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2013/10/29:読了
中国、韓国、ヨーロッパ、アメリカの、経済の動きが、非常にわかりやすく書かれている。
岩本沙弓さん、渡邉哲也さんにしろ、ソフトな感じで、副島隆彦さんとはまた、違う巧さががある。
渡邉哲也(旧代表戸締役 ◆jJEom8Ii3E)の妄言 - Yahoo!ブログ
URL : http://blogs.yahoo.co.jp/daitojimari
※三橋貴明さんたちと同じラインの人。
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実際の数字を入れながら、表記されておりイメージがわきます。
ただ、知識がないと専門用語が非常に多く読むのに時間がかかります。
非常に参考になる部分は多かったです。
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日本が安定しているのは確かだけど、将来に希望がないのも確かである。一人一人が敗者にならないよう地道に力をつけるしかないね。
一年前のアベノミクスを絶賛する本。一年たった今読んで、この人の見立てはどうか確認する。
とりあえず、中国のバブルは大爆発はしていない。香港では学生デモが起きたけど、爆発ではないだろう。
安倍さん増税しちゃったよ。アベノミクスで日本国民のインフレへの無駄な恐怖心を無くすんだとか言ってたけど、国民の心情は明るくなる前に水を差されちまったよ。
あとは、イスラム国とかいう原理主義者たちが過激な活動始めたよ。ヨーロッパ大丈夫かな。移民問題ってやべぇな。やっぱ。
一年じゃあ特に大きな変化はないかな。実際、現代社会は不安定ながらもうまくバランスとっているを思う。このまま各国が軟墜落をむかえるか、それとも補給を受けてもうまだ飛び続けられるか、頑張りどころだ。
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p24 50倍の資産が動いている
世界の資金構造では、実際の50倍の架空の資金が動いている。この架空の部分が日夜取引されている。そして金融危機になって消滅するカネはこの架空のお金である。これをデレバレッジという。投資していた資金を回収する。そうすると信用創造によって生まれていた架空のカネが消える。だからバブルがはじけたりすると、大損こいた人もいるけど、その分大儲けした人もいるというのは、半分以上間違いである。
リーマンショック後に先進国から新興国に動いたマネーが、今再び先進国に流れようとしている。
p38 ユーロ問題
EUが失敗しそうなのは、ユーロという共通通貨のせいで金融政策を打てないからである。EUの地域ごとに経済事情が違うから、金融緩和と引き締めがどちらも適・不適の両方発声してしまう。イギリスは今ユーロを受け入れないだけでなくEUを抜けようとしている。
p48 アラブの春
アラブの春はリーマンショックのせいで投資資金が新興国の石油や穀物などに流れ、物価が上昇したことで起った。
p51 取り付け騒ぎとリフレーション
世界恐慌というのは「取り付け騒ぎ」から始まる。預金者の不安から預金解約が相次ぎ銀行に資金が無くなり、銀行の融資先から貸し剥がしが起こり、不況が連鎖する。とにかく取り付け騒ぎが起きないように、中央銀行がお金をばら撒いて銀行の信用を安定させるのがリフレ。
大事なのは、応急処置で経済を支えて、国民に経済活動を活発に行ってもらう。それによって量的緩和でできた財政支出を返済するしかない。のである。
これは未来から金を借りているだけなんだけど、リフレをしたら国民がすべきは消費活動をすることである。
それなのに「借金が増えて日本は終わる」などと恐怖を煽って経済を減速させようとする有識者がたくさんいる。
p57 日本はキーパーツビジネスの国
いま、日本が産業を停止したら製造業がストップする海外企業がいっぱいある。とくに車の部品は日本がキーパーツをたくさん作ってい���。日本のモノづくりは時代遅れになっていると大分悪く言われるが、いまでも世界の製造業界では非常に重要な国であり続けている。
p65 年金の崩壊は株価の暴落
年金崩壊と言っても、国民から集めた金が泡のように消えるわけではない。年金を投資しているその運用で差損が発生するということである。それでもリスクヘッジで多様な投資をしているはずだから、一気に年金資金が解けるということはない。だから崩壊という一気に崩れるイメージのことは起きない、と思う。起きるなら、崩壊ではなく、尻すぼみである。
