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人類の主なエネルギー源は脂肪酸です。糖ではありません。
糖は中毒性のある嗜好品です。
まえがきに書いてある通り、美しくなりたい女性におすすめできる本。
その他生物学の色々なトリビア
・血糖値は食事からの糖吸収ではなく主に糖新生により保たれている
・草食動物は腸内のセルロース分解菌からタンパク質を得て生きている。ウシの腸が最強
・腸の構造上、人間に草食は困難だがうまく移行した人もいる。パンダは肉食から草食への移行に成功している
・獲得できる食べ物と消費エネルギーから、サイズによって何を食べるかの最適戦略が変わってくる。これが母乳が必要な理由
・環境の変化で嫌気呼吸、好気呼吸、そして脂肪酸代謝へ。中枢神経系は進化の過程で取り残されたので脂肪酸を使えない
・狩猟採集移動生活から定住へ、小麦栽培へ。人類史の仮説
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糖質は嗜好品だ
非穀物食への道 豆類(窒素肥料が少なくて済む)、蛆
食事によらない血糖維持システム タンパク質からの糖新生
人体の多くのエネルギー源は脂肪酸 ブドウ糖は例外的
最初の一人がいなければ何もはじまらない
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ここ1年半ほど、糖質をなるべく控える、という生活をしている。
もちろんそれはダイエットがきっかけなのだけれど、結果的に、食後も眠くなりにくくなったり冬場の肌乾燥がなくなったりと、いいことずくめであったのだ。
この本を読んでみて、あらためて、炭水化物や糖質が人間に必要なものではないということが多方面から納得できた。
それにしてもこの本、後半は特に、生命の誕生から進化、農耕の起源、人類の未来について大胆な仮説や提言がなされていて、書名からは想像もつかないような壮大な世界観のもとに書かれておりました。
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炭水化物と砂糖類を取らなければいいという主張を見て驚いた。その理由を人類の歴史までさかのぼって述べている。ただ、これがいいと言って煽るタイプの本ではない。
著者は、血統を上げる食べ物は、ブドウ糖とブドウ糖に体内で変化するデンプンだとして、食べない方がよいものとして米、パスタ、うどん、そば、ラーメンなどを例に挙げている。
著者は、主食という発想を転換する必要があると説いている。日本人の主食イコール米だといろいろな所で主張されているので、ついそう思ってしまう。しかし、地球が誕生してから長い間、米が主食であったわけではなかったことを考えると、常識の枠を外して考えることも必要だな。
著者曰く「糖質は嗜好品だ」とも述べている。嗜好品というとタバコやコーヒーが浮かんでくる。斬新は発想だ。それだけでなく、厚生労働省と農林水産省が発表している「食事バランスガイド」に矛盾点を見出し、糖尿病治療に対しても疑問を呈している。きっと著者の所には色々な団体から苦情が殺到しているのかなと想像できる。
さらに「糖尿病はドル箱」として、糖尿病学会、医者、製薬会社にとって糖質制限で患者が減ると都合が悪いとして皮肉っている。そういえば、近藤誠著「医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法 [新書]」なんて言う本があったな。病気を治すのは本人であって医者はあくまでもサポートする立場だからなあ。
この本を読んで苦々しく思っている業界関係者の方々も少ないだろうが、何の利権もないモクモク羊にとっては、目からうろこから落ちるとはまさにこのことだ。スイーツ好きもいいが、ほどほどにしないと自分の命を削ることになるからとるものの量、回数ととるものについてよく注意していこうと思った。
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この本にはダイエットの極意と、それがどの程度有効であるか、またその方法は人間の体に適したものであることを理論的に解説しています。私は凄い衝撃を受けました。
