投稿元:
レビューを見る
最近、話題のビッグデータだが、どうしても企業の取り組み例の紹介や技術論的な解説の本が多いと思っていた。
本書は、10章構成で、ビッグデータの概要やその特徴、企業の活用例、個人情報などの危険性を読み物として読みやすくした点がよく、理解しやすいと思った。本書を、一部読み物として読めば、読了後にビッグデータの技術はともかく、本質や活用例や危険性が理解できていると思う。
内容を章別に書くと、1章はビッグデータの概説、2~4章で、抽出ではなく全体を扱う、精度は重要ではない、因果関係から相関関係への変化を説明している。5章が、(歴史的に見て)データにできる事柄と有用性、6~7章が実際の企業の活用例、8章が個人情報や行き過ぎたデータ至上主義への懸念、9章が設定しなければいけないルール、10章が未来の活用として本書をまとめている。
目次を下記に載せておく。
第1章 世界を変えるビッグデータ
When Data Speaks データが語り始めるとき
第2章 第1の変化「すべてのデータを扱う」
「N=全部」の世界
第3章 第2の変化「精度は重要ではない」
量は質を凌駕する
第4章 第3の変化「因果から相関の世界へ」
答えが分かれば、理由は要らない
第5章 データフィケーション
「すべてのもの」がデータ化され、ビジネスになる時代
第6章 ただのデータに新たな価値が宿る
ビジネスモデルの大変化 その1
第7章 データを上手に利用する企業
ビジネスモデルの大変化 その2
第8章 リスク――ビッグデータのマイナス面
『1984』の悪夢は実現するか
第9章 情報洪水時代のルール
ビッグデータ時代のガバナンスとは
第10章 ビッグデータの未来
ここまで述べてきたことの「まとめ」
投稿元:
レビューを見る
高知大学OPAC⇒ http://opac.iic.kochi-u.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?isbn_issn=9784062180610
投稿元:
レビューを見る
ビッグデータを扱うようになると
何が変わるのか??
基礎の基礎がわかった
目次にもあるが、
ビッグデータで変わる
3つのポイントは、
言われてみればそうだけれど、
事例も交えてわかりやすく、
腑に落ちる説明だった
ビッグデータで変わる3つのポイント
1.全てのデータを扱う
2.精度は重要ではない
3.因果から相関へ
投稿元:
レビューを見る
ビッグデータ社会において重要なのは因果関係より相関関係
いっとき話題になったビッグデータ。一頃よりは耳にしなくなったが、それは社会にあって当然なものとして認知された(あるいは隠蔽された)からとも言える。
サイトへの登録、アプリの使用、Facebookへの投稿。いたるところから個々人の情報が吸い上げられていっているこの社会
投稿元:
レビューを見る
個人の嗜好や、緊急性を要する医療・災害への対処に、因果を求めずとりあえず相関だけで判断するのは実用的だが、因果関係の探求を捨てて相関だけで良しとするのは違和感。
研究者にありがちだが、楽観的に過ぎる部分がある。
自分以外の皆が、自分と同様に聡明で危険性や限界をわかった上で技術を使うと思ってはいけない。
本書の中で因果関係の必要性やビッグデータの危険性についても言及されているが、相関で良しとした途端、ブラックボックスから吐き出された神託に思考放棄して唯々諾々と従うユーザの姿が見えてくる。
その姿は、ボタンを押して餌をもらうチンパンジーと変わらないのではないか。
与信スコアを相関だけから判断している現状は非常に怖い。
「大体そうである」というデータをもとに、もしかするととんでもない相関関係を根拠に「だからあなたには・・・できません」と断定されるのは屈辱以外の何者でもない
過去のデータを元に現在の判断に対して神託を下すのであれば全てが判例主義となってしまい、規格外の新しいものが生み出されない。
フォードの時代にビッグデータ調査を行ったら「もっと速い馬が欲しい」という結果となる、という例えを肝に銘じなければいけない。
投稿元:
レビューを見る
近年のバズワード "ビッグデータ" が社会にもたらす変化を解説した一冊。
冒頭部分はイメージしやすいビッグデータの活用例を紹介しながら、いかにデータ分析が大切かを説く。これまでゴミとみなされていたデータが実は宝の山であり、新たな予測分析や価値創造ができると強調。
