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6つの短編事件とそれぞれに纏わる共通の脇役。最後に登場する脇役の話は7つ目の短編に。なるほど…スタンド・バイ・ミー、結局最後に主役になっていた
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とある地方都市を舞台に、市民が突如事件に遭遇する連作短編集です。
各話の主人公は総じて気が小さく、事件に遭遇してもある程度調べてあとは警察へお任せです。「警察に知れたら自分が容疑者にされる」「警察にいっても相手にされない」から素人探偵を始めるなんて王道には進みません。親切に話を聞いてくれる刑事さんが後はなんとかしてくれるのです。劇的な解決の場を設けないなんて、ミステリ小説の旨みを放棄しているようです。斬新と言ってもいいかもしれません。
ではどこにミステリ小説らしさがあるのか。これは脇役の正体にかかってきます。いかにも脇役な名前をもった彼は誰なのか。その謎解きで読者を驚かせなければいけないはずなんです。…驚きました、違う意味で。もしかしてミステリとして書かれていないんでしょうか。不思議系のちょっと良い話、を狙ったんでしょうか。
過ちをおかした人を許すことが社会の信頼性である、の台詞あたりで著者の熱意を感じたのですが、少なくともこの小説の世界では同類の馴れ合い社会になってしまっているよう。警察の関係者には好意的な書き方をしてるので、その点は応援歌になるかもしれません。
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何気ない日常の中に見え隠れする人の温もり.短編集なのだが,最後に隠されていた,切なく優しい真実ですべて繋がってしまう.作品ごとに全然違う顔をみせる沢村凛さん。本当に不思議な作家さんだなぁと思います.
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日常ミステリから、刑事事件まで。
巻き込まれた人々は、何とか乗り越えるけど。
オチにびっくり。
やられた。。。
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「瞳の中の大河」「黄金の王 白銀の王」と、重厚感たっぷりの異世界ファンタジーで魅せてくれた作者の、意外なほど軽快な連作ミステリ。全6作がどれも小粒ながら佳作揃いで、以前読んだ2作にはおよばずとも良い作品だなーと思います。
しかし…たぶん賛否ある最終話で印象がガラリと変わりました。まさかの展開にどう受け止めてよいか混乱気味ですが、良し悪しを別にして驚かされ、しばらく記憶に残り続ける作品になったことは間違いないと思います。
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第一話 迷ったときは/第二話 鳥類憧憬/第三話 聴覚の逆襲/第四話 裏土間/第五話 人事マン/第六話 前世の因縁/最終話 脇役の不在
ちょっと迷ったときに、行くか戻るか・右か左か・突っ走るか留まるか etc.
少しだけ暖かく後押ししてくれる人がいたら安心して進めますよね。
そんな人が最後には……
残念だったけど、でも ヨカッタね という 気分です。
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謎が人生を狂わせていく
謎は思考を混乱させていく
謎の深淵を覗き込んでいく
謎を解決へと導いていく
全てに寄り添う脇役は最終的に不在となる
落ちが綺麗に纏まっているけれどすべてを明らかにしない手法、たまらないです。
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短編連作6編+最終話。
不思議な感覚の話だった。
沢村凛さんの多様な技があるんだなあ。
第1話「迷ったときは」簡単に決められなくても、これからの人生を行く上でプラスになるような話になった。
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小さな事件にも殺人事件にも、いつもあの人がそばにいた。脇役としてキラリと光る連作小説の登場人物と思いきや、予想外の真実が!
最後にもう一工夫あると、歴史に残る作品になったかも。そう思うと実に勿体ない。沢村さんの「あやまち」も「カタブツ」もそうなんだよなあ。
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連作短編、といっても共通するのはおぼろげに示されている場所と、庶民の相談を受ける脇田という警官で、あとは独立したお話。
殺人やら事件が起こったり空騒ぎがあったりするが、登場人物はみなそれを見つける側、つまり脇役(事件側から見れば)。脇役なりに、警察へ届けた方がいいか悩んだり、自分で何とかしようとしたりと右往左往する様子は不謹慎ながら微笑ましい。人物が彩り豊かな印象。働く人、引きこもりの人、恋する人、心配する人。他人がどんなことを考え動いているんだろうと、ふと思わされる。
脇田さんについてのラストは結局謎のまま?あまりみない終わり方。
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起承転結がはっきりしてる短編ミステリー集。
特に最初のお話「迷ったときは」は
優柔不断な私にもすごく当てはまったし
「迷ったときはこうしようと」思えたお話だった。
最終話はまさかそんなオチ!?と思える話で
今まであまり見たことない終わり方で新鮮で面白かった。
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「日々の暮らしの中で、ふと関わった誰かの悩み。あなたは見てみぬふりをしますか、それとも?アパートの上の階の女性が殺人容疑をかけられたら。尊敬していた先輩が定年後の再雇用を認められなかったら…。一つひとつの事件に隠された意外な真相。そしてすべての謎が解かれた時、いつもそばにいた「あの人」に浮かび上がる、切なくも優しい真実とは!?思わずもう一度読み返したくなる、連作ミステリー。」