その極意はとてもシンプル、本来、人間の体を動かすのに必要である「タンパク質及び脂肪」を摂取すれば、糖質(米・小麦、トウモロコシ、果物)は不要というものです。そもそも糖質を含む植物は、弥生時代以降の環境破壊を伴う農業革命によって作られたもので、人間の体はそれを必要としていないということです。炭水化物は、アミノ酸から体内で合成可能(糖新生)(P85)らしいです。
我々人間は、糖質を含む食物を食べることを長い間続けていたので、完全に断ち切ることは難しいかもしれませんが、糖尿病を薬無しで治したい人や、体重を減らしたい人には「糖質カット」が最も効くようですね。
試しに今週のランチを2日連続して半ライスにしてみたら、午後に眠くなる現象が亡くなったのは驚きでした。この本を読んで糖質制限をすることがダイエットに有効(著者は20キロ減量!)のようですが、私の好きな、蕎麦・パン・スパゲティ・果物まで対象になっているので、糖質制限を守ることは随分と寂しい食生活になってしまうと思いました。
タンパク質、脂肪としては、各種の肉・マメ・魚・野菜は食べれるようなので、それらを中心に糖質の半減を目指していきたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・糖質制限開始から5か月目に血圧が正常になっていた、やったことは昼食御飯を食べなくなったことと、日本酒を飲まなくなったことのみ、降圧剤飲まず、運動もしていない(P23)
・居酒屋で夕食(野菜炒め、焼き魚、1杯のビールの後は焼酎)を食べて帰っても眠気はこない、仕事はハイボールを飲みながら(P25)
・二日酔いになるのは、飲んだ酒の量ではなく、糖質(ご飯、麺類)を食べたかどうかのみ、なので夜11時まで焼肉と焼き鳥食べても胃袋は空っぽになり胃酸はでない(P27、29)
・米・玄米、小麦(パスタ、うどん、パン)、蕎麦は原則的に食べてはいけない、砂糖が味付けに含まれているものもダメ、肉・魚・卵・豆類・キノコ・野菜類(葉物、根菜類はダメ)はいくら食べても良い、果物は避ける(P39)
・帰宅して飲みたい場合には、ハイボール等とつまみは、ミックスナッツ、ジャイアントコーンは不可(P51)
・コーラ590MLを一気飲みするのと、角砂糖17個を一気食いするのは同じである(P56)
・食べたら眠くなるのは、糖質食により血糖値があがり、インスリンが分泌、その働きにより低血糖になるから、なので糖質を摂取しなくなるとインスリンが分泌せずに眠くならない(P78)
・炭水化物は、アミノ酸を材料にブドウ糖を合成する「糖新生」というシステムが人間にあるので、タンパク質さえあれば自分で作りだせる。必須脂肪酸と必須アミノ酸とは別(P85)
・糖質は嗜好品の4条件(食べなくても生きていける、薬ではない、食べると精神的・幸福感が得られる���食べられないとわかると寂しい気がする)を満たしている(P90)
・薬会社は、治る病気を相手にすれば儲けは少ないが、治らなくても問題にされない病気を相手にすれば、儲けははるかに大きくなる(P111)
・アメリカの無限に思えたオガララ帯水層は有限であった、あと25年で枯渇するという意見が多い(P125)
・糖質制限のメニューの例として、朝:糖質少な目のシリアル、牛乳、チーズ、昼:お弁当のおかず、夜:野菜炒めと焼き魚(P138)
・江戸は極端に独占男性の多い人工都市であったので、寿司・蕎麦・天ぷら等のファーストフードが考案された(P145)
・糖質制限をすると、ブドウ糖不足が解消されるまで、脂肪とタンパク質が分解される、これが糖質制限をすると痩せるメカニズム(P159)
・牛は4つの胃をもつ、焼肉屋のメニューでいうと、ミノ(第一)、ハチノス(第二)、センマイ(第三)、ギアラ(第四)でセルロース分解が行われるのは最初の3つ、胃酸は4つ目で分泌される(P176)
・複数の胃袋を持つのは、牛の他に、ヤギ・ヒツジ・カバ、小型動物では、発行槽で得られるエネルギーよりも、体表面から失われるエネルギーの方が大きくなるから(P178)
・人体を構成する物質は、水:60-70、タンパク質:15-20、脂質:13-20、ミネラル:5、糖質:1%(P183)
・草食哺乳類は、消化管常在菌との共生が必要だが、肉食哺乳類は不要なので、消化管の構造はシンプルで、腸管の長さは短くて良い、肉食と草食動物の違いは、食料を手に入れる段階で苦労するか、食料からエネルギーと身体を作る材料を手にする段階で苦労するかの違い(P185)
・人間の組織や細胞において、ブドウ糖を主に使っているのは、脳・目の網膜・赤血球であり、手足心臓の筋肉は、脂肪酸をエネルギーとし、激しい運動のときに限ってブドウ糖をつかう(P228)
