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なんだか妙な透明感のある不思議な話だった。「ミステリのない世界」とはこーゆーことかと思うものの、ちょっとしっくりこない気もする。
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不思議な物語。
書物が焼かれていく、そして重なる天災で水没しつつある世界を、英国人の少年クリスは旅をしている。そして訪れた深い森の中で、この世界では概念の存在しない「犯罪」・・・連続殺人に遭遇する。そして、禁じられた「ミステリ」を削除していく「検閲官」のエノとの出会い。
なんというか、設定の甘さ?緩さ?が気になります。焚書が行われ紙すらも希少な世界なのに、文字はちゃんと存在して、黒板ではあるけど「宿帳」を書いたり。深い森といいながら、よそ者が入ってこられて、どうやら他の町との行き来があったりしそうだったり。その割には、隔絶された孤島のように文化的に閉塞していたり。
そんなファンタジックな世界を舞台に、描かれるのはいわゆる「本格的な謎解き」というのも不思議な感覚をもたらしています。ファンタジーじゃない、ミステリだ、という主張が立ち上ってくるのです。町自体が密室じゃない空間なのに、密室殺人を読んでいるような。
そしてなにより、クリスとエノの今後が気になって仕方がありません
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書物が禁じられた世界という、特殊な設定が導入された幻想的なミステリー。主人公のクリスと探偵役の少年検閲官・エノが不可解な事件を解明していきます。
舞台設定の作り込みが甘いせいか、卜リックや動機がやや強引に感じるものの、ある真実が露見されることによって数々の謎が氷解してしまうところは良く出来ていると思いました。
特異な世界観の作品は個人的に苦手ですが、本作はきちんとミステリーとしてのケリをつけているので楽しめました。
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≪僕はミステリを探している.この,ミステリが禁止された世界で≫
「少年検閲官シリーズ」第一作.
ン―,感想が難しい.
というのも,いわゆる『特殊設定ミステリ』に分類されるようなので,その設定を活かしたトリックやら動機やら真実やらなので,ネタバレになっちゃいそうなんだよな.
そんななか,やはり(?),法月さんが分かるようでわからないようでうんうんとつい頷いちゃう解説を書いてくださっている.
すごいなぁ.そんな意味をも見出しちゃうなんて….
ぼくはミステリを,何のために読むのだろう.
どうして好きなのだろう.
何をくみ取っているのだろう.
ただただ消費するだけ.
消化できてない.昇華なんてもってのほか.
ン―,でも,いいよね,本とミステリ(笑)
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本が失われた世界。
「探偵」がどのようなものか知っている私たちにとっては想像もつかないが、主人公が訪れた街の人々は「探偵」とは「人を殺すもの」と認識し、また「探偵が人を殺すこと」を雨が降るのと同じような「自然現象」だと考えている。この様な世界で主人公はどうやって犯人を突き止めるのか。
設定に入り込むまでが少し大変でしたが、入り込むと一気に読めるとても面白い一冊だと感じた。
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書物というものが全て駆逐され、教育から報道まですべてのことが検閲されたラジオでしか情報を得ることが出来なくなってしまった世界の物語。
<あらすじ>
旅を続ける英国人少年クリスは、家の扉や室内の壁に赤い十字架が描かれた古い小さな町を訪れる。
その町では『探偵』といわれる覆面の男が恐れられていた。
家々の赤い十字架も探偵によってペンキで描かれたらしく、目的は不明とのこと。
それと町の近くの森に入った人は『探偵』によって殺されて首ナシ死体になってしまうそうで、実際に森に入った人たちはみんな首ナシ死体になって殺され犠牲者は30人以上いるとのこと。
そんな話を色々聞いていたクリスは、町の近くの湖で、ボートに乗る探偵を発見!町のみんなで湖畔を取り囲んだ。
ボートの上で探偵が斧を振り下ろす光景を目撃するクリスと町民たち。
その後、探偵はふっと消え、そのボートが湖畔に流れ着くと、探偵は乗っておらず、首ナシ遺体だけが残されていた。
一体探偵はどこへ行ったのか。。。
その翌日、ついに情報統制のために検閲官たちが町を訪れる。
その中心人物が少年・エノ。
エノはクリスから町で起きた事件を聞き、問題とされる森へ侵入する。
すると探偵がいると予想される小屋を発見。
中に入るとそこには、人間がバラバラにされて、巨大な鍋に入れられ、はがされた人皮が棒にかけられた、無数の死体があった。。。
少年検閲官・エノの推理により事件の謎が明かされる。
<オチ>
犯人は町人の1人で、目的は犯人の息子が望んだ『本』を作るためだった。
本が存在しない世界で必要なのが『紙』。
