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戦場での取材も行う作者だからこそ聴取できたような内容が事細かに書かれており、事件の詳細まで想像できるような一冊。
時折挟まれるいくつもの被害者/加害者家族の家系図、また巻末の人物相関図がこの事件の禍々しさを物語る。途中、複数人が交錯して分かりづらい部分もあったものの、実際の事件が事件なだけに仕方がないかと思う。
読了後もスッキリとはできないが、それだけに重々しい満足感があって個人的には読んでよかった。
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尼崎連続変死事件のルポ。この本を読むまで、ここまで人間関係が複雑だとは思わなかったし、いくら美代子に脅されたとしても、大の大人が本当の家族に対して、暴行を加えたりするようになるなんて考えたくもない。また被害者達が警察に訴えても、「民事不介入」と言って取り合ってもらえないなんて、一体どこにすがればいいんだろう。もっと早くに警察が動いていれば、こんなに多くの犠牲者が出ることもなかったんじゃないかと思うといたたまれない。「仲間だって残っとるし、同じようなんはなんぼでもおるんやから…」という最後の言葉は恐ろしい。
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犯人の生い立ちを知り、寂しい人なんだと思った。ニュースでしか知らなかったこの事件、この本を読んで人間味が増した。犯罪者の心理をもっと知りたくなった。