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震災から2年を期して出た、のであろう本。同じ著者の小説「マグマ」で、地熱発電の面白さや可能性、問題点がわかったような気がしていましたが、そのおさらい的に。著者はその後も地熱の普及を熱心に訴えていたそうで(僕もそれで知ることになったのですが)、そして、風は吹いてきたのでは、と。地熱だって反対する人は出るし、どんな発電所だって大規模なものは交付金やらで利権が絡む、のだけど、太陽に直ちに依存しない自然エネルギー、という点(砕けて言うと雨の日も無風の日も使える)では、やっぱり大きな可能性があると思います。タイトルは仰々しくて、あんまり好きではないけれど、こりゃあイケるのではと思うんだよねえ。
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再生可能エネルギー特措法によって注目を浴びた地熱発電
再生可能エネルギーの中でも天候等に左右されることなく、開発時からのCO2排出量も全発電の中でも格段に低い
しかし、その発電に適した土地の8割が国定公園内に分布していたこと、地元温泉組合からの反対(温泉が枯渇した事例はなく、地元への手回しによっては良好な関係を築き、発電後の温水を利用した温泉施設も可能)が普及を阻んでいた
近年国定公園内の開発制限が緩和され、温泉地を抱える自治体での積極的な参入も紹介
「CO2が出ない」「仕方ない」で動かしている原子力発電、前者については開発時及び排水時の温室効果が指摘され、後者についても原料のウランの枯渇も指摘されるなど決して安定も安心もないといえる中で火山国日本では地熱発電にもう少し前向きになってもいいのでは?と思えた。
同時に「反原発には対案がない」と指摘されるが、声を上げ続け、意見の存在を知らしめ、実態に反映させる重要性も忘れてはならないといえる。
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地熱発電について熱く語った1冊です.読み物としての完成度はやや?かも知れませんが,平易で読みやすいと思います.「地熱発電」というのは,面白いキーワードだと思いますが,如何でしょうか?
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原発事故のあと、太陽光や風力発電に脚光があたる一方、そういえば地熱発電は置き去りにされています。
発電に使う、熱水だまりが多く存在するのは国立公園、国定公園内が多く開発に制限があること、隣接する温泉地から「温泉が枯渇するのではないか」ということで反対が多いことが開発が進まない原因とされています。
スゴイ、と思ったのは国内ではこの10年間新規の地熱発電所建設がないにもかかわらず日本の地熱発電技術は世界トップレベルでシェア7割を占める、という点。こんなところにも日本のすぐれた技術があるのですね。発電機器と掘削技術(調査、評価段階から)の組み合わせで信頼を得ているそうです。
注目したいのは、
①熱水だまりほど温度が高くなくとも低温で沸騰する物質を介することで発電は可能(バイナリ発電)
②熱水だまりはなくとも高温岩体に水を注入し回収する事で発電することもできる
③地熱発電ほど深く掘らなくとも地中の温度が一定であるところを利用し、夏は冷房に、冬は暖房に利用することができる(スカイツリーはこの技術を利用)
発電用の燃料輸入が増加したことで貿易収支が赤字へ、という部分は円高と海外に生産拠点が移されることによる産業空洞化の影響が大きく、原発が再稼働する/地熱発電など再生エネルギーを多く利用してもそう簡単には貿易収支は改善しないと思います。(昨今の円安の方が効果大、と思います)
地熱にかかわる方々の生の声が入っていればもっと説得力のある本になったのではないでしょうか。
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地熱のポテンシャルの解説書。
日本の発電量約9500億Kwhに対し、地熱資源量は、2347万Kw。フル活用すれば、約二割を担保できる可能性がある。
ただし、現状は資源量の約1.5%しか活用されていない。
太陽光や風力と違って天候に左右されないし、国定公園問題や温泉街との抵触が解消すれば、かなり普及しそうだ。
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地熱発電について、仕組みや取り巻く環境(普及を妨げる要因など)を記し、総合的に「だから地熱発電いいよね!」というような本。
この人の書いた「マグマ」という地熱発電をめぐる経済小説(WOWOWでドラマ化もされた)も合わせて読むと、作者の思いがより伝わるんでないかな、と思う。
ちなみに、個人的にも、色々ハードルはあるけど、地熱発電に力を入れていってもらいたいと考えている。
<内容めも>
日本のエネルギー自給率はわずか4%で先進国内でも低い水準にある。つまり化石燃料などはほぼ輸入。
各種発電のメリット・デメリットについて
(原子力)
・メリットは、大規模・安定発電が可能、ウラン産出国が政治的に安定、CO2の少なさ。
・デメリットは、事故発生時の影響の大きさ、廃炉費用と作業の難しさ。
・発電を開始すると約13ヶ月止められないことや、コスト(一見安いが、補助金や廃炉費など含めると???)は一概にどうとはいえないが、考慮すべき点ではある。
(火力)
・メリットは大規模・安定発電と、(原子力と比べた)諸々のリスクの低さ。
・デメリットは、コストの高さとCO2をはじめとした環境への影響。
(水力、揚水、風力、太陽光)
・メリットは、環境への影響の少なさと、化石燃料が不要なこと。
・デメリットは、大規模発電と安定供給(時間帯や天候などに左右)が難しいこと。
(地熱)
・メリットは、安定発電(時間・天候等に左右されない)と、燃料不要というか、火山国である日本だから可能な発電法であること。
・デメリットは、投資規模の大きさや、開発期間の長さ。
・規模は原子力・火力には劣るが、設備効率はかなり高く他の自然エネルギーと比べると大規模化も可能。
・環境への影響は少ないという意見もあるが、景観や温泉の減衰への不安との意見もあり、意見が分かれるところ。
上記メリット・デメリットを踏まえると、現状ベースエネルギーになりえるのは、原子力と火力、自然エネルギーはサブにしかなれない。
地熱は現在は規模がないが、開発を進めればベースエネルギーの一部を担うことは可能ではないか。
アイスランドは、地熱発電で国内総電力の3割を占め、ブルーラグーンという観光資源にもなっており、地熱様様。
日本では、過去に地熱を発展させよう!という時期もあり、政治的後押しがある時期もあったが、原子力の登場などで下火になりつつあった。
しかしここ数年、特に2012年には、地熱開発の妨げになっていた規制の一部緩和や、予算増など、光が当たりつつある。
こんなのも結成された
日本地熱開発企業協議会
http://www.chikaikyo.com/
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読了。エネルギー自給率がわずか4%の日本で地熱発電の可能性に注目する。地熱以外の日本のエネルギー供給について分かり易くまとめられている事からも必読の一冊です。「豊かな生活を送りたいけれど、身近な変化を受け入れたくないというこの矛盾を受け入れる覚悟がないうちは私たちの未来は混沌とし続けるだろう」
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マグマを読んで九州電力の株を買ったけど、原発問題で売却。この本にあるように地熱をもっと活用すべき。日本は利権でしか決められないのかと悲しくなる。
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2011/3/11の事故により原子力発電の優位性に疑問符が掲げられ、太陽光発電、風力発電、火力発電など様々な発電がある中、現在は火力発電が多い。しかし原料を輸入してるので、コストが高い。そこで地熱発電という訳だが、今の法律を変えないとメインの発電にはならないだろう。他に波力発電があるが、まだまだ未開発だが、今後研究によってメインになるのでは?と自分は思う。