非営利団体が「偉大な(Great)」組織になるために
2008/03/11 22:38
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
多くの経営者が薦める名著「ビジョナリーカンパニー」のタイトルどおり特別編である。私はまだ本編のほうは未だ「積ん読」状態で手を付けられていないのだが、本書は続編の「ビジョナリーカンパニー2」の付属論文として記された。
「ビジョナリーカンパニー」および、「2」は文字通り”企業”をテーマに書かれた本のようだが、それらは企業セクター以外(本書では社会セクターと呼んでいる)の人たちにも読まれたそうだ。著者が社会セクターに強い興味を持ち始めた結果、本書は生まれた。
「2」では「偉大な組織」に飛躍できた企業がある一方で飛躍できない企業が多い理由を時代を超えた法則として明らかにしたという。その法則は社会セクターにも適用できるが、そのセクターの指導者は企業セクターとは直面している現実に大きな違いがある。本書ではそれを5つの問題として全5節で論じている。 100ページにも満たない本なので短時間で読める。
本シリーズのテーマは「偉大な組織」であるようだ(実はその前提として「良好な組織」でなければいけないようだ)。社会セクターの場合、その「偉大さ」の定義は企業セクターとは異なる。企業のように財務実績では評価できず、その代わりに使命に照らして実績を評価する必要がある。「使った資源に対してどれほど効率的に使命を達成し、社会に際立った影響を与えたか」が重要とのこと。本書の最後にはまとめとして、偉大な組織を築くための4つの段階とそれぞれの段階において二つの基本的な法則を示している。キーワードは「規律」。規律ある人材・考え・行動。
無責任とか何かと批判の多い官僚組織。これも社会セクターの一つだ。著者が言うように偉大な企業があるだけでは、偉大な社会にはならない。日本が偉大な国家になるにはお役所も偉大な組織になってもらわねば。
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1時間くらいで読みました。かの有名なビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則 の追記部分的な位置づけとしての特別編なので、分量がかなり少ないです。この本では、ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則 での考察や調査を、社会セクター(NPOとか、公共団体とか)の組織に対して適用して、論説を展開しています。地方公共団体や、NPOも基本的な運営の考え方は企業と変わらないんだなといことがわかりとても面白いです。ただ、ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則 を読んだことがないと少しチンプンカンプンかもしれません。
規律ある文化では、人びとは仕事を与えられるのではなく、責任を与えられる。
うーん。ちょっと感動した。
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「ビジョナリーカンパニー」「ビジョナリーカンパニー2」とは違い、社会セクターにおいて偉大な組織を築くにはどうすればよいのかが述べられている。若干の違いはあるものの、偉大な企業・社会セクターを構築するプロセスはほとんど同じであり、結局は偉大な組織を創り上げることが偉大な企業・社会セクターの必要十分条件であることが分かった。改めて思ったけど、やっぱ「ビジョナリーカンパニー」シリーズはすげぇ面白い!
