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ゼロ戦を設計した堀越二郎の本。
なかなか興味深い本だった。
まず、ゼロ戦の要件定義が海軍から提示されているが、これが明確で迷いがない。
そこで思ったのは、ソフトウェアとこういったハードとの差だ。
ゼロ戦は艦上戦闘機で、その概念の前提があったうえでソフトウェアの言うところの非機能要件のみを定義している。
ソフトウェアで要件定義をしようと思ったら、まず、そのシステムで何をしているかの概念を表現する必要があって、システムでやっている範囲を定義するのにものすごい手間がかかる。
ここにシステムの要件定義のむずかしさがあるとこの本を読んで思った。
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技術者魂。
一つのものを生み出し、数々の困難を乗り越えてゆく
姿は、感動的ですらある。
こんな技術者の魂は今の日本にも生きているのか?
きっと生きているそう信じたい。
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技術者としての考え方はかっこよく参考にしたい。
メイドインジャパンの価値を最初に高めたのが零戦なのかなぁ
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2013.08.01 読了
映画『風立ちぬ』を見る前に読んでおきたいと思い手に取った。
零戦を作った堀越二郎のその情熱、発想。素晴らしい。そしてそれをきちんと文章の中に入れ込める力。素晴らしい。
すでに映画は見たが、見る前に読んでおいたことで、よりその世界に没入できたような気がする。
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映画「風立ちぬ」のモチーフの一つ、堀越二郎の零戦開発記。非力な国産エンジンながら、軽量化と創意工夫で世界を席巻した技術革新、日本が世界に誇る技術者達の普段の努力の記録。終章、敗戦が近づくにつれて1機2機と敗れ去る歴史的な悲運も含め、零戦とはただの1戦闘機ではなかったことがわかります。
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風立ちぬを観たので読んでみた。
堀越二郎氏の美しく分かりやすい文章に感動しつつも、
ふと、私の頭の中に映画の一場面が浮かんできた。
顧客である軍や企業の重役の要求を「善処します」
などと言ってほとんど聞き流す主人公の堀越二郎。
一方、この本を読むと堀越二郎氏が彼らの無茶な要求に対し、
真摯な態度で望み、努力して不可能を可能にしてきた事が分かる。
私も技術者の端くれなので、映画での描き方には違和感を覚えたが、
「これはファンタジーだから」で済ませてそれほど深く考えなかった。
しかし、ここまで違うというのは一体どういうことなのだろうか。
そんな事を思っていると、氏が時空を越えて私の疑念に答えてくれた。
「技術者の仕事というものは、芸術家の自由奔放な空想とはちがって、
いつもきびしい現実的な要求や要請がつきまとう。」
風立ちぬで堀越二郎の声を当てた庵野監督はエヴァのパンフレットで、
「文章を書きたくないから書かないが出来る人」とスタッフに評されていた。
そんな彼を宮崎監督は「あれは誠実な男だ」と言って声優に推した。
きっと芸術家にとって誠実な態度というものはそういうものに違いない。
一方、技術者の誠実な態度とは、司馬遼太郎の花神の村田蔵六のように
蘭学を教えろと言われたら教鞭を取り、黒船を造れと言われれば造り、
戦争をしろと言われれば戦地に向かう。こうでは無いだろうか。
どうやら風立ちぬの主人公は芸術家の堀越二郎だったらしい。
そして芸術家との違いが分かり、技術者としての生き方を再確認出来た。
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風立ちぬ」のモデルとなった堀越二郎の著書。熱い人なんだね。アニメに入り込めなかったのは、やっぱ声優さんのせいかも(^^;)
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堀越二郎の名をジブリアニメ『風立ちぬ』で知ったひとも多いかと思いますが、『風立ちぬ』のまえに読むより、あとに読むことをおすすめします(笑)
零戦や戦艦(のフォルムが特に)が好きなので、この類の書籍はいくらか持っていますが、堀越二郎の著であることもあって、読みごたえアリ。どこか誇らしげな色合いが、文章のあちこちにあります。
百田尚樹氏『永遠の0』とあわせて読むと、いっそう考えさせられるのではないかと思います。堀越二郎は零戦をつくった側、けれど『永遠の0』では、「なぜ零戦などというものをつくってしまったのか」「零戦などというものをつくってしまったから、我々はどんな無茶な飛行でも実行しなければならなくなった」という台詞が。
零戦をつくった側、乗って戦った側と、それぞれの視点から考えることが出来ると思います。
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・宮崎駿監督の傑作「風立ちぬ」を観て、零戦の設計者である堀越二郎という人物に興味がわき、あの映画がどこまで堀越の半生を忠実に描いたものなのかが気にかかり、本書を手にとった次第。
