紙の本
おかしくなった世界でいきる少年少女のリアルな姿を描写した小説
2017/05/13 13:38
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投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作品は非常に難しい作品だと思います。
この物語は、主人公ジェシーの視点から描かれるため、
一見すると彼女が主人公の物語のように感じます。
しかし、僕はこの物語の主人公は思春期の少年少女たちだと思っています。
大人たちがむちゃくちゃにしてしまったつけを少年少女が払わなければならないとなった時に、彼ら彼女らがどういった行動を起こすのか、ということが本作品のテーマだと思います。
思春期を終えた大人には、彼らの行動に理解を示すのは難しいかもしれませんが、
だからこそ、こういった小説読むことで彼らへの理解が深まるのではないかと思います。
本作品では、研究者の父を持ち、他の少年少女より多くの情報を得られる立場にある16歳の少女ジェシーを主人公にすることで、
様々少年少女たちのリアルな姿を描写している点が魅力だと思います。
主人公が16歳の少女であるため、科学の力で問題を解決する過程の描写は少ないので、それを期待している人には不向きな作品かもしれません。
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全編が16歳の少女のモノローグで構成され、確かに作者が参考にしたという「アンネの日記」を連想させる。
SFでありながらSF的な装置はほとんど出てこない、極めて叙情的な作品だ。
読み進める中で、違和感を感じていた。
人類の未来のために16歳の少女が自らの命を犠牲にするというテーマが、前大戦時の「特攻」を想起させるからだ。
女性の妊娠と同時に発動してその女性の脳を破壊してしまうウィルス。
バイオテロにより、いまや全人類がこのウィルスに感染しており、あらたな子供は生まれてこない。
このままでは数十年後に人類は死に絶える。
その危機的状況を救うために考え出された「眠り姫」計画。
バイオテロ以前に冷凍保存された胚にワクチンを接種し、代理母の子宮に移植して育てる。
代理母の脳は破壊されるが、生命維持装置によって命をつなぎとめ、子供が十分に育った段階で帝王切開により取り出す。
同時に生命維持装置は取り外される。代理母は、まさしく子供を生むための使い捨ての装置だ。
計画の参加者は確実に死ぬ。
移植された胚が確実に成長して出産までこぎつける保証は無い。
それでも、人類の救済という崇高な目的のために少なからぬ数の少女が志願する。
本編の主人公もそうした少女たちの一人だ。
いまひとつ素直に感動できないのは、こうした「特攻」的精神の描かれかたと右傾化する今日の空気に危ういものを感じるからであろうか。
「眠り姫」計画に関与する科学者の一人であり、少女たちの自己犠牲を賛美していたにもかかわらず、最愛の娘が志願したと知るや何とか翻意させようと様々な説得を試み、あげくに娘を軟禁してしまう父親の方にこそ、人としての真実と健全さを感じさせる。
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イシグロの「わたしを離さないで」といい、最近のイギリスの小説家はSFのフリして一般小説を書くのが流行りなんですかね。そういう小説の例に漏れずあまりおもしろくない。一般小説ほどキャラが書き込まれておらず、SFほど異世界感を出せてない感じ。未曾有の奇病に全人類が感染して(笑うとこかな、ここは)人類が数十年のうちに滅亡するかもしれない世界の話だけど、登場人物はみな頭が悪くて自分勝手で感心する。登場人物すべてがある種の陰謀論を信じてるという点では画期的な小説かもしれない。以前だったらイギリス人はバカだから、で済ませていたのだが2011年以降日本人も同じくらいバカだということが身にしみてわかったので痛切といえば言える。あの時期熱に浮かされたように陰謀論を説いてた人が静かになったのは良いことといえば良いことだけど、基本的なバカは直ってないわけで大事故があれば元の木阿弥となることである。
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駄作。完璧に時間の無駄だった。
腰帯の「『たったひとつの冴えたやり方』の純粋さで、『わたしを離さないで』の衝撃を描き出した近未来フィクション」に騙されて買った自分の浅はかさを恨む。
登場人物は全員正常な思考ができていないため、読んでいてイライラする。加えて設定も「これがSF?」と笑いたくなっちゃうようなお粗末なもの。
辛い読書だった。
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政治かぶれした女の子のお話。
SF的設定もないし、どんでん返しもないし。
途中からは意地で読みました。。。
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あとがきから子供が親に反抗し個人となる、
勇敢、英雄的行為が周囲に与える影響とあるが、
過去の世代をを槍玉にあげ、歩み寄りや相互の理解をしようとしない
現在(未来)の世代の思い上がり、独善、
他者との関係や自分の信じたもの以外を信じられない独りよがり、
若者(未熟なもの)の夢見がちな陶酔を強く感じた。
原題の多少ネガティブなイメージとは異なる邦題がついている
ということは、作品全体を肯定的に捉える方も多いのかもしれないが
帯の「たったひとつの冴えたやりかた」と「わたしを離さないで」
どちらも好きな作品だし、後味も余韻もまったく違うので
使って欲しくなかったかな。
背表紙のあらすじを読むと、もっと違う描き方やストーリーの展開が
あったのでは?と思わずにはいられない。
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最後まで読みと通せなかったので評価もなし。
ただ言えることは「帯の惹句にだまされた」
思春期(反抗期)のハイティーンの独白を延々読ませれる苦痛。ムダに長い。
世界が見えてこないのが致命的。
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”「たったひとつの冴えたやりかた」の純粋さと
「わたしを離さないで」の衝撃“という帯のコピー。
そして「世界を変える日に」というタイトル。
期待があまりにも大き過ぎたのか、残念でしかない。
読んでいる間も、まさかこのまま終わりじゃないよね?
