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予想していたとおり居酒屋トーク的にスタートしていく。いろんな本が紹介されているので、わあ読むものがまた増えたなあ、と喜びながら。しかし、本は過去のことが記録されているもので、世の中のオンタイムからは遅れてしまうのだ、キャッチアップできないのだ、とも…まあいいや。
消費派と半消費派的立場からショッピングモールをあれこれ。新しい公共の場であるとも、疎外感や帰るときの虚無感など。
本書は外国の例も出しながら、あくまでも日本の「社会」を論じていて、そしてあくまでも社会の全体像ではない、と言っている。ただそこに示されている抜け穴、水漏れ穴は僕にはわりと好意的に映る。人生は、つまらないと隷属する。不満があると、つまらない消費が投入されてきて、不満のスパイラルに陥る。僕はそんなにつまらなくないけど、こんなもんでいいや、でもないつもりだが。本書を読む人はきっとそんな感想を抱く人が多いんじゃないかな、なんて思うのです。ああ居酒屋トークしたい。
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第二章 「暮らしの実験室」の幸福論…の「契約派」と「農場派」の分裂から見えてくるもの、組織は必ず分裂するという新左翼運動の轍、「ダウンシフター」か「静かなる異端者」か、フーコーの権力批判と「新自由主義」…が特にお気に入り‼︎
見田宗介さんと大澤真幸さんの対談集『二千年紀の社会と思想』を読みはじめたけど、この周辺の話しが堪らなく面白い(o^^o)
國分さんの『来るべき民主主義』、『暇と退屈の倫理学』を読んでからの『社会の抜け道』でした。既に購入済みの『ドゥルーズの哲学原理』に挑戦してみようと思う。
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この窮屈な、閉塞感一杯の社会の抜け道は、やっぱり、一見か弱くも実は逞しく強かな、現場の人々によって見つけられて(作られて)いくのだなぁと。興味深い対談でした。
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今の閉塞感ムンムンの世の中がガラッと変わるような大革命。そんなのはいろいろ大変だろうから、いろんなところからちょっとずつポジティブに変わっていけばいい。そんな良いところを草の根的に探して語ってる本に思えた。これは面白い。
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古市さんの「絶望の..」を読んだことがあるが、國分さんのものは初めて.的確な論評に感心した.保育園の話しでフランスの少子化対策での成功事例を紹介していたが、女性の労働支援を実施した由.日本も取り入れたらどうかな.國分さんの言葉で「いいものを提供しても、受け取れる人と受け取れない人がいる.リテラシーの問題がそれぞれの人のものの受け取りを規定している」は大事な論点だと感じた.
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古市 社員旅行に参加する年配社員の意識も変わってきているんだと思います。苦手な社員に酒を強要したりする昭和的圧力は駆逐されつつあります。小説家の朝井リョウさんは、社員旅行先でずっと小説を書いていたらしいです。だったら、行かなきゃいいと思うんだけど(笑)
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対話形式ですらすら読めるが頭に残りにくいため、☆四つ。ただ情報量はものすごく、改めてこの二人は本当にすごいと感じた。少しは紹介された興味ある文献に当たってみたい。
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対談形式なので読みやすい
注釈で紹介されている本のなかに興味深いものが多々あったので、それらも合わせて読んでみたいと思った
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対談形式なので読みやすい。もっと雑然とした内容かと思っていたがそうではなく、しっかりまとまっているのは構成が速水健朗さんだからか。IKEAやコストコに行ってみたことで消費論について語ったり、これからの農業について、コミュニティについて語ったり、食や保育、政治参加にまで話が及ぶ。こうして読むと哲学というのは無用のものでいて、世間にどう相対して解釈するかの基準を作ってくれるのだなあと思う。
國分さんは著書を読んだ時、人としての感情がないくらいに超絶頭が良さそうに思ったが、実際はドライながらもかなり暖かそうな人のようだ。
とにかく頭が良い人同士の対談。面白かった。
