意外としっとりなロードノベル
2014/09/16 11:38
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投稿者:アトレーユ - この投稿者のレビュー一覧を見る
おもしろいかというと…う~ん。
味がある、と答えるかな。
語り手がちょっとIQ低めな弟、っていうところが、話に深みをだしている。
バンバン人を撃っちゃうお兄さんに対しても、
他人であれば『荒くれ者で人でなし』になるが
兄弟だからそれを受け入れる許容が自然と出てくる。
それを語っても、血なま臭くならないのは、そんな弟が語っているからか。
善き人のように描かれている弟。
見返りをそれほど期待せずに女に金を与え、社会的弱者には少しの情けをかける。
だが、踏み込んだ人間関係は一切遮断。
だからこそ決して仲良しではないような兄弟の描かれ方の中にその絆が浮き出される。
見え透いた『絆がテーマの感動作品』より、余程いい。
読みやすい。が『このミス』4位っていうのはちょっと疑問。
ミステリ??(苦笑)
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凄腕の殺し屋シスターズ兄弟は、雇い主の“提督”に命じられある山師を消しにサンフランシスコへと旅立つ……。
凶暴な兄とキレたらヤバイ弟、愛すべき二人の珍道中。暴力的で残酷なシーンの連続なのに、とぼけた語り口がそれを不快と感じさせない。積み重ねられたエピソードのひとつひとつも魅力的。
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表紙や帯、評判を聞いて読んでみた中身はまた違った。
コメディー、またアクションものだと思っていたがロードムービーのようなもの。
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兄弟はケンカもするけど仲良しで、
歯磨きは気持ちよくて、
友達はなかなか出来ないけど友情は大切で、
大人が泣き続けるのはうんざりで、
恐怖はどんな人間も持っていて、
兄弟は母親が、家族が大切な、殺伐なのにカラッとした物語でした。
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名うての殺し屋シスターズ・ブラザーズ。兄は危険で、弟はもっと危険。
提督の命により今回狙うはとある山師。
珍道中を経てターゲットの男を見つけたものの…。
知性面でやや問題ありの弟が語り手で、普段は穏和だけれど切れると凶悪になると言う性格が良く表れている。
凄まじく残酷なシーンをさらりと流す様は笑えるけど笑えない…。
そして、この格好良さは残念だけど自分には分からない。
作品として面白かったけれど、別格かと言われると首を捻るんだよなぁ。ノワールとかそう言うのが好きじゃないからってのもあるんだろうけど、こういうロマンはわからんな~。
西部劇で兄弟ものだったら荒野のホームズシリーズの方が好みだな。
あ、でも装丁はものすごくカッコいい!と思う。
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ブッカー賞最終選考まで残った作品ということもあり、非常に評判だしブックデザインに惹かれたので読んでみた。おもしろく読みはしたけど、そんなにがっつりと引き込まれもしなかった…表紙デザインのせいでもっとコメディタッチを期待してしまっていたからか。
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あちこちで評判がよかったので勢いで読んでしまった一冊。殺し屋が主人公のロードストーリーでは、『ノーカントリー』(原作は未読)を連想した。あそこまでの重苦しさとカッコよさはないので、ノーカントリーのポップ版って感じかな。思ったほど人も殺されかなったし。
明確な起承転結は多分、ない。前半はストーリー自体が見当たらず、単なる作者の自己満足かしらと訝しむような退屈さ。一人称の語り口は軽妙で特徴的ではあるが、これといって響くものがない。右から左へスルーするだけで、イージーなBGMを聴いてるよう。
後半にやっとドラマが展開するけど、その着地点もなんだかなあ。うまく着地してるけど、位置はそこじゃないでしょ、みたいな。最後までふわふわ感が拭えなかった。浅い部分で読ませてるので、深みが全く感じられなかった。
ブッカー賞のレベルはわからないが、こういうぬるい作品が評価されるのね。でも現実逃避(?)には向いてるかも。ちなみに自分は心身ともにヘヴィーな時期に読んだけど、一瞬トリップできてプチ・リフレッシュになりました。どうやら雰囲気と世界観を楽しむ作品みたい。
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「シスターズ・ブラザーズ」http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488010041 … 読んだ。老馬のダブがとにかく可哀想、ひどすぎる。あと川のビーバーたちも。バカ写真とその影響が連日ニュースになっている今、この本を読むとなんか絶望に近い気持ちになるというか。ラストでトーンが変わるのが救いかな
