紙の本
考え抜いた一球
2017/11/26 22:57
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投稿者:鯉狂い - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んだのはクライマックスにすら出れず(この年も正念場に立たされていた)苦しんでいた2013年7月初頭。
数年前まで我が軍のエースだった選手は海を渡り、生き抜くべく研究し、考えに考え、行動にうつしていたことを知る。
ある愚かな審判が『間違えたのは1球だけだ』と黒田降板時にわざわざ近寄り言い放つゲームがあるのだが、『その一球を投げるためにこっちはどれだけ考えていると思っているのか?』と黒田がメディアへ語ったセリフの重みがこの一冊から後追いで伝わった。
翻って2013年7月当時の我が軍の投手達は若かった。ポテンシャルがあることは間違いない。だが、詰めが甘かった。黒田がその経験を伝えてくれれば、と願わずにはおれなかった頃。。。
今となっては懐かしく、その後の黒田の貢献には感謝せずにはいられない。
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やっと読み終えた。
自分の役割を果たすためには何をしなければならないか。現役の大リーガーに教えられた。
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日本とは異なる役割を求められる大リーグで、「クオリティ・ピッチング」や「中4日で1年間ローテーションを守る」を果す筆者が、配球術やメンタルの整え方などを説明している。「ここまで書いて大丈夫か?」と思うほど非常に詳細に書かれており興味深い。
また、ビジネス書としても有用。例えば「自分の素質を踏まえて環境に適応する」「コントロール可能なことに集中する」「貪欲に勝利を求める姿勢」などはビジネスでも共通だろう。特に、「コントロールが良くない」点を踏まえた上で、「メンタル面で優位に立ち、細かいことを考えなくても良い状態を作り出す」点への拘りが興味深かった。
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黒田博樹が勝ち星をあげるためよりも、いかに打者のデータと実戦での駆け引きによって考えて投球をしながら打者からアウトをとるかという黒田のピッチャー理論がわかる内容。
過去の対戦を図説入りで丁寧に解説しているので(一球ごとに球種とコースが一目でわかるようになっている。)
この本の中でヤンキースに移籍したころに思うような成績が残せず、死んでしまったほうがいいのではないかと思いつめたとありそれがわたしにとってとても衝撃だった。
日本では通用したセオリーがメジャーでは足かせになること、それに囚われず思考を柔軟にしてメジャーにいかに適応できるかが重要と考え、それを実践してきていまの黒田博樹があるのだと感じた。黒田の活躍はあまり日本のメディアで派手に取り上げられることは少ないが寡黙に自分がやるべきことを考え淡々と投げる黒田はやはりかっこいいのだ。
またこの本はQRコードが載っていて、読み進めながら黒田の投球が動画で観られるようになっていて文章でイメージができなくても動画で補完しているのも素晴らしいと思う。
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本書のタイトルになっている「クオリティ・ピッチング」であるが、このタイトルは先発投手評価の指標の一つの「クオリティ・スタート(QS)」というものに由来している。
QSとは、「先発投手が6イニング以上を投げ、かつ3自責点以内に相手を抑えたとき」にカウントされる。QSの考えはメジャーの歴史では比較的新しく、1985年に誕生した。近年、ようやく日本でも注目され始めてきたが、黒田が広島にいた時代では、QSという言葉を知っている人はほとんどいなかっただろう。
また、QSと並んで、投球イニング数も非常に重要で、一般にシーズンを通して200イニングを投げられる投手は一流である。メジャーでは先発の年間登板数は多くても35試合程度である。200/35=約5回2/3であることを考えると、年間6イニングをシーズン通して投げると、一流投手の仲間入りである。6イニングという数字は、日本ではややもの足りないと感じるかもしれないが、中4日の投球間隔(日本は中6日が多い)、メジャーの過酷な日程(試合数は日本より20試合多く、シーズンはほぼ同時に開幕するが、シーズン終了は日本より早い)、日本とは比較にならないほどの移動距離・時間を考えると妥当な数字であろう。
