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刺青殺人事件を読み終えて
2023/10/26 14:42
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投稿者:英ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある新聞で取り上げられて読んでみたが、びっくりするような事件の結末には恐れいった。後半に出てくる、探偵神津により、この難事件は見事解決されるが、おそらく読者はなぜこうなったのかということを読んでいる途中で推理するのはまず不可能であり、推理小説の面白さはこういう所にあるのではないだろうか。それにしてもこれほど見事な推理小説はなかろう。 読みやすく、一気に読むことができた。
電子書籍
トリックが
2021/01/26 06:37
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
機械的に作った密室と、刺青は消せないという人間の思い込みをうまく使っている。当時、画期的な作品だっただろう。そして後半に登場の神津恭介が、なんとも魅力的!人物像もさることながら、頭脳の回転の速さと行動力。名探偵にイケメンは少ないけど、神津恭介は別格。
紙の本
名探偵神津恭介のデビュー作!
2016/01/30 00:00
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投稿者:翠香 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高木彬光氏のデビュー作で、神津恭介初登場作。
終戦1年後の東京が舞台。
背中に大蛇丸の刺青がある野村絹枝が自宅の浴室で殺害された。
死体はバラバラに切断され、胴体だけが消失していた。
浴室は内側から鍵が掛けられた密室状態。
密室トリックは陳腐ですが、当時としては画期的なアイデアだったのかも。
映像で実演シーンを見てみたい。
それよりも現場の状況に巧みにミスリードを施し、
それだけでなく、別の効果も狙ったトリックの上手さに目を瞠りました。
物語の前半の耽美な世界と後半の神津登場後のスタイリッシュさとの
対比も面白い作品です。
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神津恭介登場!
2013/10/29 15:57
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投稿者:atsu - この投稿者のレビュー一覧を見る
長らく絶版で入手不可能だった、名探偵神津恭介デビュー作「刺青殺人事件」が遂に復刻された。
入れ墨を施された三兄妹を軸に引き起こされる連続殺人事件は、密室あり、アリバイ工作あり、本格推理の醍醐味を十分味わうことができる。
事件のテーマとなる入れ墨も、怪奇的な舞台装置としてだけではなく、がっつりトリックにも絡んでくる。
現役の洗練された本格に慣れた読者には多少物足りなく感じるかもしれないが、和製ミステリの歴史を語るうえで欠くことのできない一作である。若い読者にもぜひ読んでほしい。
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冒頭の刺青の耽美講義から作品世界に惹き込まれました。猟奇的な死体も相まって良い雰囲気です。
密室トリックは初歩的で拍子抜けしましたが、そこから派生する「何故、密室にしなければならなかったのか」と「何故、胴体が消えたのか」のプロットが実に素晴らしいです。「日本推理小説史上に欠かすことのできない作品」という評価は十分頷けます。
ただ一つ気になったのは、「読者への挑戦」の後で新事実が発覚することです。推理する条件はある程度揃っているとはいえ、探偵と読者が公平でないのはややアンフェアかなと思います。
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密室をテーマにミステリを語るとき、必ずといっていいほど話題に上るこの『刺青殺人事件』
機械的トリックの裏にある企みは、現代でも十分に通用するもののように思います。
そして胴体を持ち出された死体の謎は、読者の思い込みを巧みに利用し、簡単に思いつきそうでいて盲点になっていた箇所を突いてくる素晴らしいものでした。
そしてなによりデビュー作にしてこれだけの大作を発表したことに驚きました。
まだまだ未読の作品があるので、楽しみに読んでいきたいです。
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何を隠そう…というか、別に隠していないのですが、古色蒼然とした"探偵小説"が好きです。(推理小説というより探偵小説という感じが合っているかと)
しかし、高木彬光氏の作品は不覚にもこれまで『能面殺人事件』しか読んだことがなく、今更ながらにこちらを読みましたが…
なるほど。日本の探偵小説・推理小説オールタイムベスト投票のような企画で必ず上位に入る作品だけあります。
