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猿まわし被差別の民俗学 みんなのレビュー

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4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

被差別を考える新しい視点を与えてくれる良書です。

2013/11/17 13:19

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:allblue300 - この投稿者のレビュー一覧を見る

被差別の根源には呪的能力者の凋落があった。

興味深い一冊でした。今年の初め、被差別に関する本を何冊か読みました。関連する書籍は久しぶり。記憶にないだけかもしれませんけれども、年初に読んだ本にはない視点がとても面白かった。冒頭の指摘は著者の私見です。

著者の筒井功さんは、共同通信社で記者をしていた民俗研究者。正史に登場しない非定住民の生態や民俗の調査を続けている。関連する著書も多い。第20回「旅の文化賞」を受賞している。こんな賞があるんですね。

被差別に関しては、穢れと清めをキーワードとする説が最も有力視されている。しかしながら、それに対してどうにもしっくりしないものを感じている筒井さん。そこにはどうしても説明しきれない事実があるのではないかと疑問を抱く。

本書では、猿まわしの起源やそれが発展した地域、戦国大名との関係、また信仰や肉食の対象としての猿まで、猿と人間との関係が味わいつくせる。猿まわしとは、牛馬舎とくに厩(うまや)の祈祷が本来の仕事だった。猿に芸をさせて見物料を取るのは、あくまで本職から派生した芸能だった。そして、猿まわしを業としていた人々は、江戸時代までそのほとんどが賤民に位置づけられていた。

最終章の「第一○章 なぜ差別されたか」は読みごたえがあります。神と人、その境界線にいる「イチ」と呼ばれた神と人とをつなぐ人。動物と人間、その境界線にいて多くの地域で神と仰がれた猿。この「イチ」と猿に共通するものはなんであったか。

古代の人々と神との関係は、人知の進化とともに変わっていく。天変地異や病気の原因に人類が知見を得ていくとともに、神の地位は軽くなっていく。しかしながら、神はあくまで神、徹底的に落ちることはない。観念上の存在を軽んじつづけることは容易ではない。

ところが、実在する「イチ」や猿は別。神と人との境界線、動物と人間との境界線にいた彼らの身に及んだものはとても厳しいものだった。畏敬の念は、それが消えた時に軽侮に転化しやすい。この畏敬と軽侮が入りまじった感情がやがて差別につながる。部落などの社会的差別の根源はここにあるというのが、筒井さんの見かた。

被差別を考える新しい視点を与えてくれる良書です。中盤は面白くもありながらやや中だるみ感があった。けれども、後半で持ってきた主張で最後はぐっと持ち上げてくれた。視点の斬新さに敬意を表して★五つ。被差別に関心がある人なら興味を持って読んでもらえると思います。

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2013/09/02 15:11

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2013/11/16 20:50

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2024/01/12 21:01

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