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2007/7/28図書館で借りる。1回目読了。ビジョナリーカンパニーシリーズはこの本が初めてでした。
小生の若かりし頃、NGOでボランティアスタッフとしての経験(というより反省)からドラッカー著のManaging the Non-Profit Organizationを読んだ時と同じ思いを感じた。
偉大な組織・・・是非そういった組織作りに携わりたい、そんな組織で働いてみたいと思いました(以前からかもしれませんが)。
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ビジョナリー・カンパニー著者によって書かれた特別編。
原書の題名は [ GOOD TO GREAT AND THE SOCIAL SECTOR ]
以下、メモ。
(1)「偉大さ」の定義 ー 経営指標が使えないなかで、偉大さを判断する
(2)第五水準のリーダーシップ ー 分散型組織構造で成功をおさめる
(3)最初に人を選ぶ ー 社会セクターの制約のなかで適切な人をバスに乗せる
(4)針鼠の概念 ー 利益動機のないなかで、経済的動力を見直す
(5)弾み車を回す ー ブランドを構築して勢いをつける
(1)「偉大さ」の定義
インプットとアウトプットの混同は、企業セクターと社会セクターの基本的な違いのひとつに起因。
企業セクター:金銭はインプット(偉大な実績を達成するための資源) であるとともに、アウトプット(偉大さをはるか指標)でもある。
社会セクター:金銭はインプットであるだけで、偉大さをはかる指標にはならない。 18-19p
◎「偉大な組織」…優れた実績をあげ、長期にわたって際立った影響を社会に与える組織
→ 企業の偉大さをはかる指標:財務実績や株式運用成績
…「投資した資本に対してどれだけの利益が得られたか」
→ 社会セクターの指標:「組織の使命」に照らしての実績評価
…「使った資源に対してどれほど効率的に使命を達成し、社会に際立った影響を与えたか」 19p
◎実績を数量的にはかることができるかどうかは、実際のところ重要な問題ではない。重要なのは、成果を確認するために、量的な事実や質的な事実をしっかりと集めていくことである。
→ 集まる事実が主に質的なもの:法廷弁護士が証拠を検討するときのように考える。
→ 集まる事実が主に量的なもの:研究所の科学者がデータを集め、分析するときのように考える。 23p
(2)第五水準のリーダーシップ
◎社会セクターの指導者は企業経営者と比較して、一般論として決断力が乏しいというわけではない。
社会セクター:組織運営の仕組みが複雑で、権限が分散しており、この点を認識していないと、指導者に決断力が乏しいとみえるにすぎない。(ex. フランシス・ヘッセルバインはガールうす買うとという組織の仕組みと権限の構造によって、執行型リーダーシップが実際には使えなくなっている)
→ これが原因で、企業経営者が社会セクターに移った際に失敗することがある。
30p
★ジェームズ・コリンズの仮定
「社会セクターでの2つのリーダーシップスキル」
(1)執行型…1人の指導者に権限が集中、適切な決定を下せる
(2)立法型…指導者に権限がない。説得や政治力、利害や関心にたより、適切な決定が下される条件を整える必要がある。
→ 立法型には第五水準のリーダーシップが必要
★リーダーシップの能力には5つの段階が必要(「ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則」より)
・第一水準:「有能な個人」才能、知識、スキル、勤勉さによっ��生産的な活動をする
・第二水準:「組織に寄与する個人」組織の目標達成のために自分の能力を発揮し、組織のなかで他の人たちとうまく協力する
・第三水準:「有能な管理者」人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追求する
・第四水準:「有能なリーダー」明確で説得色のあるビジョンへの支持と、ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、これまでより高い水準の実績を達成するよう、組織に刺激を与える
・第五水準:「第五水準の指導者」個人としての検挙さと職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、永続する偉大な組織を作りあげる
… 正しい決定が下せるようにすること。どれだけ困難で、痛みを伴うものであったとしても、長期的に偉大な組織を築き、組織の使命を果たすために必要な正しい決定が下されるようになること。
→ 第五水準が社会セクターに必要 権威と影響力を確立する主要な要因
33-34p
(3)最初に人を選ぶ
(4)針鼠の概念
→ 長期的に最前の結果を生み出す方法を鮮明にし、この概念から外れる機会にぶつかったときに、「ありがたいが見送りたい」という規律を持ち続けること。
①情熱をもって取り組めるもの
②自分たちが世界一になれる部分
③経済的原動力になるもの … この3つから導きだされる
48-49p
★モーガンの指摘 → 企業セクターと社会セクターの基本的な違い