・「つきつめれば、この馬力の劣勢を、どこまで機体設計でカバーできるかが日本の飛行機設計者にとっての課題なのだ」(p.36)とあるように、欧米のものと比べて非力な国産エンジンの欠点を、機体の軽量化などの創意工夫によって克服していくさまが克明に描かれている。この血の滲むような努力によって、極めて限られた条件下にありながら世界最高の名機が作られたのだった。
・しかし、その零戦の存在は、軍機密を公にできないという配慮から、多くの戦果を上げたにもかかわらず、戦争末期まで国民に知らされることはなかった。「ベールをぬいだ新鋭戦闘機」として零戦の名が初めて公表されたのが、神風特攻隊を賛美する新聞記事だったというのは皮肉というほかない。「なぜ日本は勝つ望みのない戦争に飛びこみ、なぜ零戦がこんな使い方をされなければならないのか」(p.222)という堀越の悲痛な思いは想像するに余りある。
・その悲痛な思いからは、政治指導者の質や物資の多寡など、与えられた条件が仮にアメリカと同等であったならば、決して技術力でアメリカに負けることはなかったという、技術者としての矜恃も垣間見えた。
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映画「風立ちぬ」の鑑賞に合わせて購読。零戦が誕生する過程、そして戦場での活躍ぶりを知ることができる。
著者で零戦主任設計者である堀越さんの個人的な感情がところどころに書かれており、熱い技術者魂を感じた。試験飛行時に「美しい!」と心の中で叫んでいたエピソードからは純粋に航空機が好きだという気持ちが伝わってきた。
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人々の記憶に残るものを設計できた堀越次郎がどのような思いを持って取り組んでいたかが書かれた本。
新しいものを生み出す仕事をしている人、(仕事でなくても)新しいものを生み出したい人に読んで欲しい本。
飛行機の設計など難しそうな内容も分かりやすく、取っ付きやすく書かれていると思う。
(漢字が多いがあせらず読んでいけば理解できる内容になっている)
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2013年8月17日(土)の読み助を参照のこと。 http://yomisuke.tea-nifty.com/yomisuke/2013/08/post-4625.html
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イノベーションとは何か。無理難題な要求に如何に応えるか、という局面も必要なのかも知れない。
吉村昭「零式戦闘機」も再読。
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映画、風たちぬを観る前に予習として購入したが、映画を想像して買ったため思った内容と異なった。
堀越二郎の零戦の開発の経緯について書かれ、零戦開発の技術者としての苦労、心構えが主となっている。
予測したゼロ戦開発者としての、戦争、特攻への思いなどはあまり書かれていないが、とても参考になった。
ゼロ戦は、世界一での戦闘機で無敵といわれている。
開発には、海軍などから無理難題を吹っかけられても不断の努力と創意で解決している。
その零戦は性能だけではなく、一見不要にも思えるデザインにも力を入れ、外から見えないところまでこだわっている。
無敵といわれた零戦だけに満足せず、開発者たちは次の後継機の開発にも取り組んでいた。世界最高水準でも自分に限界をつくらず、次なるステージへさらに進む限りない探究心。
これらのことは、先日読んだスティーブジョブスのアップルのパソコンやipodの開発と重なることが多かった。
両者とも技術者と芸術家との比較をしている。
世界最先端の技術者というのは、どの分野でも同じなんだと感じた。
よく考えれば、当たり前かもしれない。
戦後、日本は高度経済成長をきたしているが、これはこのような技術者の魂が引き継がれているからではないだろうか。
いまの日本としては、この技術者についていろいろ学ぶことがある。
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れいせん。零戦。
またの名をゼロ戦と呼ばれる。このいわれは、連合軍間で通っていたあだ名に由来するとのこと。
著者である堀越さんは、
零戦という制作物に対して、合理的で冷静な見方に徹しています。
しかし、いっぽうでは技術に生きる者特有の感じ方、生き方、考え方がそこにあります。
軍側から与えられる総花的要求や指令にたいする緊張感と焦り、
これを乗り切るためのアイデアや工夫のしかた、
試験・実験や検査の結果にたいする一喜一憂、
新技術に対するユーザの態度や世界の反応が気になるという気持ち、
設計に割かれる費用や人材の不足に対する不満。
直接的に語られることはないが戦況悪化の前兆が感じられてゆく中で、体をこわし休養を要してしまう、という顛末。
読み応えのある良書だと感じるゆえんかもしれません。
共感したり、学んだり、感服したり。
機種ごとに優先順位をつけ、それぞれに合った条件を背景にとったスペックを。
同時代でいっぽ抜きんでるには、勉強を。