読書家そうして蔵書家のあなた、必読!
2013/07/21 08:07
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
待ちに待った岡崎武志さんの新刊!
古本ライターであり、書評家であり…すこぶる話が面白くて、もちろん数々の本も面白いのなんの…。
そんな岡崎さんが長年本を買い集め、本を収納するがために地下室付きの家まで購入に至ったという、これまでの長くて深い蔵書関係をまとめて大告白!
むむむ、本に囲まれて生活するって天国だけど…。
読書家そうして蔵書家のあなた、この夏読むべき一冊、ですぞ!
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大量の蔵書に圧迫され、持つ苦しみもあれば、手放す苦しみもある。そんな蔵書にまつわる苦しみと、その逃れ方、の本。強がりも含めながら、手放して、新陳代謝をよくするのだ、という話。
人は、自ら発する熱が放熱が遅ければ暑さを感じる。放熱が速すぎれば寒さを感じる。本の出入りも、同じようなもんだ。
蔵書の絶対量は問題ではなくて、本人にとってそれが適切かどうか、というのが重要で、読み返せる本が適度かあればいい、と。そりゃそうだ。
自炊電子書籍は、紙本好きの蔵書の苦しみには、何の解決にもならないという。同感である。気に入った本は紙で残しておきたい。そう思った時点で蔵書の苦しみは再開する。そもそも僕は自炊本のもとを手放していない。死ねば持っていけなくなる、ぐらいの無常観を持つしかない。死ねば関係ないから持っておこう、ともなるのだけど…。
僕には苦しむほどの蔵書はないから、そんなふうに思えるのかもしれない。だから蔵書の苦しみを持つ人たちには、苦しくてよかったね、と声をかけてあげるのが一番いいのだろう、と思った。
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2万冊超の本に苦しみ続けている著者が、格闘の果てに
至った蔵書の理想とは?
・蔵書は健全で賢明でなければならない
・多すぎる本は知的生産の妨げ
・本棚は書斎を堕落させる
・自分の血肉と化した500冊があればいい
・机のまわりに積んだ本こそ活きる
など14個の教訓。
面白い。嗜好は異なるもの相通じるものがある。
蔵書の苦しみは、のろけでもある。同病相哀れむ、愛書家
にはのろけ話を聞きながらあるあると楽しめる本である。
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岡崎さんという名前と、タイトルにつられてすぐに買ってしまったが、本書はもちろん、日々増え続ける岡崎さんの苦しみを訴える書でもあるが、同病の人たちの苦しみを調べて書いたもので、蔵書で家が壊れた話からはじまり、蔵書が燃えた人々、蔵書のために家を建て直した人、トランクルームを利用した人の紹介を経て、「自炊」があれば蔵書はいらないか、図書館があればどうか等々の話題のあとに、蔵書処分の最終手段として「一人古本市」を提唱している。本に囲まれることに最上の喜びを感じる人もいれば、一冊も蔵書をもたず安閑と暮らす人と、蔵書にまつわる話題は事欠かない。そういうぼくは院生のころから、際限なく増え続ける蔵書を定期的に処分してきたが、最近所属が変わり、研究室を引っ越ししたのを機に(定年まで10年をきったこともあったし)、もとの蔵書の3分の1を処分した。およそ8段30本あった蔵書を20本に減らす必要があった。そこで、ぼくは新しい研究室にいくら入るか、分野別に書架を割り振りし、そこへ入る分を、一度に4箱約100キロずつ運んで入れた。そして、残ったのが3分の1で、これは捨てたものもあるが、大方は専門別に数件の古書店に売った。処分してあとで後悔している本もあるが、こんな機会がなければ、また思い切りがなくては手放せないものだと思った。本書のあとがきに、「『本が増えすぎて困る』というぼやきは、しょせん色事における『惚気のろけ』のようなもの、…これを本気で悩みとして聞く者はいない」まさに言い得て妙である。
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自分の過剰な蔵書の苦しみをどこか嬉しそうに語り、同病者の様子もレポートし、結局処分するしかないとの当たり前の結論に至っている。この病につける薬は、無いようで、困ったもんだ。
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私も本は好きだけど、ここまでではないなぁ。と半分呆れながら読んでしまった。
本が側にないと不安で仕方ないという気持ちは良く分かります。
でも、家を壊す程には…
自分の家も、蔵書の重量を考えなきゃ、と反省しました。
勉強になる、という本ではなく、笑い話として読むには最高です。
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タイトルが素晴らしい.
私も以前引っ越しで本を所有することの苦しみをかなり強く味わったので,
思わず手にとってしまった.
