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読了。最近はまっている刑務所シリーズ。虐待母親など一般生活をしている我々(含むママさん)全員が加害者になる可能性はゼロでは無い。高齢受刑者など社会問題が当然存在する。ちょっとキレイな一冊でもう少し落ちる系を期待してたんだけどな。。
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チェック項目21箇所。「塀の中は社会の縮図」――安心安全な社会づくりへの一歩として、この本をご覧いただければ幸いに思う。「自分の考え方に縛られていました。ホントにすごく厳しくしていて、それもかわいい子どものためだと思いずっとやってたのですけど……。でもこんなに厳しくしても結果的に亡くなってしまったら何も意味がなくて……。私は今まで何をやってたんだろうと、すごく思いました」。「自分はすごく嫌だった。だから厳しくしたくないとずっと思っていたのです。でも実際に子どもが生まれて、気づいたら、やっぱりそうなってたんですね……」。「自分では死刑でもいいと思っていたし、拘置所でもずっと死にたかったのにその術がなかった……自分の子をあやめたのに、私は法の壁に守られている。刑務所にいるほうが規則正しい生活なので、精神的には安定していると思います」。作業……懲役受刑者は刑務作業が義務付けられており、土日祝日と矯正指導日以外は毎日作業を行なう、作業報奨金は月平均2千数百円ほど。消灯21:00~、刑務所の夜は早い、21時には完全に消灯され、ふたたび静寂が訪れる、夜勤刑務官による巡回が朝まで続く。当時も今も、受刑者の罪名のトップが「覚せい剤取締法」というのは変わらない、しかし以前は、その背景に「男に騙され、利用された女」という暗く悲しいものを感じた、しかし、今は「ダイエットのため」など、軽い好奇心から罪を犯す者も多い、それ以前に逮捕歴があり、執行猶予中だった場合がほとんど。わたしは「覚せい剤取締法違反」で逮捕された者は、執行猶予をつけずに即刻刑務所へ入れるべきだと考える、そのほうが本人のためだ、なぜなら、初めて逮捕され執行猶予がついた場合の景気は2年ほどであることが多い、家族もその間なら本人と意思疎通を図って励まし、社会復帰を待つことができるし、本人も家族に支えられ、がんばることができる。薬物を続けるにはお金がかかる、密売人は最初こそお金を取らない、しかし中毒になれば、彼らの金づるになってしまう。刑務所のなかでは、衣・食・住が確保され、本人の努力次第で資格を取る時間もあることだ、受刑者一人あたりにかかる年間経費は、人件費を含めると平均役270万円で、その元はもちろん税金である。女子高齢者の犯罪で最も多いのが窃盗であり、その割合は91.5%を占める、なかでも万引きが81.2%と際立って多いのが特徴だ。介助している側もされる側もどちらも受刑者なのだ、そして、若い受刑者が高齢受刑者を介護するだけでなく、なんと「老老介護」も刑務所内で行なわれた。「残念なことに私は医者でも看護師でもないし、介護の資格も持っていません。でもここには高齢者や精神的に疾患を持った受刑者が一緒にいる。彼女たちを同じ空間で処遇するのは、もう限界だと思います。いま自分が刑務間としてできることは何かと考えると、朝起きる、仕事をする、朝昼晩ご飯を食べる、夜になったら寝る、まずそういう生活の基本を彼女たちに学ばせること。反省させるとか、罪を償わせるとか以前の問題です」。センター出身者が再犯を犯し、各地の刑務所に入所する例が増えている、「あそこ(センター)は刑務所だったんですか?」などと言うノーテンキ者までいるのだ、恵まれた環境に加え、監獄法が改正されて受刑者の権利が拡大したこともあり、罪を省みず、自分の立場を勘違いしている受刑者(センター生と呼ぶ必要はないとわたしは思う)も現れているように感じる。少年院は刑務所ではなく、家庭裁判所から保護処分を受けた少年の健全な育成と更生を目的として、矯正教育を行なう国の施設である、そこには線引きがあり、家庭裁判所でも、「裁判」ではなく「審判」、「判決」ではなく「決定」、「出所」ではなく「出院」というように、使う言葉も異なる。東北少年院は、国家資格を取得するだけの理解力が必要なこともあり、IQ(知能指数)の高い子どもたちが多い、だが、たとえIQが120あっても、入所したときは小学3年、4年生の学力レベルしかないという少年も多いため、まず国語と算数を毎日勉強する。無期懲役について現在も誤って報道されることがあるが、昔と違って服役十数年程度で仮釈放になることはまずない、厳罰化により有期刑が最長30年になったため、無期懲役囚も収監から30年を越えていないと仮釈放が認められにくくなっている。「お父さんは、夜しょっちゅううなされていた。寝ている最中にも突然『わぁ!』と大声を出して、飛び起きることもあったんだよ」、刑務間は職務を拒否することはできない、重責から精神に異常をきたした人もいるそうだ。40年前は、心情の安定している模範死刑囚には「最期の晩餐」とも言える時間が設けられていた、寿司やトンカツ、バナナなど本人の好物を食べさせながら、職員とともに語らい談笑する、翌日には刑場に赴かねばならぬ死刑囚へのせめてもの温情だったのだろう。1983年に「半田保険金殺人事件」で弟を殺害された原田正治さんは、犯罪被害者遺族の立場から加害者の死刑を減刑する懇願をした、しかし結局、加害者の刑は執行され、その姉と20歳になる息子も死刑執行前に自殺している。
