投稿元:
レビューを見る
崩壊家族の物語。妻の誕生日祝いの席の違和感ある空気、妻は車で家出を敢行、残された家族は誰も関心なし。
通俗性の高さ、筆力ありなのだが、もう悲しいくらい現代の悲劇が浮上する。
投稿元:
レビューを見る
一気読み。息子を持つ四十代後半の母としては感情移入しまくりでした。ただ我が家はまだ息子が小さいから逆にこうなるのか?みたいなリアルホラ―で怖かったけど、ラストに向けて優太の行動、会話の端々にまだまだ可愛い息子の片鱗が見れて安心した。不満は小出しだな。
投稿元:
レビューを見る
思いやりのない、勝手な家族を捨てて逃げる女性の話。
桐野さんの本としてはちょっと薄味な本、という印象。
投稿元:
レビューを見る
正直ちょっと物足りなかった。
桐野さんと言えば、毒々しい表現で人間の裏の部分を鋭利に描く印象を持っていた。
しかし、この作品はぬるま湯に浸かっている家族の不毛な内輪揉めを見せつけられている感じでなんとも居心地が悪かった。
専業主婦の朋美は自分の誕生日に家族で出かけてレストランの席で、わがままな家族にほとほと嫌気が差しそのまま出奔する。
着の身着のままで長崎へと向かう朋美を追う姿はさながらロードムービーのよう。
一方、東京に残された夫の浩光が右往左往する姿はなんとも頼りない。
まず、夫から渡される生活費の20万に不満を抱く朋美に疑問。
家賃や固定費を除いて自由に使える生活費が20万あれば十分じゃないか?
そりゃベンツのワゴンを簡単に買えるような夫という時点で生活レベルが違う。
庶民の私はどうすりゃいいんだ。
わがままな夫とは言え、食うに困るわけでもなしDVがあるわけでもなし。
ゲーム依存の子供は心配の種だろうけど、引きこもりでもなく。
一体何が不満?
あえて言えば、退屈な毎日ということか。
誰にも共感できなかった。
この小説ってどんな人をターゲットに書かれたんだろう。
新聞小説だったみたいだけど。
うーん・・・。
登場人物全員に「喝!!」を入れたくなるような作品。
投稿元:
レビューを見る
もう、なにもかもいやになって出奔してしまうこと。
もし実際にやってみたらどうなるのかという事態を味あわせてもらった。
46歳の主婦、朋美の西へ走る旅。ロードノベルのような部分が面白かった。
登場人物のインパクトが大きいのはやはり桐野夏生さんの小説らしいと思う。
それにしても読んでいる間中、心の声があふれていた。
うわぁ食事作りテキトー過ぎる〜。
息子にあんまり関心もってないのかな。さびしー。
妻に対して、なんつー思いやりのなさ。
親にそんな荒っぽい言葉を…。
家族同士、関心ゼロ。
ふーんバーのママにそこまで打ち明け話するんだ。
お金に困っていないからまだ維持できていたのかな。
この鈍感で思い上がった夫をなんとかしてくれ〜。などなど…。
こうはなりたくないよなぁ…、なんてつい意地悪な気持ちになってしまいます。
読んで気持ちが暗く濁る部分もありましたし、通俗的ですが、読みやすくて気分転換になりました。
投稿元:
レビューを見る
ほんのふとしたきっかけで激情に駆られ不意に家出をする主人公朋美。日常の閉塞感や夫や子供への不満が暴発したかのよう。ただその朋美本人も完全な人間ではなく、夫にも子供にも万全に対応していたとは言えない部分も多々あり、夫や子供だけが悪いのではない点がリアル。そして原爆で偶然にも生き延びた老人と出会い、その家族を持つことを良しとせず、使命として原爆の体験を語るボランティアを続けるという荒野を生きるその人と向き合ううち、自分にとっての荒野ともいうべき家庭に戻りそれを沃野に変える努力をする決意をするという結末。一気に読んで朋美と一緒に家出を体験した気分を味わった。そしてその決意にも多いに感銘を受けた。
投稿元:
レビューを見る
専業主婦の出奔と逃避譚の部分は読ませるが、救いようのない荒野でのドロドロを期待していると肩透かしを食わされる作品。だけどこれはこれでいいのかも、ただし桐野夏生でなければだけど・・・・。
もう二度と会うことはないでしょう。
