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なーんか読みづらく、中々読み進めることができませんでした。
子育ての話です。
不覚にも「真恋」の名づけ由来に吹いてしまいました。
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「ママ友」たちの生態をえぐる
江東区の湾岸にそびえる超高層マンションに棲息する「ママ友」たちの生態をあからめようとする著者の最新版の小説である。
ママ友とは育児する母親の仲間の謂いだそうだ。昔はだいたいおばあちゃんが嫁の育児を支援してくれたが、最近はそういう関係が崩壊しているので同世代の若い女性が育児を素材にして繋がっていく。赤ちゃんが大きくなれば自動的に解散する賞味期限付きの交わりではあるが、その裂け目から垣間見る人間関係はなかなかに趣深いものではあるようだ。
「ママ友」にもいろんな種類があって、超セレブは超高層の超セレブマンションに住み、青山学院幼稚園(なんでも日本一の難関たしい)の3年保育なんかを目指すそうだが、その下には松竹梅のセレブがあり、またその下には一般ピープルのママが巨大な階層を構成しているんだと。
こうやって書いているだけでヘドが出るほど気色が悪いが、いっけん仲良く付き合っているように見えるママ友たちの下部構造には、先祖代々の身分や氏素性、穢多非民などの隠微な階層差異、学歴や資産や勤務先や住居の経済格差に起因する差別意識が沈殿しており、本作ではそおゆー彼女たちさらなる高みをめざす熾烈な生存競争の実態をいくつかのサンプルを提示しながら明るみに出そうとしている。
んで、どうなるかって? 超セレブにもそうでない普通のママにも悩みは腐るほどあり、結局は世間からどう思われようとおのがじしのささやかなるハピネスをしっかり握りしめようと、てな別に目新しくもない教訓とやらに、われひとともにいつの間にか辿りついていくのだった。
おまけ。「ママ友」てふ日本語も相当けったくそ悪いが、家庭内暴力を振るう男を「ドメバ」と称するそうだ。ったく。
ママ友がドメバにさんざん殴られて逃亡するがハピネスにだんだん近づく話なりけり 蝶人
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三十三歳の岩見有紗は、東京の湾岸地区にそびえ立つタワーマンションに、三歳二カ月の娘と暮らしている。結婚前からの憧れのタワマンだ。
おしゃれなママたちのグループにも入った。そのリーダー的な存在は、才色兼備の元キャビンアテンダントで、夫は一流出版社に勤めるいぶママ。
他に、同じく一流会社に勤める夫を持つ真恋ママ、芽玖ママ。その三人とも分譲の部屋。しかし有紗は賃貸。そしてもう一人、駅前の普通のマンションに住む美雨ママ。
彼女は垢抜けない格好をしているが、顔やスタイルがいいのでいぶママに気に入られたようだ。
ある日の集まりの後、有紗は美雨ママに飲みに行こうと誘われる。有紗はほかのママたちのことが気になるが、美雨ママは、あっちはあっちで遊んでいる、自分たちはただの公園要員だと言われる。
有紗は、みんなには夫は海外勤務と話しているが、隠していることがいくつもあった。
そして、美雨ママは、有紗がのけぞるような衝撃の告白をするのだった……。
「VERY」大好評連載に、新たな衝撃の結 末を大幅加筆!
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どこに住んでも、大なり小なりあるのではないかと思われる、ママ友づきあいのむずかしさを、ママ友仲間の経済格差や境遇を絡めて描いた物語である。自分の身に降りかからない限り、興味津々で首を伸ばしてしまいそうな題材でもある。ママ友間の力関係や夫や実家の地位、生活レベル、などなど、身の丈以上を望むと窮屈なことこの上ない。それでも子どものため、自分のために多少の無理には目を瞑って周りに合わせる。そのうちに、必ずどこかにひずみが出てくる。上辺と本音、虚飾と現実。なにが本当のしあわせなのか。自分の心の持ちようで、しあわせの価値も変わるのだと思わされる一冊でもある。
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※少しネタバレ有り
購入してからしばらく放置していたけど、今回は読み始めて2日で読み終わった。
桐野夏生作品にしては登場人物が少なく感じました。狭い世界のなかを描く、シンプルな作品かなと。
しかしながら、やはり桐野夏生作品!打算的な(計算?)人間模様がガッツリと書き込まれてる。
ラストの件では、「あぁ、こういう人いる。こういう嘘つかれたことあるなぁ。」という感じに心にぐさりと刺さった。
利用された?いや。ちょっと違う。でもそうやってグレーな部分を作るのってある。こういう人が本当の勝ち組なんですね、的な。
めげちゃダメですね。
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主人公有紗に共感できなくて、反感を持ちつつ読んでいたけど、結局一気に読了。
私は共働きなので子どもは保育園に通ったけど、保育園を下に見たり、敬遠する幼稚園ママっていたなぁ…と思い出しました。
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まあ面白いのであるが、どうも女性週刊誌のノリについていけない。
「VERY」の読者層ってこういう方々なのね。
っつーか、いくら子どもの母親知り合いでも、私の周りに「○○ママ」なんて呼ぶ友人は居なかったなぁ
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読み始めは、まさか角田光代の『森に眠る魚』の二番煎じ!?と思えたが、子育て&ママ友よりも、徐々に夫婦間の問題が主軸に変わっていった。
子どもを通した親同士の付き合いは、身を以て経験しているのでなじみやすい話ではあるが、桐野さんご自身、子育ての経験があるにしては、登場人物がステレオタイプで上辺だけの感が。きっと、ママ友とのわずらわしい関係からは距離をおいていたんだろうな、などと関係のないことを想像してしまった…。