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シスターズ・ブラザーズは、2人組みの殺し屋。
古き良きアメリカ西部開拓時代、ゴールドラッシュに揺れる新大陸で、馬にまたがり拳銃をぶっ放し、シスターズ・ブラザーズは今日もゆく。
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正直、読み始める前に思っていたのとはだいぶ違った。
もっとユーモアに溢れたドタバタ活劇かと思ってた。
開いてみたら、2人の殺し屋兄弟の、ロードムービー的なお話で、いわゆる日本の作劇上の起承転結や、アメリカハリウッド的なプロット物語でもなく、ただただ、あるがままを受け入れる、遙かなる旅路。
娯楽小説として読めば娯楽小説。
文学小説として読めば文学小説。
人によって感想は様々だろう。
表紙と、帯やその他の煽りが、期待値を高めすぎているのかもしれない。
でも、この作品の本質は、まったく違うところにある。
シスターズ・ブラザースは、殺し屋の兄弟。
殺しのターゲットに向かって、堂々と馬を進める。
その路上でほんの少しでも邪魔が入るなら、容赦なく殺す。
邪魔でなくとも、いらついたら殺す。
なんだったら、そこにいた不運のために、殺す。
そんな2人が、旅をしていって、何を見つけて、何を失うのか。
これは、ただそれだけの、ロードムービー。
人生の、ロードムービー。
退屈きわまりない展開と、人は言うかもしれない。
でも、ぼくはけっこう好きですね。これ。
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賞候補に挙がったと評判だったので読んでみたが、正直面白くなかった。出来事がダラダラと書かれているだけで、もっとエンターテイメントとして読ませるような構成だったらと思った。
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シスターズ兄弟のウイットに富んだ日常の会話と悲惨な暴力描写のギャップにしびれた。ただやや冗長で盛り上がりに欠けていた。
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時は19世紀の米国西部。
兄弟の殺し屋が一人の山師の殺害を命じられてカリフォルニアに旅立つ。
その道中 兄弟の力関係、頭の良し悪し、残忍さや温かさが明らかになる。
例え殺し屋でも人間だれであれ
何かにすがって 何かを手掛かりに生きている。
それは自分の腕であったり、将来の希望であったり、人間関係であったり
異性への愛情であったりお金であったりする。
結構 内省的な 主人公(弟の方)の視線で語られる本書は
そういった 人生を変えてくれそうな何かに振り回される生きざまを描いている。
先の読めない展開なのに、次が読みたくなるプロット。
構成力も表現力もなかなかである。
日本の小説だと主人公の独白のようなもので心理描写をするが
ここは行動で心理描写がされる。
例えば二日酔いばかりしている兄は現実から逃げようとしてる。
弱いものにやさしい弟は愛を求めている。
駄馬にも 行きずりの女にもやさしい。
それは 人に対する態度は 未来への希望から
くる。
お金やお宝を求めた兄弟が最後に求めたものは・・。
一日でよみました。なんという傑作。
素晴らしい読書体験。
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このミス4位なので読んだが、結局ミステリーではない。同じウェスタンなら荒野のホームズのほうが面白かった。このミスの選考基準はどうなっているのだろう。
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おもしろいかというと…う~ん。
味がある、と答えるかな。
語り手がちょっとIQ低めな弟、っていうところが、話に深みをだしている。
バンバン人を撃っちゃうお兄さんに対しても、
他人であれば『荒くれ者で人でなし』になるが
兄弟だからそれを受け入れる許容が自然と出てくる。
それを語っても、血なま臭くならないのは、そんな弟が語っているからか。
善き人のように描かれている弟。
見返りをそれほど期待せずに女に金を与え、社会的弱者には少しの情けをかける。
だが、踏み込んだ人間関係は一切遮断。
だからこそ決して仲良しではないような兄弟の描かれ方だが、その絆が浮き出される。
見え透いた『絆がテーマの感動作品』より、余程いい。
読みやすい。が『このミス』4位っていうのはちょっと疑問。
ミステリ??(苦笑)
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図書館で。
面白くないわけではないけれどもそこまで面白いって感じでもない。馬でオレゴンからカリフォルニアまでって結構大変だろうな、とは思うんですが。どこか抜けた兄弟のロード物、なのかなあ。
砂金発掘で沸く当時のカリフォルニアは環境汚染がすごかったんだろうなあ…。ビーバーが可哀想。そして一度は手に入れたものを全て失いさらに深手を負って帰るのが母の家ってのはどうなんだろう。なんだか少し切なくなります。