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学生時代は社会学に全然興味がなかったんだけど、この二人の対談は、するする頭に入ってきて、世の諸問題への関心が高まっていく。
國分さんの単著も読んだことなかったんだけど、この本のおかげで大分関心が高まりました。
そしてシャルル・フーリエがなぜここ最近見直されているのか謎。妙に波がきてる感じがするよね。
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多様な領域へのたくさんの情報がちりばめられている、かつ読みやすくまとまった対談。これを足掛かりにして、注釈に書かれている文献に手を出すとかなり深められるのかと思う
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思ってたより面白かった。随分前にぱらぱら冒頭を読んでいたときは、ざっくばらんであると同時に雑多な会話の集積という印象だった。けれど、今回ふと通読してみると、なかなかどうして面白い。視点が共有されていると同時に違うことで、話が面白く転がっている。
気になるのが、國分さんの加筆・修正部分。取ってつけたような感じだし、とっちらかった印象は加筆のせいでもあるはず。
とはいえ、「消費と浪費」、「暇と退屈」の話を引き継いでいるものとして、『暇と退屈の倫理学』の修正点も聞けたのが収穫。
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84年生まれゆとり世代代表(?)と75年生まれ就職氷河期世代の、新旧社会学者の対談集。
消費社会のありかた、農業やデモ活動の理想(日本のデモは礼儀正しいらしい)、保育園と女性の就労問題、食料危機と住民運動などなど。幅広く論じていくおもしろい逸書。
シングルファーザー経験もあり食通でもある國分功一郎に、負けないぐらい、豊富な知識と的をついた意見で攻める古市憲寿の対談をうまく構成。たまに古市のちょっとドラスティックな切り返しに國分が答えないまま章が終わってしまうのが残念だが、日本の各地を見学しながら社会問題を論じていくというスタイルに感動。
フランスは理性の国でオトナになれという外圧が酷いから、反動で日本の幼稚なアニメや漫画が人気を集めているという説には納得。専業主婦のピークは1975年で、すでに過去のものになりつつある、日本の商業施設は功利主義に反するように、余白をつくっているなど、おもしろい切り口で諸相を語る。
「抜け道」とあるように、現代社会の王道をはずれても生きていけるよ、と示唆するような提言の書ではない。ただ雑学として読むとおもしろい。
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読みやすいけど、これを出発点に考えを深める可能性がありそうな一冊。ショッピングモール、保育園、など題材は身近。だからなんだ、といいたくなるような個人の感想的な部分もあるけど、それすら裏付け部分に厚みがあるために興味ひかれた。
興味深かったのは、社会的な運動をする際、それ自体を楽しむのか、変革を目的として啓蒙をするのかという二つのタイプについての話。前者は波及力は少ない代わりに永続的、後者は無理が生じて破綻しやすい。。など。
確かに、周りをかえよう!という運動ってどこかしんどい。多分本人も、まわりも。割合の問題と思うけど、自分はこれが楽しい!という割合が高いほど長続きしやすいだろな。
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前に読んだ「絶望の国の・・・」の著者古市氏と、哲学者の國分氏の対談。消費社会・子育て・食糧問題・デモ等について、哲学者らしい分析をしてくれる。消費社会では日本という物質が溢れかえった国に何も欲しいものが売っていない状況をイケアとコストコのあるショッピングモールから考察する。因みにイケアは日本では北欧テイストのおしゃれ家具イメージだが、現地ではいわゆるユニクロ的な下流感があるようだ。デモについての考察では、社会や世の中にはなかなか革新的な変化は起こらないが、徐々にかわっていくものだとの考えを示し、戦法として違う意見を理解する、その人と話し合えるか、また説得できなければ更に勉強するという学者らしい考え方と共に、反対と叫んでいても、自民党にも敵を作らない。世の中は皆で変える必要が有るからだそうだ。自分にはなかなか出来ないかな。それと反対活動に50年携わってきた人の、「俺たちは年をとったが、あんたがた(役人)は年が変わらないな」という発言が沁みる。役人側の責任者は3年くらいで交代してしまう。それと交渉してもまた変わる。結局日本では何かを変えるのは相当エネルギーが要るということだ。しかし石破が官邸デモをテロと表現したように、体制側はそのような国民運動をテロとして弾圧したいという本音が現れて来た。逆に言えば相当参っているということであり、國分氏は批判していたが、更に押し捲ることも必要なのではないかと感じた。