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以前「つむじ風食堂の夜」を読んで、その世界観が好きになった。
これは、架空都市・月舟町を舞台にした三部作の番外編と言うことで読んだ。
語り部は12歳の少年リツ君。
つむじ風食堂に行き、大人たちと「仕事」について話をする。
それをリツ君は考えながら未来を見つめる。
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少し大人びた少年リツ君12歳。
つむじ風食堂のテーブルで、町の大人たちがリツ君に「仕事」の話をする。
リツ君は何を思い、何を考えるか…。
人気シリーズ「月舟町三部作」番外篇。
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「それからはスープのことばかり考えて暮らした」のサンドイッチ屋の息子・リツくんが主人公の物語である。つむじ風食堂で定食を食べながら、大人たちはリツくんに自分の仕事のことをあれこれと教えてくれる。それを聞きながら、リツくんが自分の将来に想いを馳せる時、そこに浮かび上がってきたものはいままで考えもしていなかったものだった。自分の仕事のことを話すときの大人たちの誇らしげな様子や、聴きながらあれこれ思うリツくんの思慮深い横顔を想うと、胸の中にあたたかなものが満ちてくる。そして、青い鳥のように最後に見つけたものの輝かしさと言ったら、それはもうなによりも素晴らしいものなのである。短いながら中身の詰まった一冊である。
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著者の本では「それからはスープ・・・」が好きです。その中のたまらなく行きたくなるサンドイッチ屋さんの息子リツくんが主人公。
子供(というか少年?)の頃に誰もが思う「仕事っていっぱいあるけど、知っているのはごく少し・・・その中からなりたいモノを探さないとならないのかなぁ?」の問いに、食堂の大人が自分の仕事の良さを教えます。
そして・・・リツくんは解答をみつけたのか?
このお話は「あとがき」まで一続きのお話になっているようで(私にはそんな感じに読めました)、「あとがき」を読むと感動が湧いてきます。
ただ、こだわりなのでしょうが、文字がネイビーというか藍色で印字されており、目の悪い私には少々読みづらかったです。(で、ちょっと評価低めです、すみません)
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大人びた少年、12歳のリツ君は、この頃ひとりで路面電車に乗って、隣町の食堂に行くようになった。つむじ風食堂と呼ばれる、名前のないその食堂でテーブルをはさんで出会う大人のお客さんたちに、リツ君は仕事について聞いてみることにした。新聞記者、ダンサー、果物屋、いろんな仕事をしている人たちが、自分の役割について考え、リツ君に答えてくれる。
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ちくまプリマー新書、毎回お洒落だな〜と思っていたら、クラフト・エヴィングが装幀手がけていたのね〜。納得。
お仕事小説にハマっているのですが、この本の中にも、色々な職業の人が出てきて、その仕事に対する色々な想いがつまっていて。触れるのは簡単に、ですが どれもなんだか真理をつくことを言っていて「おぉっ」となる。笑
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やっと手に入れた一冊。
もの凄く素敵な本を読んでしまった。ドストライク!
周りの人たち皆に読んでもらいたいと思いました。
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大好きな「つむじ風食堂の夜」「それからはスープのことばかり考えて暮らした」の番外編。 「それから…」のサンドイッチ屋さんの息子さん・リツくんが電車に乗ってつむじ風食堂に通ってくるという設定が楽しいです。
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吉田篤弘さんの文章は、いつも穏やかに語りかけてくる優しい詩情が大好きです。
12歳のリツくんは、ちょっと風変わりな男の子。
一番の特徴は、ものごとをゆっくりと自分の頭で考えているところ、かな。(#^.^#)
大人のひとたちからは、
「リツくん、そんなことは、もっと年を取ってから考えればいいんだよ」と言われるけど、
たとえば
「むかし」についても、
僕にだって「むかし」はあるし、生きていくことは、毎日、少しずつ、「むかし」をつくってゆくことなんだと思う。
そして、
僕の「むかし」と、世界の「むかし」はまったく別のものだけど、共通点は、やり直しができないところだ。
なんて。
つむじ風食堂の常連さんたちは、そんなリツくんの話をきちんと受け止めてくれて、
「たしかになぁ」
「いや、そんなこともないだろう」
「身につまされるわね」
「何度だって、やり直せるよ」
と、それぞれの経験から気持ちを語ってくれるのが嬉しい。
リツくんは、一人で食堂にいるとあれこれ大人から質問されてしまうものだから、
どんな仕事をしているのかを先に尋ねることにしている。
で、それに対する答えがいいんだよね。(#^.^#)
みんな改めて問われると、日頃の自分のなりわいについて考え始めるところがあり、
それぞれ、働くことの楽しさや苦さなど、きちんとリツくんに伝えてくれるのは、
大人の役割を果たしているなぁ、と。
実はこの一冊、「子どもたちに何か一つだけ伝える]ことを目的としたいわゆる“新書”なので、
職業というものに対する小・中学生向けの副読本、みたいな位置づけともなるのだろうけど、
