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基本は不条理なんだけど、ストーリーの流れは『イイ話』、しかし最終章で暗部も見える……というちょっと変わった1冊。
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文庫本かで再読。失われた町のシリーズではあるが、本作の方が面白いかもしれない。ただし、最後のエピソードは余計かも。むりくり、to be continued的な引っ張り方があって折角の歩く人の爽やかな後日譚に影を落としている。
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初めて読んでみた三崎亜記作品。
これを読み終わってすぐに失われた町を読んだのだが、そこで初めて分かることもあり、純粋に刻まれない明日を読めた分、こちらから読んで正解だった。
帯に、『大切な人が突然消えてしまったら…』とある。
それは違うんだけどなーと。
そういう安っぽい、いかにも恋愛小説のようなキャッチコピーは合わないと思う。
でも他に何か、と言われたら一言で表せない話だ。
ただあらすじで興味を持って読んだ私は良い意味で裏切られた。
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この作家さんは本当に、「目に見えないもの」を書くのが好きなんだなぁ。
自分でも三崎亜記という作家が好きなのか分からないんだけど、作品は全て読破していたり。
何だか気になる存在というか。
そしていつも目に見えない何かに怯えたり切なくなったりしている。
いっつも読み終わったあとにモヤモヤすると分かってて読んでしまう。
でもこの本を読んで少しだけすっきりした気分になれた。
これまでの作品の中でこの本が一番好きかもしれない。
そして自分が三崎亜記という作家にハマっていたということも。
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「大切な人が突然きえてしまったら…」という帯の文句に惹かれて手に取った本作。舞台となっているのが現実ではなくて非現実の世界なのですが、全くのファンタジーや近未来ではない、中途半端に現実っぽいこの世界の理が全く理解できず…そのため、それに根ざした人々の心の傷だとか、心の動きなどに全く共感できなかったため、少しも感動できませんでした。
唯一、第二章「隔ての鐘」のみが、分からないなりに美しい雰囲気に「良いなぁ」と思えましたが、他の章はただ目が活字を追っているだけの状態でした。
多分私の頭が固いだけなんでしょうが、以前読んだ「オーデュボンの祈り」と同じくらい理解できず、同じように世間の評価と自分の感想のギャップに落ち込みました。またこういう自分に合わない作品に出会ってしまったらと思うと、新しい本を買うのが怖くなってしまうくらいに…
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★人は生きていく上で、悲しいことや辛いことを少しずつ忘却していく。いや、時間というものをかけて、和らげていく。そうでないととても生きていけないから。それでも、と思うのだ。その哀しみや悼みを何か大きなものの都合で操作してはいけない。この物語のように、意図せず変えられてしまっているものが現実にあるような気がしてならない。それにちゃんと気づきたい。知った上で、選びたい。そんなことをぐるぐる考えながら再読。(2014/12/15)
★ずっと喪失をテーマに書かれているイメージだったけれど、今回は、喪失から一歩前に進みだそうとする希望が織り込まれた物語。ゆっくりゆっくり現実を生きていく。私たちが生きる今に必要な視点を静かにしっとり投げかけようとしているように感じた。(2013/03/30)
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「失われた町」の読了を前提に書かれた一遍。読み進むごとに「失われた町」と淡くリンクしていく。何のいわれもない突然の消失。喪失感に絶望の淵に落ちながらも時間の経過を区切りに新しい人生を歩み出すそれぞれ。物理的な変化はなくとも変わろうとする心の変化が人を全然別人に違った風に見せる。終わりはまた、新たな始まりでもある。
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『失われた町』を舞台に、消えたはずの人々のラジオ局への葉書の投函や、あるはずもない図書館分館の利用、一部の人にだけ鐘の音が聞こえたり、ありもしないバスの光や蝶の飛ぶ姿が見えたりする、という不思議な現象を追っていく群像劇。
”町”(=日常)の持つ連続性に注目し、ある日それがぷっつりと途絶えてしまった人たちの喪失感とそこからの再生が描かれている。
不思議な出来事をあったりとした口調で語る文体はふわっと軽いだけに、SFによくある設定説明文や小難しい語り口は思い切ってなくしてもそれはそれでいいのではないだろうか。
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突如消えた人々、でも居る形跡はある。。。
この現象に関わる人々を描く連作。
大人、子供、外部の人、真相を知る人。
流れる月日と変わる想いも書かれていれ
溶け込めた。
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初めてこの人の本を読んだけれど、とても不思議な世界観でした。
間違いなくフィクションなんだけどどこか現実味のある世界の中で、いたって普通の人たちが不思議な事象に遭遇する。決して明るい話ではないと思うけど、最後に少しほっこりするような・・・。最終的な感想は、きらいじゃないということ。
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三崎亜記の刻まれない明日を読みました。
10年前にある街の数ブロックから突然消えてしまった3095人の残留思念は、今でも、その事故で消えてしまった図書館の貸出簿として、街のFM局へのリクエストとして残り続けているのでした。
彼らの痕跡は青い蝶の絵となって建物に映り続けています。
そして、その事故の生き残りの少女や少年も10年のうちに成長し、事故の真相に迫ろうとするのでした。
失われた街とも関連する物語で、奇抜なプロットながら、三崎亜記らしい暖かい物語になっています。
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序章の時点で「居留地」「異邦郭」の単語が出てきて、
「おっ、『コロヨシ』の世界じゃん!」とテンションアップ。
一瞬で3095人の町の住民が消えたという事件の
十年後を舞台に、残された人たちの連作短編ということで、
この作品だけでも十分心温まる、それでいて少し不思議な
お話として成り立ちはする。
でも他の三崎作品の
背景にも潜んでいる「この国」の意志が
今後の物語でつながったとき、
かなり大きなスケールのお話に
なるのではなかろうかと思う。
でもまさか樹が掃除の際にキメてた「強化誘引剤」が
意外な形で登場することになるとは…。
「思念供給管」は「鋼の錬金術師」の
アメストリスの地下を思い出させる。
ぜひ三崎作品を全て読み終えると
謎が全て解けるような仕組みにして欲しい。
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「失われた街」の続きのような話。いろいろ不思議な設定で「不在」または「喪失」というような、「ないもの」について書かれる。ないものはないので、それだけを見つめると結果的に筆致はクールになるのだろうか。しかし連作短編で100%とはならず、中途半端な甘い話が途中で気になったが、最後の方はこれぞ三崎さんという流れで満足。
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一部が消えてしまった街に住む人たちの話。
悲しみを抱えつつも新しい出会いとともに
温かくなっていく人々がいいな。
程良い距離感で寄り添っていたのが素敵。
街の消失がわかった時点で『失われた町』のことがよぎったけど
何も書いてなかったのは出版社が違うからなのね。。
謎が多少残るから 本棚探してこなきゃ。
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タイトルと表紙で購入。ジャケ買いってやつですかね…
一つ一つの話は読みやすいけれど、「あの事件」について明らかになっていくうちに話についていけなくなってしまって。
やや置いてけぼり感が残念でした。