紙の本
傷をを負った人間たちの再生の物語
2019/09/06 21:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初はホラー小説かファンタジー小説かと思ったが、違った。これは傷を負った人間たちの再生の物語である。4話からなっているが、最初はわき役だと思っていた人の存在感がだんだん大きくなってくる。そしてその人の行動や言葉が後で大きな意味を持ってくる。とても巧みな小説でもある。
投稿元:
レビューを見る
宮部みゆきさんらしいハートフルな作品で,とても面白かったです.昔の宮部さんの作風かなと思ってたけど,ちょっと違う気もする.これは進化なのか,それともある種,作者のメッセージなのかなとも.何にせよ,次の作品も絶対に読もうと思います.
投稿元:
レビューを見る
感想はブログでどうぞ
http://takotakora.at.webry.info/201311/article_2.html
投稿元:
レビューを見る
下巻に突入。なんとなんと、ゆったりまったり殆ど何も起こらなかった上巻とは異なり、下巻に入ってグッと面白くなってきたぞ。
不登校の子が残したこれまた写真の謎を解きながら、一方では幽霊が空き巣を撃退したことから転じた小暮さんの生き様の物語が絡み、そこから花菱家における次女の死をめぐって父母が持つ葛藤や、英一も弟の光も心に苦しみを隠して生きてきたことがポツリポツリと見えてくる。
兄弟で風子をみる件りの切なさといったら…。
ここに来て、何にも起こらない中でも、人として、家族として生きることそのものが大層なことなのだと知らされる。
垣本女史との緩やかな心の交流や親しい友人との長閑な親交を通じながら時が流れ、これもまた人生の愉しみと知れる。
キレイな風景が印象的な表紙の本なのだけど、そこがどこか知れるラストシーンがまた鮮やか。
投稿元:
レビューを見る
悲しい終わりでもなんでもないのに、涙が止まらなくなる•••。そんな感動のお話。
本当に読み終えた瞬間号泣でした。
また大切な一冊に出会わせてくれた、宮部さんに感謝です。
投稿元:
レビューを見る
これから先、
10cm背が伸びた英一と垣本順子が走り続けていく途中、どこかの駅でふと再び出逢えるといいなあ。
投稿元:
レビューを見る
下巻は、3章と4章の2つ。3章は、上巻と同じく一枚の写真を巡る話。今回は、心霊写真風ではなく、不思議なかもめと称するものが写っている。それが意味する秘密が解き明かされていく。
4章は、高校生である英一と家族、親類、友達、不動産屋の社長などがからんで、花菱家の家族の秘密、不動産屋の事務員の垣本順子の秘密を描写していく。
そして、最後に、心が空白になるような、まさかの結末を迎えるが、しかし少し幸せな結末でもあった。
4章の途中までは☆4つくらいかなと思っていたが、最後の数十ページの驚きの展開で、いっきょに☆5つの評価となった。
投稿元:
レビューを見る
大切な人を失った経験があるかないか、守るべき人がいるかいないか、といった立場の違いによって評価は大きく異なる気がする。
個人的にはどうしても犯罪モノを期待してしまうところがあるのだが、解説を読んで、作家にはそんな苦しみがあるのねと少し考えさせられた。
投稿元:
レビューを見る
この物語に出てくる花菱家族をはじめとした登場人物がひとりひとり魅力的で、いいなぁと思いながら読了。それぞれが閉じ込めていた過去の思い出したくない記憶と少しずつ向き合い、次への一歩を踏み出していく。じーんと温かいものが伝わってくる。
投稿元:
レビューを見る
友人、恋愛や親戚付き合い等の人との関わり。
そんな中の煩わしさとか温かさとか、生きることの大変さとか…
そして心霊写真から自主製作映画とか鉄道とか、そんなとこも話題が豊富。
読んでいるとその場面が鮮やかに浮かんでくるような話だった。
2015.5.30
投稿元:
レビューを見る
今年読んできた宮部作品は『模倣犯』と三島屋シリーズの『あんじゅう』。前者は連続殺人事件の顛末を、後者は過去の傷を持つ主人公がさまざまな人の話を聞くというもの。
『模倣犯』は題材が『あんじゅう』は主人公の来歴が複雑で、その分どちらも書き込みがしっかりされています。対しての『木暮写眞館』の主人公はあくまで普通の高校生、取り上げる事件も個人の不思議な写真といった小さなもの。先の二作品も書き込みがしっかりしている割に読みやすかった印象があるのですが、今作は主人公や事件の身近さのおかげか、軽快な文章や登場人物のやり取りも多く、さらに読みやすく仕上げられていた印象があります。上下巻でページ数もあるもののそのおかげで読み疲れるということはありませんでした。
内容はハードな雰囲気こそ抑えつつも人の悲しみ、浅ましさ、無意識の悪意をしっかりと描いています。こういうことを描かせたら宮部さんの右に出る人っていないんじゃないのかなあ。相変わらずの文章の巧さです。
その真骨頂となっているのが第四話の『鉄路の春』。英一の家族に起こった暗い過去、家族それぞれの悲しい想いを英一目線からしっかりと描きつつも結末は温かく、一抹の寂しさもあるもののそれを包み込む希望を感じさせる結びです。悲しさを描きつつも、優しさを最後に残す宮部さんらしい結末でした。
登場人物たちについては変わった人が多いというのが最初の印象でしたが、みんなある面では普通の人と変わらない、もしくは普通の人以上に繊細でそういう意味では読んでいる自分と変わりない人たちだったんだと、読み終えた今は思います。キャラの濃さと人間性をしっかりと両立させた人物たちでした。
そんな登場人物たちの中でも垣本順子の描き方は特に秀逸! 今まで読んだ小説の登場人物たちの中でも、特に忘れられない存在になりそうです。
宮部さんの作品ってやっぱりいいなあ、改めてそう思った作品でした。
2011年版このミステリーがすごい!8位
投稿元:
レビューを見る
泣きました。
読み終わってじんわりしました。
悲しいわけではなく、本当にじんわり。
上手くいえないけど。
これだけは言えるかな…このじんわり感を味わって欲しい。
おすすめです。
投稿元:
レビューを見る
あらすじ・・・・
家族とともに古い写真館付き住居に引越ししてきた高校生の
花菱英一。変わった新居に戸惑う彼に、一枚の写真が持ち込まれる。
それはあり得ない場所に女性の顔が浮かぶ心霊写真だった。
不動産屋の事務員、垣本順子に見せると「その人は泣いている」という。
謎を解くことになった英一。
英一と家族、各々が封印してきた過去が明らかになる。
感動の結末へ・・・・。
やっぱり宮部みゆきの面白さは安定感がある~
実は前半、夜読んでいて、心霊写真の部分が怖くて、かなり
ビビリながら読んでいました・・・・
でもその心霊写真の謎も実は切ない背景が隠されていたりするんです
キャラも凄く良くて、かなりの長編なのに飽きずに読めました
特に好きだったキャラはテンコとピカ頭が良くて気が付く子達なんだ
上よりやっぱり下の方が断然面白くて、法事の場面なんかは
読んでいてスッキリしました
とにかく面白かったです
投稿元:
レビューを見る
あら この話って恋愛小説だったんだって 読み終わってから
帯を見て気が付きました(笑
垣本順子のような 幸薄そうな女性に 少年って恋するもんなのでしょうかね
でも それって本当に恋いなのかなぁ 別の何かを満足させるモノじゃないのかなぁ
まぁ そういうのも含めて 思い違いや 間違いを繰り返して 人生なんだと
妥協しない 馴れ合わない 登場人物達だったので
終わり方は 好きでした