本を読み進めるうち,著者の苦しみは私なんぞの比ではないことがひしひしと伝わってくる.
けれども冷静に考えれば,この苦しみは,読めない量の本を所有欲にまかせて買い込めば当然の帰結とも思われる.土地の高い東京でものを集めだすとこれは地獄である.
私自身はそういう状態にいたる前に,本に対する所有欲をなくさざるを得なかったというのは逆に幸せかもしれないとも思ったりした.逆説的だけど.
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本ってあっという間に増えちゃうんですよね。実家に置いていた本なんて親から捨てられちゃったよ。アナログレコードも、CDも。音楽メディアも同じ悩みがあります。本書にも書かれていますが、結局一番良いのは中古で売ることなのかな。たぶん、そうなんだしょう...。
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2013 8/29読了。・・・どこで買ったっけ・・・?
大量の蔵書を抱える蔵書家/愛書家がそれに振り回されるエピソードや、どうしてそうなったか、どう対処しうるかとかを書いていく本。
読んで痛感した。いやこの手の本を読むたびに思うことだが、自分は愛書家/蔵書家ではない。なのでばんばん電子化できるし、売るし、そんなに苦しまないで済んでいるんだな、とか。
自分なんて平気な方だと気が楽になったような、あれじゃあこの本買わなくてよかった(ry
「図書館は図書館に関する本が充実している」という指摘を世間に広めてくれているのは良い点。
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そう、「本というのはフェティシズムの対象ですよ。」とある先生が大学の授業で発言していたのを思いだす。著者によれば男にはコレクターシップなる収集癖が女性と比べて強いらしい。
個人的に心に残ったこと
・多すぎる本は知的生産の妨げになり、自分の周りに血肉と化した500冊があればよい。机の前割積んだ本こそ活きる。
・「三度、四度と読み返すことができる本を、一冊でも多くもっているひとこそ、言葉の正しい意味での読書家である」(篠田一士)
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断捨離にはまって処分(古本屋に売ってます)することに快感覚えるようになってから、本棚自体を持たない生活をしてますけど、本来は本がずらりと並んだ様が大好物です。本棚を見るのが好き。大量の本を積み上げた部屋を見るのが好き。だからこういう本には目が無いです。
万単位の本を持つ蔵書家の方のぜいたくな悩み。「苦しみ」なんてタイトルになってるけど、自慢話でいいと思います。ニヤニヤしながら「いやぁ困った困った」って言ってるみたいな。実際、うらやましいもん。地下に書庫とか。あふれる本の山と格闘し、時に処分という悲しい別れも乗り越えて、知識欲に貪欲に本を買い続ける様は豪快で気持ちいい。こっちまで豊かな気分になります。欲を言えば、写真点数がもっと欲しかった。著者の本棚もっと見たい。
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とても面白かった。本を床に積んでいる身としては、頷けるところ多数。本を捨てるのは忍びないので、じゃんじゃん図書館にあげることにします
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蔵書には、本を買う楽しみ、読む楽しみ、愛でる楽しみ、
分類整理する楽しみ、売る楽しみ他いろいろあることが分かります。
その楽しみ優先順位をつけて実践する過程で
楽しみが苦しみに変わっていくのかも。
まあ、本につぶされちゃったらお終いなのですが。
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2013.10.12.pm10:47読了。光文社のTwitterの宣伝に負けてついに購入。とにかく面白い。本好きにはたまらない一冊。思わず授業中も読んでしまった。口元が若干ニヤついていたかもしれない。共感できる部分が多かったので仕方ない。見られていませんように。なむなむ(笑)
私の今年のベスト10に入ること必至。大げさなタイトルだが、内容は読みやすい。蔵書の苦しみではなく「惚気」を聞かされている気分になる。思い当たる節が多すぎるからにくめない。本の重みで床が抜けるってほんとにあるのね。古本市に行ってみたくなった。近所にあるかな。
足の踏み場もないほど本が積み上がった部屋。壁一面に並ぶ本棚。うらやましすぎると思うのは私だけではないはず(笑)今のところここまで本を増やすつもりはないが、すごく参考になりました。本好きなひとにはおすすめ。著者の規模が大きすぎて若干引くひともいるかもしれませんが。本を読まない人にとってはただの馬鹿か気違いにしか見えないだろうな、と冷静になって思った。
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電子書籍が普及し始めたとき、これで本棚がすっきりすると安堵した覚えがあるが、結果はさらに紙の本が加速度的に増えてしまった。やっぱり紙の本のほうがずっといいですね。漫画は元々紙質も悪いし、無駄にかさばるので、電子書籍で買っている。