… 社会セクターの組織にとって、③は「資源の原動力」に変わる。「どれだけ利益をあげるのか」ではなく、「どのようにして持続性のある資源の原動力を開発し、組織の使命という観点で優れた実績をあげられるようにうるか」である。
◎社会セクターの針鼠の概念
①情熱…みずからの組織が意味するもの(基本的価値観)と存在理由(使命、基本的目的)に関する理解
②世界一になれる部分…みずからの組織が世界のどの組織よりも活動地域の人びとに寄与できる点の理解
③資源の原動力…時間、資金、ブランドという3つの面で、資源の原動力になる最強の要因に関する理解
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2009年14冊目。
企業セクターと社会セクターに分けた解説が多いが、一番の要点は、
「決定的な違いは企業セクターと社会セクターの間にあるのではなく、偉大な組織と良好な組織の間にあるのだ」
ということだろう。
偉大な組織にするのに必要な要件ごとに章を作ってあり、読みやすい。
ストックデールの逆説がかっこいい。
「最後にはかならず偉大な組織になるという確信を失ってはならない。そして同時に、自分たちがおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなければならない。」
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ビジョナリー・カンパニー著者によって書かれた特別編。
原書の題名は [ GOOD TO GREAT AND THE SOCIAL SECTOR ]
以下、メモ。
(1)「偉大さ」の定義 ー 経営指標が使えないなかで、偉大さを判断する
(2)第五水準のリーダーシップ ー 分散型組織構造で成功をおさめる
(3)最初に人を選ぶ ー 社会セクターの制約のなかで適切な人をバスに乗せる
(4)針鼠の概念 ー 利益動機のないなかで、経済的動力を見直す
(5)弾み車を回す ー ブランドを構築して勢いをつける
(1)「偉大さ」の定義
インプットとアウトプットの混同は、企業セクターと社会セクターの基本的な違いのひとつに起因。
企業セクター:金銭はインプット(偉大な実績を達成するための資源) であるとともに、アウトプット(偉大さをはるか指標)でもある。
社会セクター:金銭はインプットであるだけで、偉大さをはかる指標にはならない。 18-19p
◎「偉大な組織」…優れた実績をあげ、長期にわたって際立った影響を社会に与える組織
→ 企業の偉大さをはかる指標:財務実績や株式運用成績
…「投資した資本に対してどれだけの利益が得られたか」
→ 社会セクターの指標:「組織の使命」に照らしての実績評価
…「使った資源に対してどれほど効率的に使命を達成し、社会に際立った影響を与えたか」 19p
◎実績を数量的にはかることができるかどうかは、実際のところ重要な問題ではない。重要なのは、成果を確認するために、量的な事実や質的な事実をしっかりと集めていくことである。
→ 集まる事実が主に質的なもの:法廷弁護士が証拠を検討するときのように考える。
→ 集まる事実が主に量的なもの:研究所の科学者がデータを集め、分析するときのように考える。 23p
(2)第五水準のリーダーシップ
◎社会セクターの指導者は企業経営者と比較して、一般論として決断力が乏しいというわけではない。
社会セクター:組織運営の仕組みが複雑で、権限が分散しており、この点を認識していないと、指導者に決断力が乏しいとみえるにすぎない。(ex. フランシス・ヘッセルバインはガールうす買うとという組織の仕組みと権限の構造によって、執行型リーダーシップが実際には使えなくなっている)
→ これが原因で、企業経営者が社会セクターに移った際に失敗することがある。
30p
★ジェームズ・コリンズの仮定
「社会セクターでの2つのリーダーシップスキル」
(1)執行型…1人の指導者に権限が集中、適切な決定を下せる
(2)立法型…指導者に権限がない。説得や政治力、利害や関心にたより、適切な決定が下される条件を整える必要がある。
→ 立法型には第五水準のリーダーシップが必要
★リーダーシップの能力には5つの段階が必要(「ビジョナリーカンパニー?飛躍の法則」より)
・第一水準:「有能な個人」才能、知識、スキル、勤勉さによって生産��な活動をする
・第二水準:「組織に寄与する個人」組織の目標達成のために自分の能力を発揮し、組織のなかで他の人たちとうまく協力する
・第三水準:「有能な管理者」人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追求する
・第四水準:「有能なリーダー」明確で説得色のあるビジョンへの支持と、ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、これまでより高い水準の実績を達成するよう、組織に刺激を与える
・第五水準:「第五水準の指導者」個人としての検挙さと職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、永続する偉大な組織を作りあげる
… 正しい決定が下せるようにすること。どれだけ困難で、痛みを伴うものであったとしても、長期的に偉大な組織を築き、組織の使命を果たすために必要な正しい決定が下されるようになること。
