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我々が「現実」と思っているものは、ある時期に発明された「物」「事」によって成立していることを、実例によって教えてくれる。
初版2008 増補2013
プリクラと腐女子と「行為X」
2008年のプリクラ文化の実調査、相当苦心したと見えるが、興味深い。今はスマートフォンの中に移行している? 増補部分に出てくるか?
Xは、もちろん自分もやっている。Xがなかった時代から見たら、気が狂ったようだろう。
プリクラも腐女子もコスプレも、現場に出てインタビューしているところがすごい。貴重。
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「世界」は複雑で無秩序である(かもしれない)。そのような「世界」で人間がなぜ生きていけるのかというと,人間が「世界」を生きていないからである。
人間が「世界」を生きていないとはどういうことか。人間は「世界」を単純化して構築している。つまり,人間は「世界」を人間が生きていける現実として作り直しているのである。
このように人間は「世界」をデザインする。そしてデザインされた「世界」の上で人間は生きている。我々はその存在からして,個人的には生きていけない。社会文化的な存在なのである。
だからと言って人間は個人として何もできないわけではない。個人としても「世界」をデザインできるし,現に自分なりに「世界」をデザインしながら生きている。しかし,そのときでも「他者」の存在を無視することはできない。「他者」とは具体的なヒトだけでなく,モノや,文化も含まれる。
我々は個人でありながら「他者」でもある。個人と「他者」は切り離せない。そのような時間や空間を越えた個人=「他者」の集合として我々は存在している。
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「(身体の内外に広がる)世界」と「人間(の精神や行動)」の関係はとても興味深い。本書は、心理学だけではなく、哲学や言語学や脳科学や民俗学や文化論や社会学などにもつながり研究の奥深さを示している。