今となっては(他の推理小説を読みつけた身としては)トリックの要のところは読めてしまいますが、この、"耽美な"プロットがいい。そしてこの「読者への挑戦状」にはしびれる(笑。大いに楽しみました。
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最初は文章がタルかったが、慣れれば一気に読めた。
内容としては食い足りなかったが、時代背景を考えると、十分猟奇的であり、奇抜かなと思える。
違う作品と読み比べるのもいいか
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明智・金田一と並んで日本三大探偵であるらしい神津恭介の初登場作品。
世にも見事な大蛇丸の刺青を背負った女が殺され、その胴体だけが持ち去られた。
次いで女の夫と兄も殺される。
事件に巻き込まれた松下研三は、偶然再会した神津恭介に事件解決を依頼する。
神津の登場はかなり後半のほうで、そこまでは陰惨な事件の様子よりも刺青という芸術についてとくとくと聞かされる印象で、絢爛豪華な刺青にあてられて眩暈がしそうでした。
後に書き直したとはいえ地の文も会話も固さ柔らかさがちょうどよく、高木彬光はやっぱり良いと再確認しました。
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タイトルの「刺青」は「しせい」と読む。
刺青競艶会で他を圧倒して優勝をさらった絹江の「大蛇丸」。
研三と早川博士によって見つけられた死体は、密室の浴室で胴体だけが持ち去られたバラバラにされていた。
流れ出る水道の水で、死体の血はきれいに洗い流されていた。
やがて絹江の夫である竹蔵が発見され、絹江を殺して自殺したと思われた。
だが、第三の惨劇が起きる。
絹江の兄・常太郎が刺青を剥ぎ取られた状態で死体で発見された。
潜在的にすりこまれた密室にいだくイメージ。
トリック(密室)よりも、心理的に植え付けられた(ミスリードの)トリックが素晴らしい。
自雷也(文字は本分のまま)、大蛇丸、綱手姫にまつわる禁忌の三すくみ。
序盤で提示される大胆なトリックには脱帽した。
真相への糸口が、さりげなく伏線として描かれているのも本格推理小説としての定義から外れてはいない。
物語の中で考えつくされた公正な表現。
例えば斃れていたと殺されていた・・・などの絶妙な表現と、計算された構成に驚いた。
1948年に書かれたもので、すでに半世紀以上の時が経っている。
しかし、いまなお異彩を放っていることに驚く。
新装版は大幅な改稿がされた後のものが収録されている。
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最初の百頁くらいは延々と刺青講座。やっとバラバラ死体だ、密室だ…で、探偵登場はやっと半分過ぎてからなんである。密室はあっという間に解決しちゃったけど、確かにその意図は分からんかったわ。ちゃんと騙された〜。
色々と古めかしい気はするが、刺青周辺の人と医者学者に探偵と警官しか登場しないから、さほど違和感なし。
ただ、「夜の女」とは言え、彼女にも生活があったわけで、消えたら隣人なり同僚なりが騒ぐんじゃなかろーか。
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トリックの秀逸さもさることながら、刺青の魅力が伝わってくる一冊。刺青が反社会的なとものとして捉えられてしまってることが残念にかんじます。
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機械的密室と心理の密室にネガポジの反転、全部全部きれいに騙された!半分以上過ぎてから登場する名探偵・神津恭介のあっという間の謎解きもあっさりしてて良い
研三と神津恭介の仲の良さには友情ってどんな時代でも変わらないんだなあと思いました
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恥ずかしながら、高木作品初読みです。読友さんたちがこぞって推薦する名探偵神津恭介。颯爽と現れ美しい推理を披露し…ああ、間違いないです。ついていきます!刺青、バラバラ、密室、双子。美しい耽美な世界が見事に作られているのを感じます。どこかにふわっとクイーンやダインの香りが漂う気がして嬉しいのは欲目かな。今となってはトリックは目新しくはないのかもしれませんが、〇〇の意味がとても良かった。綺麗な本格探偵小説でした。もっと早く読めば良かったです。更に、スカイエマさんの表紙絵が好みで、読後何度も隅々まで眺めました。
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我が家に縁のある方らしいので、どれどれと思い読んでみました。
70年以上も前の小説ですが、なんでしょう古くささや読みにくさはありませんでした。
神津さんかっこよすぎ。そして謎とき早すぎ!すげぇ!
やはり古き良きミステリーはいいですね。
読者への挑戦とか滾りますね。