→ 第五水準が社会セクターに必要 権威と影響力を確立する主要な要因
33-34p
(3)最初に人を選ぶ
(4)針鼠の概念
→ 長期的に最前の結果を生み出す方法を鮮明にし、この概念から外れる機会にぶつかったときに、「ありがたいが見送りたい」という規律を持ち続けること。
?情熱をもって取り組めるもの
?自分たちが世界一になれる部分
?経済的原動力になるもの … この3つから導きだされる
48-49p
★モーガンの指摘 → 企業セクターと社会セクターの基本的な違い
… 社会セクターの組織にとって、?は「資源の原動力」に変わる。「どれだけ利益をあげるのか」ではなく、「どのようにして持続性のある資源の原動力を開発し、組織の使命という観点で優れた実績をあげられるようにうるか」である。
◎社会セクターの針鼠の概念
?情熱…みずからの組織が意味するもの(基本的価値観)と存在理由(使命、基本的目的)に関する理解
?世界一になれる部分…みずからの組織が世界のどの組織よりも活動地域の人びとに寄与できる点の理解
?資源の原動力…時間、資金、ブランドという3つの面で、資源の原動力になる最強の要因に関する理解
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08085
ビジョナリーカンパニー1,2を読んだ頃から知っていたが、この本は社会セクターの話だということだったので、
読まなくていいかなって思っていた。
今回、社会セクターに属するNPOの研究をしているため、読んでみた。
研究をしているからこそ、企業セクターと社会セクターとの違い、なるほどなって感じながら読めた。
この本は、ビジョナリカンパニー2を読んでない人は読まないほうがいいかも。
その内容を分かってることが前提だから。
ビジョナリーカンパニー2の附属論文だから仕方ないんだけど。
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うん、2の付属論文という形をとったこの本。企業と対比させ社会セクターに関する考察を書いてるけど、まあ、分析を行っていないため、そんなに読まなくていいかな、といった内容ではある。
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偉大な組織とは優れた実績をあげるとともに、長期にわたって際立って影響を社会に与える組織。
・情熱をもって取り組めるもの
・資源の原動力になるもの
・世界一になれる部分
・規律ある人材。
・規律ある考え。
・規律ある行動。
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偉大な「組織」になるための法則が書かれている.
どれもなるほどと思わせるさすがの内容.
第五水準のリーダーシップと針鼠の概念が好きです.
愚直に組織の成功のために絶え間ない努力をする.
このことを心がけていきたいですね.
そうみんなが思える組織をつくる,ビジョンを打ち出すてのは難しそう
だができたら最高に楽しいと思えるだろうな.
ビジョナリーカンパニー2の内容を思い出して,再び読みたくなった.
ただ何を持って偉大とするか?という点が組織によるとして
どうして偉大な組織の例を出せたことが疑問である.
(ビジョナリーカンパニー2では明確)
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「全体的な状況が悪い中で偉大な実績をあげる」という部分が印象に残りました。
アメリカの1972年から2002年の過去30年の中で、航空よりも環境が悪かった産業は考え付かなないという状況の中で、株式運用実績1位がサウスウエスト航空であったという事実。
―最後には偉大な組織になるという確信を失ってはならない。
―同時に、自分たちがおかれている現実の中で最も厳しい事実を直視しなければならない。
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今まで企業に焦点を当てていたビジョナリーカンパニーが社会セクターに焦点を当てた別冊。自分の所属していたコミュニティに当てはめると、勉強になる部分が多い。しかし、やはり個人では社会セクターを変革するのは難しいので、適切な人材を集めれるような人付き合いをしていきたい。
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実績を数量的に計る事ができるかどうかは重要ではない。重要なのは成果を確認する為に量的な事実や質的な事実をしっかりと集めていく事。集まる事実が量的なものであれば研究所の科学者のように分析し、質的なものであれば法廷弁護士が証拠を検討する時のように考える。
偉大さとは理想を目指す過程であり、到達点ではない。偉大な組織になったと考えた瞬間に凡庸な組織へ転落が始まっている。
社会セクターの3つの基本
1、人材登用の選別を厳しくする
2、生きる意味を必死で求める人が多いのは優位点
3、使命の達成に尽くす適切な人材を探す
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ビジョナリーカンパニー2の復習と企業じゃないところへの適用。基本、考え方は同じ。前に2を読んでから少し時間が経っていたので、いいおさらいになった。