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今から8年ほど前に書かれた本です、この本を書かれた方を紹介されて本人からいただきました。飲食店の経営は難しいと聞いたことがありますが、実際に経営者として実践し更には、コンサルタントとしての実績を踏まえてこの本が書かれています。
目から鱗のことが多かったです、人件費を削減するために、バイトの時給を上げる、コスト高の料理人や正社員の代わりに、パートで回すためにどのような工夫をするのか、ということが具体的に書かれています。
現在(2020.7)コロナショックで多くの業界が未曾有の危機に晒されていますが、ここに書かれていることは応用できる部分がかなりあると思いました。
以下は気になったポイントです。
・サービスを限定することで従業員やフロアスタッフを減らすのと同様に、一流の料理人でなければ提供できないような料理は出さないと割りきる(p28)
・自分のところのお客様は、どこまで求めているかを見直してみるべき。すごく安い居酒屋で、みんな美味しそうに食べている時代である(p33)
・一人の時給が1000円なら、二人雇うのではなく、一人の人間に1500円出して二人分の仕事をしてもらえる人材を採用する、1000円では集められなくても1500円ならそこそこの人材が集められる可能性がある。FL(現材料費・人件費)を40%にすることは、イコール個々の給料を減らすことではない、どの人間にどのような仕事を、どのようにさせるかを考えるのがポイント(p39、41)
・昼間のパートの方に夕方からのお客様のオーダー分の仕込みをしてもらう、仕込みの時間を昼間に持っていくためには、ランチなどやめても良い(p48)
・キッチンをなくすことは、2軒以上経営した時に発生する大きなメリットであるが、1軒目だけでもキッチンを極端に小さくすることはできる(p57)
・安売りをする前に、それに見合うコスト削減、給料の高い優秀な人間をカットしてからやることが不可欠である。単純に安売りすると、従業員のコストは上がり、売上が上がらないので店は潰れることになる(p70)
・キッチンレスのメニューは難しくない、スーパーマーケットの惣菜コーナーに並んでいるものは全てメニューに載せられる(p74)
・お客様が一番怒るのは、味よりも、待たされること。キッチンレスのメニューはお客様を待たせないことととイコール(p79)
・ついてくるのは、社長より能力の低い人間である、その従業院に対して社長が自分並みの接客を求めることはできない(p140)
・送客サイトのお客様は大概割引で来る、開店当初は良いが、毎月かかるコストを考えること(p146)
・大きく売上を稼ぐのではなく、利益をきちんと出すシステムが大切である(p149)
2020年7月26日作成