紙の本
ちゃんとミステリ
2017/05/14 17:20
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
可愛らしい表紙に惹かれて読んでみました。最初 これはSFなのかと思いましたが 異色の設定の中で繰り広げられるミステリーでした。読み応え有り。
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2013/8/23 Amazon より届く。
2018/12/18〜12/20
いつも独特の世界を構築する北山作品。うまく引き摺り込まれて違和感なく読み進めることが出来た。が、良く良く考えると御都合主義になっているところも。でもまあ面白い作品だった。
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ほわっとした表紙からすると意外な内容。
SFのようなファンタジーのような、ミステリーのような。
しっかり猟奇殺人まであったりして。
そういった感じなので、シリーズ1作目のこちらは世界観に関する説明事が多かったかも。
続編の「オルゴーリェンヌ」でどう進むのか気になります。
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「死」を忌避する余りの「死」への無関心。情報統制の元での認識としての表面的な「犯罪」の皆無と、書物の駆逐によるそれら「情報」あるいは「知識」の欠落による無知。
さてどれを主題に読んだらいいのかしらと読み進めてみれば、主題はまぎれもなくミステリであり、前述のそれら全てがミステリに奉仕する仕掛けでした。ああー!やられた!
p301「残すことに意味があるからだろう」…ミステリを愛する全てのひとへ。
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ー書物が禁じられた世界ー
書物は、人々に悪い知識を吹き込み
道を外れさせるものとして厳しく管理・焚書されてしまう
相次ぐ戦争・天災でもって安寧の住処を追われた人々は
今や検閲の入ったラジオやテレビからもたらされる情報だけを頼りに
先の見えない生活を送るのだった
事故で両親を失った少年クリスは故郷の英国を離れ
単身とある島国へたどりついた
そこは、父から教えられた物語
『ミステリ』が最後に眠る場所
*
情報統制モノ
書物が禁止され、検閲の行きとどいた情報のみが人々に伝えられる世界
海面上昇というので、近未来の話かと思いきや
大戦が終わったあたり?の年代のよう
私たちの世界がたどったかも知れないパラレルワールド的なものとして身近だ
主人公のクリスは、旅先の集落で
失われたはずのミステリに深く関わるとされる事件に遭遇する
事件を解き明かすことに使命感と高揚を覚えるものの、
やがて直面する『ミステリの本質』に向き合ったとき
彼の意思はどう変化するのか……?
続きが楽しみ
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本がない世界のお話。
殺人やらミステリって概念すらないのです。
ミステリを読んだ事ある人だけが、
”事件だ”と認識して犯人探し。
ちょっと閉鎖的で退廃的な雰囲気も本のない世界にぴったり。
なぜだか想像した絵が「進撃の巨人」でした。
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ミステリーというよりファンタジーに近いと感じました。
ミステリーを読まない私でもどんどん読み進めることができました。
クリス君とエノ君が今後どうなっていくのか気になります。
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温暖化と異常気象によって海面が上昇し水没しかけている世界。
そして、情報統制と検閲のため書物もなく「ミステリ」の概念自体が人々の共通認識として成立しない世界。
そこで起こる不可思議な事件を引き起こしているのは「探偵」と言われていて…
北山さんらしい世界観の中で、二人の少年によって謎が解き明かされていく。
うん、こんな話大好きです。
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表紙のイラストがかわいくて借りた。
書物が見つかると焚書にされてしまう世界での探偵物語。
読み始めはファンタジー?と思ってなかなか進まなかったが、検閲官が出てきてからは限定的ではあるものの、ちゃんと本格ミステリーだった。面白かったので他の作品も読んでみたい。
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まず空気感が秀逸。本のない世界でおこる殺人。これからの本格は本作のように、ファンタジーなりおとぎ話を下敷きに描かれるものが増えていく予感。
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タイトルと表紙に惹かれて購入。
