日本は正しい方向に向かっている。自信を持とう!
2014/06/06 01:30
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投稿者:ooparts2000 - この投稿者のレビュー一覧を見る
すでに優れたレヴューが沢山あるのであまり言うことは無いのですが・・・
日本人って常に保守的で反省を忘れない国民なんだと思います。「勝って兜の緒を締めよ」という言葉は1541年北条氏康が遺した言葉とされているから、当時すでに「驕らない」「常に反省し冷静に対処する」という考えがあったのでしょう。しかしの反省しすぎが歴史問題での自虐主義を生んでいるし、経済や投資に対しても保守的すぎる傾向を生んでいると思います。米国に対しベンチャー企業は育ちにくいと言われています。こういった国民性が海外の高金利や株高にもかかわらず、0%に近い預貯金に置いたままで株や外国債券に投資しない国民を生み出しているのではないかと思いました。
この本は「経済の自虐主義をなくそう。安倍政権のデフレ脱却の政策は正しいのだ。自信を持とう。」とわかりやすく解説しています。経済自虐主義者達は日本の借金が大きいからこのままでは破綻するとの主張に対しても、日本の通貨建ての債務では100%破綻はないこと、デフレ化の経済では、生産性の向上より需要を生み出す政策が非常に大事なのだとのことです。
アベノミクスでは1に金融緩和、2にインフレ期待を醸成する。3に成長戦略で経済の方向性を確実にすることと理解しています。
金融緩和だけでは「流動性の罠」におちいるのでインフレ期待に働きかけることが重要なのでしょう。各企業にベースアップを働きかけたのもそのひとつです。2%という具体的なインフターゲットの設定もそうです。需要を大きくすることが今の日本に求められているのだという説明は十分納得できるものでした。
要は経済は需要と供給のバランスが重要で、日本は正しい方向に向かっているので自信を持っていいということです。
なるほど、なるほど・・・と納得しながら読み終えました。日本は正しい方向に進み始めたのだと理解できました。しかし一方で気になっている国があります。中国です。つい先日(2014.4.10、ラジオNIKKEI ザ・マネーで武者陵司さん(バブル崩壊後~日本株の弱気予想を的中させ有名になった。)が中国について「一党独裁なので経済のほころびが見えると即座に絆創膏を貼る。したがって当面破綻は無いし大崩もしない。しかし実態はとんでもない状態でもう手遅れだ。」と発言していたのを思い出していました。いずれ中国は深刻な危機におちると予測する根拠は、経済成長を意識するあまり設備投資などの投資、つまり生産性向上だけにお金を使っていて需要が追いついていない事。すでに余剰生産設備の問題が表面化してきている実態をあげていました。
彼は中国はもう手遅れだと思うと語っていた事が印象に残っています。心配です。すでにGDP世界第2位の中国。世界に与える影響は計り知れないです。軍事費にお金を使うより国民の生活水準を引き上げて需要を生み出す政策に転換してくれることを祈ります。
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デフレ下で政府を始め、経団連をはじめとする利益団体がいかに逆効果のことをやってきた(経済自虐主義)、もしくはやろうとしているかをまとめた一冊(特に戦争犯罪と重ねてる点に完全にその主張に乗れるわけではないけど)
当然ながら企業と国家は違う訳で財政再建の方針の下、コストカットにばかり躍起になっていては景気浮揚の源になる国民の需要拡大はなされないし、共通する部分としては国(企業)が国民を殺すことになる。
97年の5%への増税や今回のような震災直後の見てて思うのは、デフレ下の増税のように逆効果のことをするのは「自らの利益拡大」と共に「(先人や自分達の間違いを認めたくない)意地」みたいなつまらないもののせいで、時期は「失敗しても自然災害等自分達以外に責任転嫁できる」という姑息な手段な気がする。
メモ
民営化や規制緩和
プレーヤーの増加による競争の激化や設備投資の活性化による国民経済の供給能力を高める政策
→現在の日本は需要不足、供給過多
竹中平蔵
「日本経済の稼ぐ力を強化することが大事」
ある企業が「稼ぐ力」を高める=生産性を高める=同数、もしくはより少ない労働者でそれまで以上の製品を生産し、市場におけるシェアを拡大→他者のシェアを奪う⇒全体の経済のパイが収縮している状況で1社のシェアが上がる=他者のビジネスの一部が奪われる⇒リストラ断行、失業者が増える⇒国内消費減少
企業「自らの利益の最大化」時に他者のシェアを奪ってでも
政府「経世済民」人々が豊かに、安全に暮らすことを可能にする「みんなの利益を図る」
☆TPPの話
日本の貿易依存度は28.6%、輸出依存度は14%(日本で生産される財のうち、その分だけが外国で消費)
前者
韓国96.7%、中国49.9%
後者
韓国49.7%、中国26%
⇒日本は輸出依存国でも貿易立国でもない
デフレ下で政府が公共投資を減らし、増税により消費も減らすことによる内需縮小→国内市場を見限り、グローバル市場に打って出て戦うのは自分達より人件費が極端に低い企業→正社員を派遣社員に切り替え•人員削減→生活の不安定化による消費縮小と購買力減→国内市場の成長抑制→海外進出拡大→人件費の減少圧力に拍車…といった悪循環、失業者増による需要縮小
デフレ=通貨価値の上昇⇒円高
デフレの終わり
国内の工場の多くが外国に流出し、自国の供給能力が、もはや小さくなった国民の需要すら満たせなくなったとき
⇒悪性インフレと貿易赤字の際限なき拡大
中国への依存?