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読みやすい本です。知らない世界のお話でした。親がダメなら子もダメになるという負の連鎖はあるんだなと思いました。誤字脱字はありませんでした。
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意外と知られていない、誤解されがちな刑務所の中についてほどよい濃度で書かれている。刑事司法を考察するならば、頭に入れておきたい現実の一部。「犯罪は減らせるし、減らしたい」との著者の姿勢は真摯。
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副題にあるようにまさに「知られざる世界」でした。
女性は覚醒剤(と窃盗)が多いというのに驚き。
刑務所内での老老介護、摂食障害者への対応など想像もしない話も出てきました。
東北少年院のルポも興味深かったです。
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先日、著者がお亡くなりになったとの報道に接して本書を購入。
筆者の個人的見解の全てに賛成できるわけではないが、丁寧な取材に基づく資料としての価値は高いと思う。
このような良心的な取材と執筆をされた方を亡くしたことはとても残念。
ご冥福をお祈りします。
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筆者は写真家兼作家ということで、写真がふんだんに盛り込まれている。一応ルポなんだけど、すごく浅い印象。それでもあとがきで「どこにもない、濃密で有意義な本になった」と書いている。そこまで言うほどか??女子刑務所が非常に数が少なく、いろんな罪の人が入り乱れていることは分かった。女子刑務所だけじゃなく、刑務官のことや少年院のことや死刑のことやテーマ?がいろいろなんだよね。山口県の美弥社会復帰促進センターが新しく2007年にPFI方式で建てられ、そこはハイテクに管理されているというのが面白かった。こんなところもPFIなんだな。あと高齢者問題ね。大変だよなー。
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タイトルに惹かれ、知られざるルポに驚いた。最近は危険ドラックを使う奴らか増えたが、彼ら、彼女らはその後社会復帰できてるのだろうか?
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オフィス樋口Booksの記事と重複しています。記事のアドレスは次の通りです。
http://books-officehiguchi.com/archives/4033595.html
著者の外山氏が受刑者の生活と刑務官の仕事に注目して、24年にわたって取材した。受刑者へのインタビューや取材を通して、刑務所や少年院の様子を伝えている。刑務所は社会の縮図といわれているが、刑務所の中でも手押し車がないと移動できないという点は社会の縮図の象徴であるかもしれない。一方で、女性刑務官の一日では、子育てと両立する刑務官が紹介されていた。女子刑務所の過剰収容問題で人手不足になっているので、人手不足を補う意味で、女性の活用のヒントになるかもしれない。
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薄っぺらい知識しかなかったが、刑務所の実態と犯罪を犯した人たちのその後の構成について触れることができた。
ひとみの瞳と言うコラムの所では、新たな政策提言など、熟知している方だからこそ言える指摘を数多く確認できた。
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もし犯罪を犯したらこんな生活が待っているんだぞ、と、自分への戒めとして読もうと思った。塀の中の生活を想像できれば、悪いことなんてする気にならなくなると思ってのことだ。
しかし、良くも悪くも期待は裏切られた。すなわち、想像していたよりもかなり理想的な生活がこの本には書かれていたのだ。
朝6時半に起き、栄養バランスの整った朝食を食べて与えられた仕事を黙々とこなす。昼食を食べ、仕事に戻るか更生教育を受ける。仕事を終え、読書や勉強をし、夕飯を食し、21時に眠る。
衣食住が保証され、月に二、三千円の手当まで貰える。不要な会話は禁止だが、仕事上のコミュニケーションなどは取ることができる。意欲があれば班長などの役割を担うことも出来、やりがいにもつながる。
人間一人を刑務所で生活させるのに必要な額は300万弱だという。人件費なども含まれているだろうが、それでも年収250万以上程度の生活が確約されていると解釈することができるだろう。苦難の多い現代の社会において、多少の不自由と引き換えに年収250万円以上の生活を求める女性は決して少なくないのではないかと考えてしまう。それが、前科や孤立を伴うものだとしても。塀の中の文化的で最低限度の生活と教育には、それくらいの魅力が存在する。
女性の服役理由の上位3つは窃盗、覚醒剤、殺人である。それぞれ背景はあれど、そうした生活をせざるを得ない人々にとって刑務所は福祉に等しいのではないか。窃盗をするほどの貧困、社会に居場所を失った累犯者、自活できない後期高齢者、自分の意志でやめられない覚醒剤依存者、子殺しなどで自責の念に押しつぶされ希死念慮から抜け出せない殺人者、そうした人達にとっては、刑務所は更生施設ではなくセーフティネットとしての役割を果たしている。