これだけ過酷な日程にもかかわらず、黒田がメジャー5年間で大きなケガなく、毎年200近いイニングを投げ、平均防御率3.42という先発としては一流の成績を残せた理由はなにか。
大きな理由は、広島時代とは全く異なる調整法を行ったことである。一番の違いはブルペンでの投球数である。黒田はメジャー移籍後、ブルペンでの投球数は多くても36球としている。36球目がどんなに納得のいかない球であってもそれ以上は投げない。このことが投手としていかにメンタル的に、技術的に気持ち悪いことかは想像に難くない。それでも黒田は「体」を万全に近づけるため、長丁場のシーズンを乗り越えると決めた。
このほか、相手バッターや審判に対して「コントロールがいいピッチャーだ」と思わせる技術、相手よりもメンタル的に優位に立つ方法など、メジャーで活躍する多くの秘訣が記述されている。
メジャーに少しでも興味があり、投手に対する考えの違いなど知りたい方にはお勧めである。
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ピッチャーをやっている者にとっては、たまらない一冊。
「フロントドア」という球種(というか投球の種類)があることさえ知らなかったし、投球はまだまだ奥深く考えてやることができるものであることを再認識した。
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黒田というピッチャーがどのようなことを考えて投げているのか、その投球術について書かれている本。すごくいろんなことを考えてピッチングしているのが伝わってくるだけではなく、①自分の特性を知る(自分ができること、できないこと)②うまくいかないなら発想を変えてみる③統計などの情報を駆使する、という3点が黒田の投球の「クオリティ」をさらにあげているのだろうなと思った。
この本の内容は非常に仕事にも役立つと思う。仕事のパフォーマンスを上げるためにもいろいろな角度から考えて業務改善するのは最低限必要で、①②③による改良を持続的に行うことができれば、業績とかパフォーマンスとかいろいろ上がるのではないか、と思った。
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長い一シーズン通して、求められるレベルで結果を出しつづけるためのノウハウとして読めます。
コントロールがよいと思わせるために何が必要か、ハッタリではなく考え抜いた黒田さんの「プロのすごさ」を体感することができます。
野球が全くわからないと、途中の打者との駆け引きの部分が苦しいかもしれません。でも、動画を見ながら追体験できるので、野村克也さんとは違った「配球論」を、きっと体感することができるでしょう。
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究極のプロ意識とその心技体を高める取組が綴られた本。
配球の極めて詳細な解説は圧巻。こんなにも緻密に考え抜いて野球をされているのかと正直驚いた。プロ棋士が1手目から対局を再現してみせて相手の心を読みながら仕掛けや寄せを解説しているみたいだ。
黒田投手が選手にとって経済的に有利な複数年契約の提案を断ったり,野球に対する気持ちの上での負担感の強さについてコメントされることが多いのを意外に感じていたが,この本を読んでそれがなぜなのか分かった気がする。
■「1試合1試合,これが最後の試合だ」と思ってマウンドに上がること。
■若くして両親を亡くした僕は,つい「両親と行ける最後の野球観戦の子どもだっているかも知れない」「そんな子供たちに無様な試合を見せるわけにはいかない」などと考えてしまう。カープ時代から打球を素手や足で止めにいっていましたが,それはそういった気持ちの表れで体が勝手に反応したもの。
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「ダイヤのA」を読んでいて、御幸先輩が持ってる本と知って買ってみました。
や、それでも、カープの選手のじゃなかったら、買ってないですけど。
野球について詳しくないので、技術的なコトが書かれてある部分はチンプンカンプンでした。ですが、どんな仕事においても、人生においても通ずる部分がちらほらあって、とても勉強になりました。考え方って大切。
あと。「ダイヤのA」で御幸先輩が言ってたコトは、こういうトコロからきてるのかな…とか、こういう意味だったのか…とか思える部分が多かったので、読んでて面白かったです。