日本の対中輸出入
対GDP比で2.76%、3.13%
対中直接投資残高
834億ドル(対米2755億ドル)
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国内成長の限界や、少子高齢化の酷さ等に基づく不安論を一蹴する。
国債の発行+日銀の直接引き受け(もしくは買いオペ)によって脱デフレは容易であり、それによって成長は可能、という論調。
全体的に同意できて、逆に反論できるところを探すのが難しいレベルだった。
僕の知識レベルが足りてないので、読む本によって意見が修正されてしまうのが情けないが、グレートリセットの批判にも納得してしまった。
マネー供給の少なさ、ハイパーインフレとデフォルトの定義の問題、外需依存と人口減のデフレ論のウソも興味深かった。
強いていうなら、経済の観点からだけではTPP不要論はなっとくできない。
農業や医療において、TPP導入はポジティブな影響を受けるんじゃないだろうか。
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同じ趣旨の内容が二度三度書かれていたり、中身があまり整理されていない印象。「500%程度のインフレなんて大したことない」と嘯いているところも気に入らない。明快に書いてこそいないものの、著者はおそらくバブル容認論者なんでしょう。それでも、浜矩子なんかよりは、書いてあることは全然まともなので、いろいろ思い巡らしながら読むのは、知的遊戯としていいかも知れない。
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駄本。筆者の語彙のなさと経済知識の浅さが読んでいて苦痛だった。
歴史を振り返るなら教科書で。リフレ論なら若田部先生や岩田先生の本の方が進められる。
柔らかい表現なら高橋洋一さんの本でいい。
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アベノミクスについて興味があったので読みました。日本の経済再生を目標として、インフレを目指す政策は希望がもてるのだろうか。
経済素人にとっては、今までのデフレ対策は間違っていたと述べているあたり、非常におもしろかったです。
積極的に政府が投資し、お金の循環を潤滑化すべきなのですね。公共事業の廃止や、国債の発行を引き下げるのは、デフレ解消にはならないと。
とりあえず、アベノミクスには期待がもてると思います。
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三橋貴明氏が第二次安倍政権発足直後に著したアベノミクスを理解するために前提となる事柄を解説したもの。
本書で批判の的となっている白川前日銀総裁もすでにその職を辞しており、また、民主党政権から自民党政権に復帰後、これまでのところ円安(といっても、まだ十分に円高ではあるが)、株高をはじめとして経済指標は明らかに好転してきており、アベノミクスと称されたデフレ脱却策が徐々に功を奏し始めていると思われる。
一方で、本書を含め著者が「デフレ脱却前の消費増税は回避」「TPP参加は百害あって一利なし」という意味の主張を続けているが、それは現実的には著者の思いとは逆方向に進んでおり、著者がいうところの「デフレ促進策」が進められている。
これらの主張は著者が他の著書でも述べているとおり、本書内で展開される論も特に目新しいものはない。が、デフレ脱却のために何が必要なのかをよりわかりやすく解説している点は評価に値する。著者が一貫して公表されているデータを元に論理を展開し、胡散臭いが世の中では常識と考えられている考え方をざっくり切っていく様子は痛快ですらある。
アベノミクスのおかげでようやく明るい兆しを見せ始めている日本経済だが、まだまだそれが信用できないという自虐主義に陥っている人にこそ読んでもらい、目から鱗を落としてもらいたい一冊である。
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経済の語源は「經世濟民」世を經めて(おさめて)、民を濟う(すくう)。金儲けではない。
日本人には自虐が美徳という精神があるからなー。心の保険のために自らを低く持つことで、傷つかないようにしている。
でも合成の誤謬っていうのがあって、ミクロで一人一人が傷つかないようなやり方をしていると、マクロで多大な損失を被ることになるのだ。
実名を出して財政界人の経済論を一刀両断していく。こういう書き方は小気味いいね。暗殺されないように気を付けてください。
2ちゃんねるとかでよく言われている「マスゴミ」とか「売国政治家」とかいう言葉への理論づけVer.というところでしょうか。
●国債暴落はしない。
●公共投資はするべき。バラマキこそやめるべき。
●新古典派経済学派は企業経営と国家経済を混同している。
●日本は貿易依存国ではない。だからグローバル化で貿易依存国になる必要はない。
●少子化でデフレ(不景気)が進むといわれるが、シンプルに考えれば生産力低下でインフレ化するはず。デフレになるのは政策が間違っているから。
こんなことを言っているのでしょう。これらの内容について知りたい人は読めばいい。わかりやすく書いてある。論調は偏っているから高い評価はできないけど。
ただ、普通の経済学新書って推論しか述べない(述べられない)から、断言が多いこの本は読後感がすっきりである。断言されて扇動されるのはよくないが、冷静に自分の頭で世の中を考えようという気持ちになる。
さて、
現状日本はすでに貿易依存国で、これから貿易依存国になるという印象はなかった。貿易立国といえば聞こえはいいが、貿易拡大で国内生産力が骨抜きになってはおしまいだ。(これを実践した韓国は本当にお仕舞になりそうというのも三橋氏の持論)
TPPとかには反対なんだろうけれど、このままでは国内の腐敗は逃れられないし、人材の活躍の場を国内に縛り付けずにおける施策は必要だと思うけどな。
でも、たしかに政府には国内整備をもっと充実させてほしいと思う。