p77 サブプライムで大損
農協の金融機関:農林中央金庫はサブプライムローンの投資に手を出し、日本で一番大損した。日本最大の金融機関のくせにこの体たらくである。この権益団体は潰すべきである。
p92 頭を下げるのが仕事
結局、政治家の仕事は頭を下げて、利害関係の調整役を務めることである。だから、国民の代表なんだし。政治で一番大事なのは「根回し」であって、どんなに改革だの革新だの叫んでも、そういう能力やコネが内容では政治家である意味がない。
p99 新興国の役割
新興国は安い賃金と通貨安で貿易が盛んに行える点である。その点で、投資家たちは新興国に投資していた。しかし、経済発展が進み、人件費の上昇や為替の変化、そういった要素が今度は新興国からのマネーの離脱を招き始めている。
p110 ユーロ金融危機の改善案
各国の銀行が潰れて国家財政に影響をだすから問題になる。だから各国の銀行をすべて国家から独立させてECBに監督を一元化して、ユーロの銀行はEU全体で面倒を見るという仕組みにすべきである。
p118 価値観外交
欧米がアジアからの資金を撤退するのを見越して、日本がASEAN諸国への融資や日本企業誘致などで共益関係を結ぶ外交である。これによりASEANでの円の支払い能力が高まり、日本の国の地位が高まるのである。
p119 プリンタ型ビジネス
近年の日本のアジア融資の方法はプリンタ型ビジネスのようである。融資に際して技術提供や低価格のインフラ受注も行い、相手国内での日本の影響力を高める。そのように一度インフラを作れば日本企業が進出しやすくなるし、日本製品を購入する層がその国に生まれる。ハードのプリンタは安く売って、インクであとから儲けるというビジネスモデルである。ただ、これは持続する関係を作れる。
p123 イスラエルと麻生
麻生さんが前回総理になる前にパレスチナに農業設備整える事業を実施した。その農産物が今、収穫できるようになってきた。これはイスラエルとの共同事業で、平和の架け橋にもなりえる事業である。
日本はパレスチナが経済的に自立して、イスラエルと紛争しなくて済むようにODAをしている。
p128 グローバリズムとは
グローバリズムは海外で仕事ができるようになることだが、日本の産物を世界に売り出すということである。だから、結局はナショナリズムなのである。ただ英語が話せても価値にならない。その英語を使って日本から売り込みたいものを自分が持っていなければ、無用の長物になってしまう。
p130 IMFの拒否権
IMFは慈善団体ではなく、世界の借金取りである。融資した金はきちんと回収するし、その金融能力で世界情勢に強い影響力を持つ。
IMFでは国の救済のための融資の決定など、重要な決議では賛成した各国のIMF出資比率が85%を超えれば可決される。しかし、アメリカが現在出資比率で17%を持っていて、一国で拒否権を独占している状態である。中国はこのパワーバランスを崩そうとしている。でないとアメリカが自国に不利な決定を利己的に拒否しかねないからね。
p134 格付けの闇
格付け機関と言われるが民間の会社で、その会社の株主は投資家である。投資家が自分の会社を使って格付けをさせる。これは株主に有利な格付けができてしまう。
また、格付け機関から情報を買うのが、債権を一般人に売る側の証券会社や銀行の証券部門であるのも問題である。自分たちの都合のいい格付けをしてもらうために高値で格付けを買っているようなものである。
p141 IMFの本質
IMFは世界の借金取り、だから日本の財政赤字にも常に警告音を発している。債務国からきちんと元金と金利を回収して自分の組織を運営していく。国際団体だからと言って、彼らを信じ切ってしまってはいけない。
p172 中国のトリック
中国は貿易額を増やすトリックを使って、経済成長率年8%を達成し続けている。中国ー香港 間で物のやりとりをしても別会計なので、貿易額は加算される。これを悪用している。実際の成長率は5%程度だといわれており、外国からの投資の金利が払えなくなっているのだ。ピンチ。だからトリックを使う。
p181 中国進出を煽ったメディア
