紙の本
クロードの犬の連作が良かった…
2016/01/20 16:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
クロードの犬の連作が良かった。登場人物達それぞれに、人間が本来持つ愚かさを跳ね返すバイタリティを感じさせる。したたかなつもりでそうはいかないところがまた、そうもありなんと思わせる。あまりにも有名で敬遠していたダールの作品でしたがしつこくなくて読みやすい。
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新訳版のⅡ。
こちらもシニカルかつ、スタイリッシュな短編が収録されている。
旧版(持ってないけど……)にも収録された中では、『サウンドマシン』『偉大なる自動文章製造機』が面白かった。
特別収録の2編はどちらも短いが面白い。特に『廃墟にて』のオチは、ある程度予想はつくが秀逸。サラリと流しているところがまた怖い。
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2冊あわせて580ページほど、旧訳同様1冊で出せばいいと思ったのだが、初収録の2篇だけが目当ての者は2巻だけ買えばいいという親心か。
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さらりとして読みやすく、たまに少し刺さるセンスが垣間見える短編集。自動小説執筆機の話はブラックユーモア満載で面白かった。犬の話は結局何が言いたいのかわからなかったけど。先にⅡを読んでしまったのでⅠが気になるところ。しかし、このロアルドダールってモテたんだろうな。
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作者であるロアルド・ダールは、「チャーリーとチョコレート工場」など児童文学の作家だと思っていた。
表紙にイラストの描かれたこの本を読み始めた時、シニカルな笑い(正直笑えないのだが)に驚いた。
確かに映画の「チャーリー・・・」は、子供じみてエキセントリックな感じのするオーナーのワンカさんが強烈に印象に残ってはいるけれど、小説自体もおもしろく、子ども達にずいぶん人気のようだ。
それと比較すると、辛口。
こずるい人や嫉妬深い人。儲け話に躍起になる人。
他人を疑うあまり、その感情に絡め取られ、自滅の道を突き進む人。
それらが乾いた調子で描かれている。
ざらついた後味が残る短編集。
読んでいるときから、眉をひそめてしまうような出来事があれこれ起こる。
訳の妙味というか、どこか外国の生活感が漂っていて、第三者の目線で読んでいけるのがありがたいとすら思う。
ドッグレースでひと稼ぎしようと企む男たちが仕組んだ悪巧みとその周りにいる抜け目のない男たちとの駆け引きとその顛末を描いた、第4話『クロードの犬』。日々の生活の中で出くわす悪意に気づいても、ふたをすることへのためらいのなさ。
植物と話す術を身につけたと信じる男が周りの人たちとの間に巻き起こす出来事を書いた、第1話『サウンドマシン』
今、ちょうど読んでいる梨木香歩さんの『家守奇譚』の善良な登場人物とはずいぶん造詣が違っている。
日本の風土や歴史など、思考の土台となっているものからすると、『家守』の方がなじみやすい。そう思うのは私だけではないと思うけど。
ちょっと困った人たちに対するストーリーは、落語のように、「おまえらほんとに困ったヤツだね。おれもその一人だけどさ」というのが、聴き手も含めて根底にあり、その困ったところを笑いながらも、滋味のある語りで全部まとめてOKを出してくれるから、じんわりしたり元気になったり。そういうどちらかというと、救いのあるオチを求めてしまうのかも。
一見「うわー、ヒドイ!」と思いながらも、いや待て、この毒がもう少し薄まったら、似たようなこと、あるんじゃない?。
私から見たあなたとばかり思って読んだが、『あなたに似た人』とは、あなたから見た私のことなのではないか?はたと気づいて、自分の中のブラックな一面の存在に、ドキッとした。
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サウンドマシン。良い。
1よりSF色強めかも。
クロードの犬はどろどろ。
短編はどうしてもゆっくりしか読めない
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サウンドマシン、満たされた人生に最後の別れを、他2編。プラス特別収録2編。
チョコレート工場の作者と知らず、結びつかなかったけれど、文章自動製造機が少しそうかも。
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「奇妙な味」短篇集の後半。植物の「声」を聞くことができる機械を発明してしまった男,裏切られた女に対して凝りに凝った復讐を企てた男,文章を自動作成できる機械の発明にまつわる騒動など。前巻に続き鉄板の面白さ。
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2019年1月4日読了。ロアルド・ダールの「奇妙な味」短編集の後編。前編のほうがテンション高く楽しめる面はあるがこちらはこちらで面白い。後半を占める、田園都市での奇妙な生活を描く「クロードの犬」連作は、「奇妙な味」というにはミステリ色・オチの強さは薄いが作者の描く不思議な街に迷い込んだような感覚があり面白い。この作者の短編、他にも色々読んでみたいものだ。
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1に続けて読みましたが、1の方がブラックなインパクトは強いかもしれません。ブラックではなくても「サウンドマシン」「偉大なる自動文章製造機」などは設定が面白く心に残りそうです。逆にインパクトが強いのは「クロードの犬」のシリーズでした。中でも「ラミンズ」は読み始めからなんとも身の置き所のないむずがゆさがあり、ラストはああやっぱり…と思わす息を止めました。「廃墟にて」もよくあるパターンですがこの短さにすべてが説明されているのは驚きます。後味は優しくないのですが児童書にはないダールの色を楽しみました。
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ちょっと苦手。
いやーな感じや痛そうな感じが多すぎて…。
でもそれがこの人の持ち味なのだろうと思う。
もっと読めばクセになるのかな…。
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あなたに似た人Ⅱです。短編6つを収録。最初の3つは面白かった。どんなオチなんだ?という好奇心でワクワクしながらどんどんページをめくっていった。残りの4つは同じシリーズ的なものでびっくりするくらい面白くなかった笑 読み進めるスピードの遅いこと、遅いこと笑 まあ、好みもあります。
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2020/9/10読了。一回で終わらせるにはもったいない。きっと、読み込むとさらに味わいがあること請け合いである。きっと…。
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読後感の悪いショートショートを書かせたら天下一のロアルド・ダール短編集。印象的なのはやはり表紙にも出てくる「クロードの犬」。
他の作品と違って複数の独立したチャプターに分かれているので、登場人物への感情移入が自然と強くなる。話としては全然関係ないが、映画「ロック・ストック・トゥースマーキングバレルズ」を連想してしまった。イギリス人はこういうの好きなのかね。
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作品紹介・あらすじ
植物の「声」を聞く機械を発明した男が耳にしたものは? 小説自動作製機は何を成し遂げるのか?教養ある男が企んだ甘美な復讐のお味は?……短篇の名手が、人生という道路に、時にぽっかりと口を開ける非日常という落とし穴を描いて見せる非情でブラックな短篇の数々。従来未収録だった短篇2作を新たに加えた新訳決定版 【収録作品】 サウンドマシン/満たされた人生に最後の別れを/偉大なる自動文章製造機/クロードの犬/ 〔特別収録〕ああ生命の妙なる神秘よ/廃墟にて
第1集を読んだ時の感想で「ダークで毒の強い作品は好きな方なのだけれど、この人の毒は僕の体には合わなかった。第2集も手元にあるので、とりあえずそちらも読んでみようかと思う。もしかしたらそちらの毒は体に合うかも」と書いたのだけれど、結局この第2集も体には合わなかった。僕の好きな作家ではない。ただ最後の「廃墟にて」だけは別。たった2頁だけの短い作品なのだけれど、悲惨な情景がくっきりと瞼に浮かんでくるような、ダークなディストピア作品だった。願わくば現実にならないことを祈って。