頭脳系
①読む→大量の政策関連文書②調査→諸外国の事例調査③分析④情報処理→企画立案⑤書く→白書等の執筆
プロセス系
①説明・説得・折衝→政治家、業界団体②瞬発力→マスコミ対応③相場観(仕事の方向性を感知する力)④危機察知力(危ない仕事もある)⑤リスクヘッジ力(梯子を外された時)
参考文献の読み落とし→厳しく責任追及 Nature
議員「3分で社会保障を説明してくれ」→どうすれば分かりやすいか?どうすれば説得できるか?→咄嗟の機会に備える。
相場観 詳しいことは即答できないが、過去の経験をベースにあるラインの解答をする→相手は納得
中央官庁 係員→係長→課長補佐→企画官・室長→課長
議員案件→人当たりのよい局長、腹の据わり方(動じず、政治家に気を使いながら、政治家を平気で騙す)
役所は恐ろしいくらいに権限委譲が進んでいない→些細な意思決定、リスクを嫌う、何でも知っておきたい習性
国会答弁 長時間残業 タイトな締切で大量の仕事→職場は殺気立つ
交通整理 誰にどういう仕事をさせるか
上司を説得するテクニック 電話口で怒鳴り合う→上司「タフな交渉をしているな」
組織人の交渉相手は敵味方含めて複数いることを肝に銘じ、広角的視野をもって臨む
官僚 仕事体力 意外に運動音痴は少ない 文武両道
真面目な部下ほど締切ギリギリまで自分を追い詰める→仕事の質より締切を重視
無理な締切は拒否しろ 締切を真面目に守ろうとするとバカを見る
ILO 「バカンスだから早く書類を出せ」
書くために読む→書く仕事が多いと書き手の視点で資料を読むようになり、報告書や著者の意図を見抜けるようになる。→「これが言いたいんだな」「ここをごまかしているな」
テレビ=受身 ×受身で読書
関連分野の新書を読む→巻末の参考文献を見る→何度も目にする文献→☆全体イメージをもつ
関連団体の報告書→後の言い訳にできる。
目次を見る→論理展開を端的に表現しているか?
長い報告書でも読むべきところは数章しかない。
国際機関で働く人々→それほど仕事の能力が高いとは思えない。
英文 Summary → Conclusion → Introduction
アメリカ大学院 アサインメント 友人「全部読めるわけないだろう」
文書作法 マニュアル本程度では上達しない→マニュアル化のしようのない分野
優秀な上司は文章の論理の乱れを指摘す���。
帰納法 根拠を列挙 1つとして、…2つとして…、
抽象と具体の使い分け
接続詞の有効活用 使い方を学習すること
霞が関文学→様々な調整、関連する政治家→各自が有利に解釈できる玉虫色の文章
「都市の空気は自由にする」
使える人間であれば左右を問わない。
どのアイデアが最も国や国民を豊かにするのかという判断基準が、すべてに勝る。
官僚のヒアリングには大半の人が協力的
官僚の恐ろしい集中力 騒々しい中、法律改正のジグソーパズル
官僚独特の共通会話 「いつも模試で3番の○○か」「数学同好会」
国会議員からのレク要求→相場観「こんなラインの説明で納得してくれるだろう」
相場観 難しい仕事を引き受ける→後の人心掌握につながる
相場観の方程式の確立 新潟県庁コンピュータウイルス感染 マスコミ沙汰→
①現状②問題点③課題④解決策
短い人事ローテーションの繰り返し→短時間で仕事の全体像→相場観
1分で説明→訓練→ポイントを突いた説明
若い時の苦労は買ってでもすべし→相場観の醸成
事業仕分け カメラを前に官僚が悪者としてコテンパンに叩かれた。→財務省が各省庁の突かれると痛いところを入れ知恵
霞が関の受験秀才 観察眼が非常に優れている→お手本をじっと観察して、そのいいところを吸収
マスコミの扱いがうまい国会議員が民意を煽れば財務省でも即座に潰れる。
東大卒のエリート→ゴマをすると効果的、政治家はギャップに騙される。
30代で新潟県情報政策課長 マネジメントの経験 仕事は下を見てするもの
審議会 スケジュール調整が邪魔くさい
各省庁から首相官邸への連絡経路が確立されていない。
財務省主計局、外務省、防衛省以外の連絡網はないのではないかと思う。
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本書で紹介されてる官僚の仕事の流れとかは、特に真新しくもなく見方が変わったというようなことはないけど、ところどころ参考になるところはあった。
わからないまま悩むより、上司に相談に行けってこととか、「◯◯はどうすればよいか」と尋ねるのではなく「◯◯はこのような方向で進めていこうと思いますがよろしいでしょうか」というのが良いとかいうのは、特に前者は某学校で、わからないまま悶々として周囲に迷惑かけるより、指導受けで自分が何度も怒鳴られたりする方がどんなにマシかってことを実感したし、後者についてもこれだけは覚えておけと座学でもいってたけど、うちの組織特有のやり方ということでもなかったんだな。
付箋やクリアホルダーの活用は実践してみたい。
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文書にしてしまうと、なるほど、こんなもんかと感じますが、中央官僚の仕事振りはほんとうにすさまじいものがあります。限られた時間の中で、ある一定の品質のアウトプットを出す彼らの仕事のやり方は目を見張るものがあります。この手の著書があまりない中、手法を参考にできる貴重なものかとおもいます。