書物がなく情報統制された世界で起こる殺人事件。民衆は『ミステリ』の知識がないので首なし屍体を見てもそれを犯罪だとは思わない。そんな世界設定が斬新だなと思った。
少年検閲官エノが出てくると事件解決まであっという間に読んでしまった。シリーズ次作が刊行予定とのこと。
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本格としてはいいし、雰囲気も面白い。でも、キャラクターは弱いかな。どうしても読みたい、とはならないかな。
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異常気象により海に飲み込まれ、終わりへと向かう世界が舞台。
書物を禁じられた社会で、ミステリを求める少年とミステリを検閲する少年の交友を主軸に、この特殊な世界設定を使って「ミステリ」を表現し解き明かしていきます。
冒頭の青年と女性の冒険や、少年と折りたたまれる少女の話などは童話みたいで暗く幻想的。
これらの猟奇的で不可思議な事件が「書物が禁じられた世界」というキーひとつで様相を変えるのがおもしろいです。
いたるところに真相を暗示する場面がありました。
検閲官の少年と旅を続ける少年の行く先も興味を掻き立てられるところで、シリーズとしての続編が待ち遠しい。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ミステリ」がなければ「犯罪」を知らない、「ガジェット」がなければ「トリック」を知らないというのが、アイテムを手に入れないと攻略できないゲームみたいでした。
書物がないという事象をミステリや犯罪と絡めるのがおもしろいです。
クリスの持つガジェットが「記述者」というのがまた意味深。
人々の思考やラジオなどから「書物が禁じられた世界」を「情報が制限された世界」と連想してしまうのですが、それが「紙がない世界」であり動機につながっていくのが盲点でした。
しかしあれだけ殺人を犯し、壁紙を手に入れたなら1冊くらい本が作れそうですが、どの程度用意したらみせるつもりだったんだろう。そしてどんな内容を書くつもりだったんでしょう。
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書物が失われた時代、ミステリという概念がない世界のファンタジックミステリー。
ああでも終わってみれば、一応きっちりそこは物理の北山、ミスリードもフーダニットもハウダニットもミステリーのそれであった。
〈探偵役〉〈犯人〉〈語り手〉ここに加わるのが〈少年検閲官〉、彼の登場から物語が秩序をもって整頓され始める。
エノ可愛い。
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この作家さんの著作は初めてです。
何の前情報もなく、図書館でタイトルに惹かれて手に取った作品。
表紙も可愛くて内容も「書物のない世界で起こるミステリな事件」…ということで面白そうと思って借りました。
しかし読みやすいのに、思ったより読むのに時間がかかり、途中で断念しようかと思ってしまいました…。
第4章のエノが出てきたあたりから読み進むようになっていきましたが、それ以前の部分はこの町に漂う閉塞的で終末的な重苦しい空気が嫌で、なかなかページが進まなかったのです。
クリスやユーリは可愛いかったし、「探偵」の存在も気になったのですが…序奏や間奏の話も本編との関連が見えず(最後にはわかりますが)、何だか暗めの幻想小説みたいな感じで、どうも今の自分の読書気分とあわなかったのです。
でもエノが出てきてからは一変、クリスとエノのやり取りが楽しく、また「探偵」が誰なのか、どういうトリックなのかが気になり、どんどん読み進めたいと思えるようになりました。
推理小説だけど幻想的…メルヘンちっくという作品は初めてでした。
こんな形の事件の提示で、果たしてきちんと解決がされるのかと思って読んでいましたが、序奏・間奏を含めて見事に伏線は回収されましたね。
クリスが現実の殺人事件を目の当たりにして、ミステリについて思い悩むところは、私も考えさせられました。
私は特別ミステリ好きというわけではないのですが、そこそこミステリは好んで読みます。
しかし、殺人自体を好んでいるわけではありません(人の死なないミステリも好きだし)。
ミステリの何を好むだろう…と考えましたが、きっと謎の提示があってそれが解決されるのを読むのが楽しいのだと思いました(私の場合、推理はあまりしないことも多いです)。
書物を知らないクリスは、殺人事件という惨い現場を見て、それがミステリのせいだと思ってしまったようですが、それを否定もできないし、何だかやるせない気分です。
とりあえず、焚書反対(苦笑。余談ですが焚書繋がりで、『華氏451度』も気になります)。
最後にクリスとエノが意味深な別れをするし、クリスの父は謎のままなので、どう続くのが気になります。
続巻も機会があれば読んでみたいです。