なので、タワーマンションの人間関係よりも、夫婦間の話になってからのほうが歯切れもよく、作者らしさが戻ってきておもしろかった。
桐野さん、うじうじした母モノより、わがままな女モノのほうが似合ってると思う。
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思っていた程ドロドロしておらず、むしろグダグタした話だった。
夫婦間って我慢というより「許す」っていうことが重要なんだなぁ。相手のためだけでなく自分のためにも。ママ友間の話は本当にしょうもなくて流し読みでした。
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子供のいる女性なら一度は通る道ともいうべき物語。この小説の筋書にあることは多かれ少なかれ思い当たる節にお母さんと呼ばれる立場にある人は気づくはずです。小さい子供をかかえているママたちは、当然子供を介しての人間関係にまず洗礼をうけます。今の言葉でいうならママ友。まして、携帯電話などによる便利なツールは、メールというTPOをあまり考えなくてよいコミュニケーション手段を可能にしましたから、なおさらママ友たちの人間関係の渦に巻き込まれやすいともいえます。
主人公の岩見有紗は現在娘と二人暮らし。夫はアメリカに単身赴任中だが訳あり。彼女は以前からの念願であるベイエリアのタワーマンションで暮らしている。しかし、賃貸である上、2棟あるうちの格の低い方の棟にいる。彼女の属しているママ友のリーダーの女性は、一等地といわれる価値の高い部屋に住んでいて、有紗を含む5人のママたちの行動を仕切っている。有紗はいぶママといわれるリーダー格のママ友に気後れを感じながらも、彼女のグループに入って彼女に指示されることで、安心感を得て喜びさえ感じている。・・・と物語の始めの設定はこうです。群れなければ生きられない人間社会。ママたちだけでなく、男たちも会社ではこれと変わりないのかもしれません。
さて、この群れの秩序が、群れの中では異質なものを持つ、美雨ママと呼ばれる女性により乱されていきます。
自分の名前がありながら、ママ友の間では、子供の名前で呼ぶ習性、これも子供ができる前までは社会の一員として何らかの役割を持っていたのに、ここでは夫の勤め先、マンションの部屋の位置、子供の通う幼稚園や学校により自分の価値が左右されるという奇妙な世界、一体私は何者。私は何も価値のない人間だったのか・・・と空中に浮かんでいると錯覚するような高層階のマンション暮らしをする母親、仕事を持たず長い時間子供と二人だけで過ごす時間が多い母親なら、ほとんどの人が一度は同じような思いを抱くはずです。それだけに、ママ友たちとの濃密な人間関係に左右される精神状態が生まれます。
誰もが持つ優越感や劣等感、それぞれが人には言えない秘密を抱きながらも少しずつ、核心部分が見えてくるのです。修羅場をくぐりながらも母として、妻としてそして人間として成長してゆく有紗、子供とともに母親として育って強くなっていくのです。弱さと強さ、人間はその両方を合わせ持つ性質を誰もが持っているのだと、エピローグが物語っているようです。
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過剰に着飾っていたり、ファッションに過剰に興味を持っていたり、あるいはいつも綺麗に着飾っていて洗練されて隙がない感じであること、人によっては裏があるのかもしれない。私自身もどちらかというとそういうタイプだからなんとなく分かる。隙のない綺麗さは実は知られたくない何かを隠すためのものなのかもしれない。
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うーーーん、どうしても登場人物に共感できない。特に主人公の有紗。女性特有のいやな部分が目に付く。他、出てくる女性全てが嫌。許せるのは姑の晴子。サバサバしていて常識人に思える。テレビなどで特集されているママ友のマウンテング。あーうんざり。絶対に分不相応な生活は送りたくない。どっかでひずみが出来ちゃうんだよね。有紗もやがては自分らしさを取り戻していくんだろうけど、なんか生ぬるいのよね。共感できない女性像をあえて主人公とし、それを作品として成立させる。作家の腕の見せ所だ。確かに内容は面白いんだよね。
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冒頭のタワマンの描写は怖くて夢にみてしまった。読み進めるうちに凡庸さが出てきて、まあハッピーエンドもどきでよかったよかった。
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少し不愉快さを感じながら読んでいた。
窮屈で居心地の悪いママ友関係や人の評価を気にしての子育てなど…。
借りたのは失敗だったか?
何度か読むのをやめようかと思っていたら…。
隠されていたことが少しずつ表に出てきて、有沙が行動しはじめた頃からだんだん面白くなり、先行きが気になるようになりました。
久しぶりに訪ねた故郷のシーンには感涙。
有沙が自分の思いを人に言えるようになり、仕事をしようと思ったことが何より良かった。
読み終わる頃には、有沙たちの幸せを願う気持ちになりました。
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覚えがある、この感じ。子供が小さい時の、あのママ友時代。今思うと、一種独特だったな~~。そのへん、クソ意地悪いほどよくかけてる。そう、この作家さん、なんかクソ意地わるいんですよね。いろいろ思い出しながら一気に読めた。面白かった。けど、読み返したくはない。
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幼稚園受験を控えたママ友同士、居場所を求めてウソで固めた優しい関係。子どもが小さい頃、毎日ドキドキしながら公園に行ってた時を思い出す。最後、常に他人の目を気にしてた主人公が、自分の意思でこれからの生き方を決める。やっぱ女性は強くないと。