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そもそもが存在できる『次元』が違う“妖怪”ってのは、いると思えばいるし、いないと思えばいなくなる、そんな事を読み手に思わせる妖怪漫画
妖怪は絶対に存在する、と読み手に頑なに自論を押し付けてくる事は全くなく、影山先生は妖怪を隣人、もしくは、野良猫や野良犬などの、人間の一日の中のどこかで必ず接する対象だ、と受け入れているように思える
私がこの漫画が好きなのは、登場する妖怪のバリエーションが多く、キャラが個性に満ちていて、なおかつ、フィクションぽくないからだ・・・まぁ、あと、画が怖くないってのもある。妖怪が登場する以上、大きな括りではホラー漫画になり、妖怪が全く恐ろしくないってのは、それはそれで致命的だが、この怖くない妖怪画が影山先生の持ち味、武器なのだろう
どの話も、私の笑いのツボを適度な強さで押してくれて、幅の広い笑いを提供してくれたが、やはり、この5巻では最も、心をほっこりさせてくれた、雪の夜に来た不思議な恩返しを綴った、第六十話『閑話・雪の夜語り』を個人的に推薦したい
情けは人のためならず、優しくする相手が人間だろうが、妖怪だろうが、違う次元の存在だろうが、筋を知っている者はちゃんと、困っている時に助けてくれる
笑える話では、第伍十六話『送り狼』だろうか。こんな可愛い、送り狼ならぬ送り犬は大歓迎である。あと、奇異太郎のその場凌ぎ力にも感服w