と何度も念を押しながら読んでいたのだけど、
それが覆されることはなかった。
確かに主人公ジェシーの選択という点だけでみれば
「たったひとつの冴えたやりかた」のコーティーを
思い浮かべるし、映画でしか観ていないけれど
「わたしを離さないで」の空気感とも近い気はする。
でも主人公が辿り着いた選択に説得力というか、
そこに辿り着くまでの過程が受け容れられない。
反対する両親をきちんと納得させられていないわけだし。
誰もが幸せになれる選択や結論というのはないとは思うのだが、
それでもコーティーは他に選びようがなかった。
この作品のジェシーにはまだまだあったと思えてしまう。
父親の今までの仕事と、ジェシーの決断後の矛盾は
人間なんだなって感じでそこはよかった。
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あらすじを読んで面白そうだなぁと思い、読み始めました。16歳らしい感性を持った主人公に対し、共感できたり、逆に批判的になったり、物語内部での個人同士の考え方のすれ違いは勿論のこと自分自身と主人公のすれ違いを感じることもできました。
その後、が気になるお話です。
惜しむらくは、訳ですかねぇ……。私の訳法と異なる点が多々あったので、非常に、気になる点が幾つかありました。修飾部の扱いが英語の並びと同じように、文外での追加だったので……。日本語の文として、書いていただきたかったところです。
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正直に言おう、表紙のイラストに自転車が映り込んでいたのも、この本を買った理由の一つだ。ストーリーに自転車は関係ないが、316ページに自転車に乗る主人公が気持ち良く描写されている。
物語の背景は近未来にある。
バイオテロのため妊娠すると妊婦は狂牛病にかかり、早々に死に至るため、新たな子供は生まれなくなっている。わずかな光明として、受精胚にワクチンを接種し、生命誕生の汀で抗ウイルスの人類を生み出していく方法が考えられた。しかし、母体の脳はウイルスに蝕まれるため、生命維持装置で胎内環境のみ生かされ、出産と同時に死に至る。主人公は16歳にして、死に至ることを覚悟の上で母胎になる決意を固めるが、家族は反対する。
舞台はSFの設定だが、物語は70年代以降に普遍的に見られる若者特有の反発心、自己犠牲心など、自我を獲得していく過程が書かれている。
劇的なラストがあるわけでも、派手などんでん返しがあるわけでも無い。若気の至りを振り返る機会もなく、主人公は帰らないのだろうか。
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思春期特有の、視野の狭さと思い込みのおはなし。
自分で選んだ決断だから、見守ってあげたいとも思うけど、
両親の立場になってみればそうはいかないよなあ。
広い視野、情報の選択スキルは生きていく上で身に付いていくものだと
この年になってつくづく思う。
そりゃあ若いうちはわからないよな~。
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延々と遺書が続き読むのが苦痛であった
表紙 6点牧野 千穂
展開 2点2011年著作
文章 4点
内容 310点
合計 322点
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個人的に大好きな「終わる世界」が舞台の小説。
人間の生殖が成立しなくなることにより、人類滅亡が運命づけられる、というのはフィクションの中でよくある話だとしても、そこの理屈がちょっと変わっている。
また、ミソジニーとミサンドリーの対立があったり、グレタ・トゥーンベリとしか思えないような環境保護主義が登場したり、とても現代的な内容が扱われているのは興味深い。
この舞台装置の中で、主人公の心理を追っていくという筋立てであり、そこは良いです。ですが、あまりに舞台装置に対する世界の人々の対応がひょうひょうとし過ぎていて違和感がありました。乗り切れませんでした。
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なぜ自分がやらなければと感じるのか
人生の意味は
自分の命を使いたい。
盲信?英断?勇気?暴挙?若気の至り?
世界に対して影響を与えたいという、主人公の女の子の強い感情をみて、自分が世界を救うんだという強い気持ちを見て、大人?おじさん?の自分は今何をかんじているのかすぐに答えられない。それ自体が、答えかもしれないが。
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〈受胎告知〉が死を意味する世界で、「もの知り父さん」は死を覚悟した娘に何を言えばいい?近未来のいつの間にか、全人類が母体・死亡・シンドローム=MDSに感染していて、妊娠すると脳がボロボロになっていって月齢が3ヶ月になる前に死ぬ、もちろん胎児も。〈父さん〉は、受精した胚にワクチンを入れて子宮で育てるという人類を救う研究をしていて、MDS無縁の羊の子宮を使うなど突破口を模索している…早産で生存できる22週目以降まで母体を保護する技術は開発された、胎児生存率は16歳が最高/彼は職を辞し、娘を監禁して翻心を待つが