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解剖学教室を舞台にしたミステリ。
著者はこの作品で本格ミステリ大賞を受賞している。
単行本を持っているので文庫版は再読。
何度読んでも、18世紀ロンドンの猥雑な雰囲気が魅力的。登場人物は個性が強いタイプばかりだが、不思議とクドさは感じさせない。
畳みかけるように出て来る謎も、解決編に入ってからのやり取りもいい。
オマケで収録された短篇も面白かった。
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あいかわらず私は良いミステリの読者ではない(推理が全然できない)けれど、とても面白く読めた。
18世紀のロンドンを舞台に、四肢切断された少年の遺体を巡り解剖教室のダニエル先生とその弟子たちが事件の解決騒動に巻き込まれていく。
被害者であるネイサン少年の話と、事件の解決の話がテンポよく切り替わるので先が気になってぐいぐい読まされた。
盲目の治安判事フィールディング氏と、その姪であり助手のアン(男装!)のコンビが好き。見えない故にわかること、を上手く生かして捜査しているのが良い。
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エドとナイジェルは怪しいと言えば割と始めから怪しかったのだけれど……二転三転してハラハラした
もうナイジェルを信じられない……
バートンズがとっても愛しい
師を敬愛する仲間思いの弟子たちも、弟子思いのダニエルも
だからこそ、ラストでのダニエルの後悔にはとても切なくなった
ネイサンに対してはなんて傲慢な鼻持ちならないガキ!と思っていたけれど……
ネイサン視点のお話の分量が段々少なくなるにつれて不安になっていった
ネイサンは死んでいるものとして読まされれいたから、驚き半分嬉しさ半分
そうだよね、ネイサンと面識があるのはエドとナイジェルだけだった
バートンズにしろエドナイジェルにしろネイサンにしろ、登場人物たちが今後どういう道を歩んでいくのかとても気になる
続編にはここのところを期待してもいいのでしょうか?
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なんだか暢気坊やたちがころころしているなーと思っているうちに、どこかしらおもしろみを含んだ凄惨な事件が発展し、二転三転、いいのかどうなのかわからない結末へ。
正直、話をどう自分の胸に落とし込めばいいのか、まだわからない。
もうちょっと考える。
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著者の本は「死の泉」以来、というか「死の泉」は面白かったんだけど読了語の虚脱感とか疲労が酷かったので(笑)、皆川さんのご本は避けていました。
これはストーリー自体は重くもあるけれど、(最後まで読むと)「いい話」で、ちょうどいいユーモアも挟み、読みやすかった。19世紀ロンドンの胡散臭い汚い感じの空気も魅力的。
一気に読んでしまったので、あとでもう一度読み返してみようと思います。
ナイジェルの容貌が想像しづらいというのはサー・ジョンと同意見だったのですが、計算されたものなんでしょうね・・・。
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冒頭のグロさでかなり苦戦し、その後は面白くなってきたものの後半でまた失速。
洋書ではないのでいけるかなと思ったけど、やっぱり名前がややこしくて(そこ?)大変でした。
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単行本で既読で真相もエンディングもすっかり分かっているけど、あの時の感動と衝撃はそのまま。やっぱり面白いよ~。文庫では解剖ソングの楽譜と、前日譚である書下ろし短編が付いて解剖教室の面々に一層愛着が湧くというものです。しかしこの終わり方はエドワードとナイジェルのその後を追跡してみたいと思わせるよなぁ。謎めいて魅力的だもんナァ♪
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再読ですがやはり素晴らしかった!
エドの聡明さとナイジェルの底知れなさ!
文庫もこの美しいイラストで嬉しい!
単行本時レビューへ
⇒ http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-800.html
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十八世紀のロンドンが舞台。
法医学や筆跡鑑定等の科学捜査は、まだまだ未発達な上に、警察組織も確立されていない状態の頃です。
そんな舞台設定なのに、きっちりとミステリ。
しかも、事件は二転三転して、最後の最後に、まさかの「やられた!」感。
ミステリ部分そのものもとても面白いのですが、ダニエル先生をはじめ、彼の弟子のバートンズが、すごく良いのです。
悪い人は、とことん悪いのだけれど、正義を貫こうとするサー・ジョンや、盲目の彼の目の役割を担う、姪のアン、銀行のヒューム氏等、良い人も多いです。
併録されている前日譚の短編も、面白かったです。
バートンズの絆にほのぼの。
鬘をもう被らせてもらえなくなって、しょんぼりするチャーリーも可愛い!
本編とは全く関係ないのですが、ダニエル先生の容姿についての描写を読んでいて、昔、山城新伍氏が映画解説で、ジェラール・ドパルデューの事を、「じゃがいもみたいなおっさん」と言っていた事を思い出しました。
なので、何となく、ダニエル先生は、ジェラール・ドパルデューみたいなイメージです。
そう言えば、ジェラール・ドパルデューは、ヴィドック役をしていましたね。
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近代になりつつある、ロンドンの陰鬱な感じが、よく出てるなとおもいます。
あと、解剖のシーンも、バートンズのポップな感じが、気味悪さを打ち消して、そこまでグロくなかった。
あそこまで師を思える、弟子達が健気で、好きです。ダニエルは幸せものだ。
また、読み返したいなと思いました
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今までこの本のことを知らなくてすみません。
ミステリーとしての完成しています。
殺人事件が重層的に展開され、
最後にそれらが綺麗に回収されます。
中世という舞台にも必然性があった。
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灰色にくすむ18世紀のロンドンで営まれる外科解剖教室を中心に展開されるミステリー。
どことなくユーモラスな会話劇、真実にたどり着くまでの仕掛け、罠、たくらみ。とにかくめまぐるしい。
グロテスクなのに明るい、不思議な雰囲気。
女装も男装も出てくるし、おしゃべりなのも物静かなのも、対比になってるものが多い。
まっすぐな志と打算に満ちた欲望の対立にハラハラし通し。
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第14回ビブリオバトルチャンプ本
顔を潰された男と切断された少年の屍体。
彼らは一体誰なのか?
外科医ダニエルの私的解剖室で発見された、あるはずのない屍体を巡り、さまざまな人と謎がからみ合い進んでいくストーリーは一度読み始めると続きが気になって仕方ない!!
個性豊かなダニエルの弟子たちが魅力的です。
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表紙と題名のインパクトにやられてずっと気になってた一冊。
ミステリーはあんまり読まないんだけど、これは一気読みでした。おもしろかった。むしろ楽しかった。
やっぱりね、この中世~近代ヨーロッパっていう雰囲気が好きなんですよ。
あと、5人の弟子のキャラがいい。
シリアスになり過ぎずコミカルになり過ぎず、舞台は相当に血生臭くてグロテスクなのに、ちっともそれが煩わしくない。
むしろこの舞台だからこそのキャラ立ち性と言うか、とにかくもう面白すぎる。私も愛しています、バートンズ。
著者の皆川さんが、御年80歳を越えるご高齢だと知って更に吃驚。凄いなぁ。小説って、やっぱり幾つになっても書けるんだなぁ。
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題名と解剖学教室が舞台ってことで、エグい内容になるのかなと思いつつ読み始めるも、サクサクとテンポよく話が進んでいくため、エグさは気にならず。
それよりも、謎が解けていくようで解けていなくて、一気に読んでしまった。
80を超えて、こんな話しを書けるなんて驚きと感服です。