「つむじ風…」や「それから…」の登場人物たちが物語から穏やかに飛び出して自分語りをするという趣向はとても好ましく、“お話”として楽しめた。
リツくんのお父さんの語る“サンドイッチについて”の話もよかったなぁ。
普段、自分の訊いたことに対してはぐらかされているように感じていたリツくんなのに、
その時はちゃんとあれこれ答えてくれるんだよね、お父さん。
もうすぐ「レインコートを着た犬」という本が出るそうで、これを前の二作と合わせて
月舟町三部作とします、と後書きにありました。
(#^.^#)(#^.^#)
どんなお話なのか、リツくんも含めてまたお馴染みのメンバーが登場するんだろうけど
とても楽しみです。
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〝月舟町〟3部作の番外編だそうです。主人公は12歳の少年。少年は食堂に集う大人たちに職業を尋ね、大人たちはどうしてその職業についたのかということを、懇切丁寧に教えてくれます。少年は将来を思い、ときには12年という人生を振り返ったりします。ある女性(お姉さんなのかおばさんなのかわからない、生まれついた性別は実は男性)が少年に言います。職業なんてなんでもよくて、どう生きるかが肝要なんだと。同じように、12年生きたか、30年生きたか、50年か70年かなんてどうでもイイような気がします。生きた年数より、どう生きたかってことの方が大切なんですよネェ。短時間でスラッと読めてしまうお話ですが、月舟町の住人たちの言葉には、つい耳を傾けててしまいます。子供の視点で描かれているからこそ、気づかされることがた~っくさんありますよッ。
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関連作品の「つむじ風食堂の夜」「それからはスープのことばかり考えて暮らした」と比べると、この本は特に、若い読者を想定しているらしい。もちろん大人でも楽しめたが。
リツ君に話しかける大人達のように、誰もが自分の仕事、店について誇りを持って語れる世界であるなら、それはとても素敵だと思う。たとえ「現実はもっと厳しく味気ないもの」と心では思っていても。
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短いながらも不思議な吉田ワールド満載
リツ君の、「何の仕事をしていますか?」
の質問に、わたしだったらどういうことを言うかな
当たり前とか、普通はとか、子供はとか
そういうのは関係なくて
人それぞれ、
自分の気持ちに正直な言葉が気持ちよい
シリーズ3作目が楽しみだ
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『それからはスープのこと~』のサンドウィッチ屋「トロワ」の主人の息子 律くん12歳が、『つむじ風食堂』へ通うお話。
自分の「仕事」を見つけたい律くんを通して、それは人間の生き方を問う作業であることに気付かされる内容で、現在進行形の子供達にも読んでもらいたい一冊でもありました。
とても可愛らしいイラストとサイズ、装丁です。
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先日、天狼院書店さんで買わせていただいた1冊。
主人公リツ君の一人称で語られる、月舟町の食堂に集まる大人たちの話。
あたたかで、なつかしくて、ほんのちょっとだけ寂しくて、それでいてすこぶるやさしいお話。
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どの大人の主張も頷く部分があって、共通するのは各々の仕事から様々な形の喜びを見出しているということ。役割をこなすには落ち込んだりキツい時もあるが、思い返せば自分もそうだ。
リツくんはどんな喜びを見出す仕事に就くのだろう。
「 考え方ひとつで、人生はつらくなったり楽しくなったりするの」というマリーさんの言葉は、職種問わず生きていく上で心に留めておきたい言葉だと思う。
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「つむじ風食堂の夜」のスピンオフ。
サンドイッチ屋の息子、少年リツ君が、お仕事について考えます。
優しい言葉で、働くとはどうゆうことかが語られます。
読書感想文にいいかも…
メッセージがわかりやすく、道徳的で、感想文を書きやすそう。
あとがきには、
ちくまプリマー新書のいきさつとか、装丁がすべてクラフトエヴィング商會だとか、書かれてあり、
こちらも楽しく読みました。
自分が、言葉や単語に遊び心のある文章が好きなんだと、今回改めて感じました。
だから、推理小説みたいなのにあまり惹かれないんだとおもう。
この小説にしたって、
「物語はいつも途中から始まる。」
とゆう冒頭だけで、もう、
満足。
なんでそんな言葉が出てくるのかな!
物語がいつも途中から始まるのは事実だし、知っていたはずなのに、
その活字のなんて魅力的なこと!!
実は「つむじ風食堂の夜」は未読なので、早く読みたい。
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なぜか会社の上司から紹介されて読んだ本。
この著者の他の作品を全く読んでいないので、ちょっと評価が難しい。ある街の食堂で主人公が「働くこと」「仕事」について大人達に質問をしながら自分の考えを深めて行く・・という話なのだが、なにせスタート地点もなくゴールもないような話なので、あっという間に読み終わってしまった。
たぶん一見さんが読むことは想定されていないんだろうので、この評価は申し訳ない気もするのだけど、さっぱり何をいいたかったのかわからなかったということから★2つ。