本が駆逐される以前に建てられた家の壁にペンキで十字架を描くことで、十字架が簡単に消えないからとその壁の『壁紙』を取り替えるときに、その『壁紙』を回収することで『紙』をゲットしていた。
でもそれだけじゃ足りないから、人の皮で本を作ろうとしていた。
そして、紙にインクを安定させるサイズ液を作成するため、遺体をバラバラにして鍋で煮てニカワ液を作っていた。
首ナシなのは『本』を作る材料として不要だから。
ボートの探偵消失は、探偵を紙で作りボートにいるように見せたトリックだった。
※解説:法月綸太郎
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タイトルにもなってる検閲官がなかなか出てこなくてちょっとビックリ( ・ᴗ・ )笑 焦らなくてもちゃあんと出てきてカッコいい活躍してくれます✨
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本が禁止され、世界の陸地が沈みつつあるパラレルワールド
憎悪や殺人、果ては感情が動くことすらタブーとなりあらゆる物語が無くなった世界
犯罪という概念すらないこの世界の片隅で起こる首無し連続殺人
不可思議不条理な犯罪であっても、自然死扱いになるシチュエーションでミステリを成立させるのが凄い
折れた竜骨のように、ファンタジー特殊世界でキチンとミステリという技が凄い
個性ある少年たちが活躍するので、アニメとかビジュアル向きな面もありますが
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ちょっと回りくどいチャプターもあったけど、しっかりしたミステリーでした。ファンタジーと言うのかもしれないけど、想定外な世界観とかが楽しめる人には二度美味しい、かな?
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書物の所持が許されなくなり何十年も経った世界。旅する少年クリスは訪れた町で、首なし肢体が多く目撃されると知り事件へ踏み込んでいく。
知っていること、知らないこと、読者の常識と作中の常識の境界を探る内に、真実へ案内される。おもしろい感覚だった。
読み終えて、カバーイラストを見たときの気付きも楽しい。
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洪水と津波で世界が水没しつつある中、14歳のクリスはひとり異国を旅していた。
母は幼い頃に亡くなり、英国軍人の父は潜水艦ごとどこかの海底に沈んで戻らなかった。
クリスは、森に囲まれた小さな町でホテルの息子ユーリから、町の不穏な噂をきく。
「探偵」が町の家々に赤い十字架のような印を残し、森に迷い込んだ人々の首を切っている。
ある夜、クリスは「探偵」を誘き出そうとする自警隊と行動を共にして、森で「探偵」の犯罪を目撃する。
書物が禁じられ、ラジオのみが情報という世界で、失われた「ミステリ」に思いを馳せるクリス。
父から聞いた「ミステリ」の「探偵」は正義のはずが。
「ミステリ」とは「探偵」とはをじっとりと語っている物語。検閲官エノが登場するまではジリジリする展開。
どうなっていくのか先が読めないので、「探偵」の正体も犯罪の動機もなかなか衝撃的だった。
ここのところ、タイムリープとか超人たちとか、人体実験とかのミステリを続けて読んでしまって、そろそろ、私の常識が通じる世界のミステリを読みたい気持ちに。
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オルゴーリェンヌ を買ったので、
1作目を再読。
だいぶ前に読んだけど
世界観がすぐに思い出せた。
この作者なのかこの作品なのかわからないけど
すごく読みやすくて入り込みやすい。
個人的にファンタジーが苦手なんだけど
ファンタジーと見せかけて
えげつないくらいちゃんと現実みがある。
主人公が少年なのと
ファンタジーのような世界の中で
突然氷の刃を突きつけられるような感覚。
とても好き。
オルゴーリェンヌもすぐに読みだしました。
3作目が随分出てないらしいけど
早くもクリスとエノの物語を読みたい。
それまでに北山猛邦さんの作品を漁りそう。
オススメあったら教えて欲しいです。
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クロック城をはじめとする、いわゆる城シリーズのようなファンタジーな世界観で描かれたミステリーで読み進める中で、様々な情景が目に浮かぶようでした。
一方で、本格ミステリーのスタイルをとっている謎解きの部分は、そのファンタジーな世界でのギミックをうまく活用してトリックを描き出しています。
そのように描かれたストーリーなので、この世界に興味をそそられ、この世界の話をもっと読んでみたいと思わせるような読後感でした。
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書物のない世界、ミステリを知らない世界で起こる事件…
この世界観でないと読めない真相だったなと思います
良い意味で不思議な読書体験でした!
これからどうなるのか…
次のオルゴーリェンヌも読みたいと思います!