紙の本
家族の物語
2017/03/14 23:27
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
初見の作家さんです。
テレビドラマの脚本家として多くの賞などを取られているようですが、私はあまりテレビドラマを見ないので知りませんでした。
まぁ、べたな設定といえばそれまでなのですが、そんなことが全く気にならずに1話ごとに作品の世界に引き寄せられていきました。
1話ごとに登場人物の関係性や関わりが分かってくると、緩やかですが強い吸引力のようなもので物語の中の人々が愛おしく感じられて。
家族ってなんなのでしょうね、いいとか悪いとかだけで振り分けられない形や理想のようなものがありそうで、でも誰も「これですよ」と断言できないもののような・・・。
作者にとってこの作品が初めての小説だそうです。
他の作品もぜひ読んでみたい作家さんがまた増えて嬉しいです。
紙の本
一気に読了
2015/03/02 13:25
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投稿者:tomyam0702 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同名のテレビドラマと著者のドキュメンタリーを観て、興味を惹かれて買った。一気に読了させる力量はすばらしい。でも、繰り返して読む愛読書になるための何かが足りないみたいだ。
紙の本
昨夜のカレー
2014/10/15 21:27
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投稿者:くんくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
家族の絆の理想的な考え方などを
示唆してくれている作品。
暖かくなれます。
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結婚2年目で死んだ夫の舅と二人で暮らすテツコを中心にしたオムニバス。
死んだ一樹に間接的にも関係のあった人が各話で主人公となりつなげていく。前の話で脇役としてでてきた人が次の話で主人公になってたり重要な役割をしたりと話の前後で人のつながりがあるところが面白かったです。
登場人物はみんな一癖もある人たちばかりですが、一樹と濃い関係を持ってた人も間接的にしか一樹を知らない人も、一樹の死によってできた心の穴を埋めようと考えたり、行動に移したりして「一人の人間が死んだ」という事実を受け止めて消化しようとしてゆく姿が人間らしく、それが日常の何気ないことや淡々としたお話の中で展開していくのが面白かったです。
特に一樹の嫁のテツコの「もう一樹は死んだってことでいいよね」と「一樹が死んだ時より、寂しいものだね」のセリフは強く印象に残りました。最初に読んだときは薄情だなと思ったのですが、7年前夫を亡くしてからずっと一樹のことを考えて生きてきたからこそのこの言葉なのだと感じました。
話のなかでは「男子会」が一番面白かったです。ギフと岩井、二人のダメンズがテツコにばれないために画策して右往左往する姿が面白かったです。またテツコと宙ぶらりんな関係を続けていた岩井がギフとテツコの生活の中にすこしずつなじんでいく姿が心にしみました。
本文も会話中心でさっぱりしていて読みやすかったです。このままヒューマンドラマにして欲しいような作品でした。
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タイトル買い。
著者がどんな方かもどんな内容かも知らないで読み始めて、20頁で泣かされる。
滔々とした流れに任せる心地よさ。荒くれた心にそっと寄り添う言葉たち。
しんどいときに読むことができてよかった。
きっと忘れられない作品になる。
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結婚後2年で夫に先立たれたテツコと義父、その周囲の人たちのお話。月並みな言葉ですが、悲しいのに優しい、そんな読後感でした。残されても日常に変わりはないのだから、悲しみに慣れてゆくしかないのです。だって生きていかなきゃならないんだから。タイトルが思わぬところからつけられていて、でもそこにはちゃんと共通点があって、じんわりしてしまいました。
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余韻を味わいながら、じっくり読みたい本。
→http://bukupe.com/summary/11996
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うわあ!評判どおり、いい物語だった。ドラマ「すいか」が好きだった人、ぜひ読んでほしい!ドラマの脚本家である木皿泉さんの初めての小説『昨夜のカレー、明日のパン』。この本と共に年をとりたい、そんな本はなかなか出会えない!大切に何度も読み返したいなあ。
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主人公の二人ギフとテツコ、ムムムことタカラ、師匠、虎尾、岩井、夕子のそれぞれの毎日は、つつましくて真っ当でたくましくて、そしてちょっと悲しくて。
そんな毎日が「ここにはいない」一樹を中心につながりほんのりと温かく染まっていく。その温かさのなんと優しいことか。
「世の中、あなたが思っているほど怖くないよ」とポンポンと背中を叩いてくれているような小さな優しさに満ちたこの小説を、毎日が「つまらない」と思っているたくさんの人に贈りたい、そう思った。
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派手な展開もどんでん返しもないけどやんわりと沁み入るストーリーでした。
ずっとそばにいても何にもわかってなかったり離れていても実は大きな存在だったり人と人のつながりって奥深いなぁ…としみじみ感じた一冊 :)
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小さな幸せと人生の悲しさが詰まった、さびしいけど、どこか温かいお話達。「この世に損も得もありません。」「世の中、あなたが思っているほど怖くないよ。」
心に沁みる名言たくさん。きっといつか読み返したくなる1冊
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私にとって木皿泉は、とても理屈では片付けられない。
たとえば、よその家から漂うカレーのにおいが誘い出す感情を、とても理屈で片付けたくないことと同じく。
ただただ私は、木皿泉の描く世界が好きなのだ。
ドボドボのウスターソースにひたして食べる最後の焼売とか、コンビニのバイトくんの書くうまくはないけど迫力のある字だとか、そんな、一見なくてもいいようなものがいちいち「在る」この世界が好きなのだ。
そして、この世界を好きだと感じたこの気持ちを忘れない間は、この先何があったとしても、私はきっと大丈夫だろう。と、何の根拠もなく思うのである。
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胸の奥のところがほかほかする。
ひとつひとつの何気ない言葉が丁寧で、言葉ってこういうふうに使えるんだと知ることができた。
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久々に星5つ。
ギフとテツコの生活が羨ましく、あのような距離感の生活をしてみたい。
とはいえ、そこに至るまでに悲しいい出来事があるのは辛いか…
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自分が死に近い場所にいるので、死から逃げたい気持ちや、遠ざかりたい気持ちはよく分かる。僕だって逃げたい。それでも頑張って立ち向かってるから、死を否定したり拒絶したりしている人は許せないし、そんな本は途中で読むのを止めてしまう。
このお話に出てくる人達は、誰もが身近な人の死に直面し、逃げている。でも逃げられない。そして死から逃げられないことをも所所に、受け入れていく。死んだ人間への思いが強すぎて、自分の人生を前に進められない、そんなところも自分と共通しているのかな?
特別な人生を欲しない。静かな日常が一番の幸せであることをよく分かっている。立身出世に興味がなく、お金にも執着しない価値観。家庭にに対しての嫌悪感、拒否感、変わっていく職場でのアイデンティティの喪失、などなど自分の心の琴線に触るようなネタが満載。この本がこれだ売れ、話題になるということは、そんな価値観の人間が自分が思ってるより以外に多いのかも。でも岩井だけは、あれは女性の願望ではないだろうか。どう考えても彼は競争率高いぞ。何年も徹子一筋を続けるタイプではないぞ。そこだけ違和感あり。