しかし、ビッグデータが社会に深く浸透すると、データによってすべてが動き始める。たとえば、映画「マイノリティレポート」の冒頭部で事件を起こす前に逮捕される、ということも現実になるのかもしれない。そまさか、オーウェルの1984までも。。。
人間の自由とは何なのか、そこまで議論が発展する。ビッグデータの活用は社会システムを一変させる。その未来はユートピアなのかディストピアなのか。
投稿元:
レビューを見る
実例が豊富なので読みやすい。データによる航空券の価格変動予測や、道路渋滞と失業率の相関、検索ワードによるインフルエンザの流行予測など、大量のデータを扱うことかできるようになった結果、気がつかなかった事実が見えるようになる。
1.全てのデータを扱うこと
2.大量のデータを扱う場合、データ精度は重要ではない
3.因果関係ではなく相関関係でみる
重要なのは分析技術ではなくデータを保有する立場になること、再利用方法を思いつくことが重要とのこと。
投稿元:
レビューを見る
データから新しい価値が生まれる。データが主役になる。そういう思いを強くさせてくれる本。
旧態依然とした考え方から脱し、もっともっと前に目を向けていかなければという意識にさせてくれた。
投稿元:
レビューを見る
文中より・・・ビッグデータの捉え方「小規模では
なしえないことを大きな規模で実行し、新たな知の抽出
や価値の創出によって、市場、組織、さらには市民と
政府との関係などを変えること」ビッグデータの時代
には、相関関係が単純になる結果、社会が因果関係を
求めなくなる時代。つまり「結論」さえわかれば、
「理由」はいらない。
人間に残された最後の砦は「予測不能な物事」。
発明のひらめきはデータには語れない。
投稿元:
レビューを見る
「ビッグデータ」を単なる流行語としてではなく、知識社会の歴史における大転換として位置づけ、その本質的意味合いや社会環境への影響などを分かり易く解説した、いわば究極の入門書。
著者はビッグデータの特徴を、①情報技術の発達によって、サンプルではなくすべてのデータを収集・分析できるようになったこと、②①により、データの正確さが重要ではなくなったこと、③①と②により、因果関係ではなく、相関関係による結論が重視されることであるとし、世界中の情報が「データ化」(≠デジタル化)されることで新たなビジネスが生まれると主張する。
加えて著者はビッグデータを、壁画や活版印刷から続く人間と知識の関係における革命的な変化と考えており、その上で「データ至上主義」がもたらすプライバシーや個人の自由な選択の侵害といったリスクにも目を向け、対策を提示することも忘れない。本格的なビッグデータ時代の到来にあたり、逆に人間がすべきことは何なのかを、企業人としてもユーザとしても考えさせられる一冊。
投稿元:
レビューを見る
時間的制約より1/3程度しか読めませんでしたが、データ分析に関して事例含めた変遷、導入効果が綺麗に纏まっており、非常に勉強になりました。
投稿元:
レビューを見る
従来のデータ分析方法と対比させ、相関分析の価値を述べる。それは全データを丸ごと解析することができるようになったからこそこ価値であり、ビッグデータの真髄がそこにある。
そして、ビッグデータによる功罪を丁寧に述べた後、未来まで言及をする。
まさに世間で話題となっているビッグデータ、その正体を知るのによい一冊であった。
投稿元:
レビューを見る
「ビッグデータ」あ~そうなんだ。そういえば・と納得。ここ数年の進化は想像の域を超えて進む。思考停止です!
投稿元:
レビューを見る
因果関係から相関関係へのシフト。
ビックデータの活用事例がわんさか載っていて、そのビックデータの活用の危うさも記載されている。
大量のデータがあるからこそ、傾向がわかる。
グーグルの検索エンジンで検索されたキーワードをもとに、インフルエンザの流行度合いを調べたり、購買履歴からハリケーンが発生するときに何がよく売れるか調べたり、機械翻訳の精度が上がったり、相撲の八百長を見抜いたり、安全な航路を明確にできたりできる。
全て相関関係。
で、相関関係で物事が判断されるようになった際、個人情報が特定できてしまったらどうすんの?二次利用したい場合は、提供者に再度許可とるの?犯罪の傾向があるという理由で逮捕するの?など、多くの課題が待ち受けている。
ビックデータの良し悪しがまとめられた良い本だと感じた。
投稿元:
レビューを見る
16.07.31読了。ビッグデータとはなにか、ビッグデータがどのように世界を変えるかの本。大変興味深い。良書であった。