傲慢な夫や息子たちに軽んじられながら、家庭をささえてきた主婦・朋美。46歳の誕生日、ついに反旗をひるがえし、衝動にかられ夫自慢の愛車で出奔し、「初恋の男が長崎にいるらしい」という理由で、長崎に向かって高速道を走り始めた。奪われた愛車と女の連絡先の入ったゴルフバックばかり心配する夫を尻目に、朋美は自由を謳歌するが―― 冒険の果てに、主婦・朋美が見い出した荒野とは・・・。
投稿元:
レビューを見る
46歳専業主婦。
すべてを捨ててどこか遠くへ。誰しもが思いながらもその一歩は踏み出せない。だからこそ車ひとつで或る日突然出奔した彼女は万能感に満ち溢れる。
(小説の中の)現実は「テルマ&ルイーズ」みたいなようにはいかないが、何にも興味を持たずのんべんだらりと生きてきた彼女が、旅が進むにつれ潔く、たおやかに流れを受け止める女になっていく様がいい。俗物的な家族と俗物的な日常に囲まれた荒野。でもその荒野を沃野にするのは家族の誰でもなく自分自身であることに気付く時。
「あたしたちはいくら自分を探しても、女でしかないんだから」
「そうそう。探したって、答えは同じよ。自分は自分。女の自分。」
肥沃な土地は自分の中にあるのだ。
投稿元:
レビューを見る
40代半ばの夫婦と、2人の息子のいる家族。日頃の鬱憤を爆発させた妻の家出により、各人が家族の在り方を考えることになる話。
釣った魚に餌はやらない、家庭を顧みず浮気だゴルフだと好き放題の夫、専業主婦にもかかわらず苦手な料理は放棄し、家族への不満ばかりをあげつらう妻。どっちもどっちの夫婦に育てられ、親を「あんた]呼ばわりする息子たちは、冷淡な大学生とネットゲーム中毒で引きこもりがちな高校生。家族全員、それは自業自得でしょうと言いたくなるような身勝手な言い分ばかりで、前半は読みながら腹立たしくなってくる。
が、家を出た妻も含め、離れたからこそお互いの立場を思いやれるようになり、不格好ながらも全員が軌道修正する兆しを見せる。本来なら深刻に悩みそうな場面でも、深く物事を考えない妻の無謀ともいえる思い切りのいい行動が、笑いを誘う余地がある。
読み始めとは異なり、思いのほかスッキリとした読後感だった。
投稿元:
レビューを見る
新聞か何かで見て、読みたいと思っていた一冊。
初めての(だと思う。。。)、桐野夏生。
はー、もう一気読みです。
浩光が、どうもうちの旦那と似てる所があるような気がする。。。
逃げたい気持ち、わ、わかる。。。
共感できる!というのもちょっと違うけど、
おもしろかった。
投稿元:
レビューを見る
桐野作品は今回が初めて。ドロドロのイメージがあって今まで手にとらなかった。けれど、予想に反して読みやすかった。主人公は諦めが早い大胆な性格が災いして自分の家族に追い込まれてしまったのではなか。自分でもどうにも抜け出せない状況に陥るって辛い。家のことを外から冷静に見ること、いろいろな人の”荒野”を覗いてみることで、自分自身の”荒野”を”沃野”にしていこうとする意欲や希望が最後に垣間見ることができて良かった。
投稿元:
レビューを見る
46歳の誕生日、長男と夫と食事していた妻がレストランからそのまま家出!!
ネットゲーム中毒の二男、身勝手な夫、調子のいい長男、みんな好きに生きればいい。
私はこれから自分の人生を生きる!!
車を運転し長崎へ向かう。
そして旅のハプニング、出会い・・・。
最後まで妻には突っ走って欲しかったなぁ(笑)
投稿元:
レビューを見る
自分がいる場所が荒野なら逃げずに、その場で踏ん張るしかないんだよね。ひとを疑ったり、欲を出したり、そんな事よりも大事なことがあるんだよなと思う。思ってもなかなか、難しいことだけど。
投稿元:
レビューを見る
『魂萌え』と『メタボラ』を足して二か三で割ったような作品で、どうしても自己模倣に陥っているとしか思えない。311の影響がこの著者にかぎっては悪いほうに働いているのではないか、と意地悪なかんぐりをしてしまう。でも前半のスピード感は面白かった。男ってやっぱバカ。
投稿元:
レビューを見る
主婦が家庭に嫌気がさし、突然家出。
もっとドロドロとした感じになるのかと思い読み進んだが、意外とあっけない幕切れ…。
もっと桐野夏生らしい、身近にありそうな主婦の恐ろしい感情を書いた本が読みたい。