・草食動物は当初は捕まえてすぐに食べていたが、その後に非常時の食料として身近に置くようになった、これが、ヤギ・羊の家畜化の始まり、家畜は生きた貯蔵庫(Livestock)である(p299)
・米は他の圧倒的に繁茂する草本に紛れるようにして生えるので、小麦に似た草を見つけようという意思を持ってみない限り絶対に目に留まらない雑草であった(p308)
2013年11月9日作成
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ヒトは炭水化物なしで生きられるのか?なぜ炭水化物を摂取するようになったのか?がテーマの本。
はじめてタイトルを見た時はいかにも怪しい健康本、もしくはダイエット本のような内容を想像したが、読み始めると確かに、糖質制限による健康改善の話が続いていく。ただ著者の実体験というか、自分の体を使った人体実験の話だけに妙に説得力があるのだ。
健康改善の話だけではなく糖質摂取の歴史的背景から、生物の進化や脳科学についてなど、非常に魅力的な仮説が満載されている。たしかに狩猟生活をしていた人類の祖先が、小麦の栽培方法を発見しなければ、現代のような人口には達していなかったハズである。
著者のホームページに寄せられる糖質セイゲニストの声の中には、ニキビが減った、髪の毛に張りが出た、不眠症や糖尿病が改善したなどなど、ホントかよ!と思わずツッコミたくなるような話もあるが、なにせ元手が要らないのだから、試す価値はあるのではと思った。
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糖質制限をして13kg痩せた父に読めと渡された。なるほどトンデモ仮説なのかもしれないけど、話が生命の起源に遡ってたりして、ある意味ロマンチックで面白かった。
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話の内容が生化学から発生学、人類の発達史となり、いつの間にか文化人類学まで絡めて分かりやすく炭水化物の功罪を解説している。快書。
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ダイエット本のように売られていてもったいない! と思うのだが、著者もまた女性読者に読んでもらって美しく変身してもらい、女性にはもてたい、オッサンはこの本を見つけずに素通りして欲しい、と大上段の構え。でも見つけちゃった。
さて、健康・栄養系はあれが嘘だこれが効くのだと何やら喧騒の世界だけれど、そういうものを超越した、ぶっ飛んだ話が本書の魅力だ。糖質制限というのはこういうものだ、というおとなしめのアイドリングから、やがて牛のカロリー摂取方法、パンダと竹、そしてチューブワームの話に突き進んでいく。脳はブドウ糖を使うが、なぜより効率のよいはずの脂肪酸を使わないのか?
人間は本来定住する動物ではない(ことを、ウンチから説く)、だが小麦の甘さにやられて、そして穀物が大脳の能力を開花させたのだ、と。著者は、いつかくる穀物栽培の終焉にどう備えるか、穀物で培った大脳を働かせて選択せよ、と語る。
糖質制限で健康に、という部分も、それはそれでいいなあと思えるが、最大の問題点は僕にとっても著者と同じく、日本酒が美味しく感じられなくなるという点。
でも、それさえも、この大胆な仮説群の前では末節とさえ思えてしまうほどで。非常にエキサイティングな本だ。
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今までマクロビでしたが宗旨替えしたくなりました(笑)。生物としてのヒトを考える。まさにパラダイムシフトですね。糖質を取らなくてもよい世の中は食物をめぐる争いをしなくてもいい世の中?食べるという快楽を超える。どうやって?ここがチャレンジのしどころですね…。
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「外傷の湿潤療法」を日本で広めた著者が、今度は「糖質制限」にチャレンジしたと聞いては、読まないわけにはいかない。
自ら、過激ともいうべき糖質制限を試み、半年で11kgの体重減少を成功させたと聞けば、単なる「糖質制限によるダイエット本」と早とちりしそうだ。しかし、それは前半だけのこと。
後半からが圧巻だ。著者が<思考実験>と呼ぶ仮説の積み重ねによって、新しい地平が広がる。