日本企業はバブル崩壊後の円高期において海外工場の天海として、こぞって中国進出を果たした。それはメディアに先導されるような形で。当時、中国進出でグローバル化云々をプッシュしたメディアや論者は今、中国の13億の内需の巨大な市場と謳って未だに中国押しを止めていない。現在の中国は沿岸の約8000万人にしか富はない。残りの12億以上は大した購買力のない人たちで、内需の力なんて無いのが事実。
p183 アメリカ車の質の向上のワケ
日本の自動車工場が海外進出することで、現地で海外メーカーの部品の受注もするようになった。その結果、アメリカの全体的な車の質に繋がった。
ちょっと前にGMやクライスラーが潰れたときに、それらの会社の債権を持つものにアメリカ政府が債権保証を行うという措置が取られたが、日本の部品メーカーが多数の債権を保有していることが分かった。売掛債権を多数保有するほど、アメリカ車の部品は日本メーカーに依存していたのだ。
p189 尖閣はアメリカにも好都合な問題
尖閣問題が燃焼している最中は日本にとってアメリカは必要不可欠なケツ持ちである。さらに、アメリカは中国に対しても尖閣問題を持ち出して圧力をかけることもできる。ロシアがNATO浸食を進めている今、東方でアメリカの影響力を発揮できるこの問題は、アメリカにとって好都合な問題だったりする。
p202 中国の内需は弱い
中国バブルが破裂したらヤバいのか。中国の人民元は国際通貨としてそんなに影響力を持たないので、海外への波及的影響は少ないカモ。��だ、中国国内の富裕層は没落するので、中国内需を頼りにしている企業はダメージがデカい。しかし、結局中国の内需は実質約8000万人の富裕層だけなので、13億人分のダメージは波及しない。
p211 デフレの功罪
デフレは貯蓄志向を生んでしまう。お金は使って初めて価値がある。しかし、デフレ基調の社会では物価はどんどん下がるので、今持っているお金を後で使ったほうが価値が高くなる。だから貯蓄志向が根付いてしまう。
バブル後の人々はこの志向が強い。いま、アベノミクスでインフレ政策を行っているが、インフレの場合は逆に将来、自分の持っているお金の価値が目減りしてしまうので、早く使うだけいい。単純そうやってお金を使うことで経済が活発化して、安定する。
デフレに慣れてしまった日本人がアベノミクスに上手に反応してくれるかが非常に大事である。
しかし、増税しちゃったからなぁ。みんなデフレの時を思い出して金遣わなくなっちゃったよ。
それに、グローバル経済下では、量的緩和をするとその一部海外に出ていく金の量が大きい。ケインズの頃とは違って、効果が出にくくなってしまっている。アベノミクスで刷ったお金も、民衆の懐に到達する前に投資家のもとで止まっちゃったかなー??
p228 戦後レジームからの脱却
内弁慶の気質を直さなくてはいけない。メディアは特にそうである。国内ではあれだけ偉そうなことを言っているが、世界に出てみると日本のマスメディアの影響力なんて蚊ほどもない。それは自ら世界に出ようとしていないからである。
記者クラブなんてものがまだあり、関係者の間ではある種神聖な場のように扱われていることそこ、戦後の悪しき風習であり、脱却するべきレジームである。
p233 優秀な人は
グローバリズムを勘違いしている人が多い。海外に迎合するのではなく、日本の強みを海外に輸出していくのがグローバリズムである。英語が問題になるが、英語なんて話せなくてもいい。話せればそりゃあいいけれど、通訳がいれば事足りる。むしろ本当に優秀な人は敢えて通訳を連れて行って、外国人同士で話し合っているのを聞いて、それを聞きつつ交渉をする。
p243 自己発信
政治家はインターネットで情報や個人の意見を自己発信できるようになったから変わった。以前は情報発信はメディアを通してしかできなかった。それゆえ、バイアスがかかってしまい、本当に自分のやりたい政治ができなかったはずである。
この自己発信というキーワードが世の中を変えていく。
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経済のことがわかりやすくまとまっていて良いと思います。
安倍首相のやりたいことは理解できるけど、保守的な日本では漸進的になってしまうでしょう。
一気にでなくていいから、世の中がちゃんと変わっていけるように、政治家として根回しをうまくやってほしいと思います。
そして、安倍さんが土台になって次は本命の石破さんで日本が世界で活躍する国になってほしいと思います。
そのためにも、メディアではなく、自己発信の一次情報を広く発信していってほしいと思います。
早く年金なくなんねーかなー。