第6章「浮かび上がる<食物カロリー数>をめぐる諸問題」では、糖質を制限すると脂肪・タンパク質をブドウ糖に変換するという<糖新生>が起こるという事実に着目。<摂取カロリー信仰>へのノーが高らかに宣言される。さらに、肉食哺乳類のパンダが草食となった謎に迫り、哺乳類の母乳にはブドウ糖もデンプンも含まれていないという事実などから、ブドウ糖を摂取することが必ずしも必要ではないことが示唆される。
第7章「ブドウ糖から見えてくる生命体の進化と諸相」では、ブドウ糖は脂肪酸に比べてエネルギー源としては効率が悪いことを指摘した上で、脳がエネルギー源としてブドウ糖しか利用できないのは、進化の途上で脳だけが脂肪酸を利用する新システムに乗り遅れただけだと喝破する。この章で提出されている<生命進化とエネルギー獲得法の変遷に関する仮説>も興味深い。
そして、最終章「糖質からみた農耕の起源」では、本来は移動する生活を余儀なくされドングリなどの木の実を食していた人類が、栽培し収穫し口にするまでに手間のかかるコムギをなぜ主食とするようになったのかについて、「コムギの甘さに驚き、それをもっと味わいたくて栽培を始めた」という仮説を提出している。
糖質摂取をめぐって様々な視点から論じた、誠に気宇壮大な書物であった。
農業を営み、米を生産しているだけに、読後、複雑な思いになり、自分の仕事の意味についてあれこれ考えさせられてしまった。70億にまで膨れ上がった地球上の人類を養うには、米やムギといった糖質に頼るしかなさそうだから、私の生きている間は、それこそ「おまんまの食い上げ」になることはあるまいが・・・。
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結論、後半のあれこの本なんだっけ?というのを除けばかなり良書だと思います。
糖質制限に関する食生活に関する本かと思いきや、まさか歴史とそれに対する著者の仮説が後半を占めるとは思いもしませんでした。
それでも個人的に、食品科学を大学の専攻としていた身としてはTCAサイクルや糖新生など話は非常に生物で学んだこととのつながりがあって面白かったです。
そして、糖質に関してもなぜ人類に不要なのか?
独自の歴史に関する仮説も交えて主張しているのが、新書にしてはがっつりした本だなと印象を持ちました。
今後は好物のうどん、そばやスナック類の摂取は控えようと思います。
(炭水化物を除くと思った以上に資質の摂取が増えたり、食べれるものが少なく大変ですけど)
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ローカーボダイエットの本かと思いきや、書き出しから3分の1はそのような内容だけかと思っていたが、2分の1を過ぎた頃から、展開が一変する。
人類が誕生してこれまで、どのような食事をしてきたかと言うことを、様々な情報を元に著者の仮説が展開される。
その中で、胃の中で分解が遅いのは炭水化物ということだ。救急で胃をあけるときなど、タンパク質はほとんど残っておらず、炭水化物の残存が多いと言うことだ。
あくまでも仮説ではあるが、なかなかの読み応えを感じた。
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本書は、日本人がもつ「食」への固定概念を覆す本である。
炭水化物といえば、私たちの頭には、食事には欠かせないものと刷り込まれており、少し前に流行した炭水化物抜きダイエットも、効果があると言われていたが、結局いつの間にかあまり聞かなくなった。
私の家でも、姉が食事の時に炭水化物を食べないと言うと、両親に怒られてもいた。
それだけ、日本人にとって米=炭水化物は無くてはならないものとなっている。
しかし、本書を読むと、炭水化物の魔力によって、私たちが炭水化物の虜になってしまっていることが分かる。
著者も言うように、著者の仮説が全て正しいとは思わないが、糖質制限を試してみる価値はある。
私も、読了する前に実践し始めた。
良い結果が出ることを期待している。
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50歳を超えると太るという情報もありますし、参考にしよう。
・できるだけ、締めのご飯ものは避けよう。
・日本酒を買ったばかりなので、それを飲み終えたら焼酎にしよう。
・ビール、発泡酒は糖質ゼロにしよう。
・コーラなども糖質ゼロを選ぼう。