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森絵都さんは初めて読んだ。
井上荒野さんは、以前読んだアンソロジーで気になった作家さん。
そして、角田さんと江國さんは大好きな作家。
本作の中で一番好きなのは、角田さんの「神さまの庭」。
母親の、食事を気にかける言葉は、この世で一番温かくて安心する言葉だと思う。
亡くなった母も、よく「おなか空いてない?」と訊いてきたなぁ~と思い出してちょっと涙。
イマイチ…と思ったのは江國さんの「アレンテージョ」。
なんか、主人公が気持ち悪い…。(苦笑)
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ポルトガル(江國香織)、スペイン(角田光代)、フランス(森絵都)、イタリア(井上荒野)、それぞれの地でのそれぞれの物語。4編とも各国の地方都市にまつわる物語だったので、より異国情緒を感じることが出来ました。
ただ、これはおそらく企画物なので、テーマと与えられたページ数によって作者たちの表現を狭めてしまっていたような気がします。
一番好きだったのは森絵都さんかな。ちなみにこの本で初めて井上荒野さんの文章を読みました。
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なんでだろう、本来なら食が題材なんて楽しい筈なのに。
割と好きな作家さん2人も入ってるのに…
今回は淡々と読んでしまった。
今読む時期ではなかったのかな…
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4人の女性作家が料理をテーマに(?)書いた4つの小説が収められた短編集です。
作家と作品名はそれぞれ、角田光代「神さまの庭」、井上荒野「理由」、森絵都「ブレノワール」、江國香織「アレンテージョ」です。
以下はそれぞれの話について感想を書いていますが、気に入った・気に入らなかった、がよく出てます…。
最後に何となく気に入った話ランキングをつけてみました。
角田光代「神さまの庭」
料理を食べながら、癌におかされた母の今後を話し合う主人公の家族の気持ちは、自身の経験から理解できます。
体が疲れたときにも有効ですが、心が疲弊したときにおいしいものを食べると元気になるし、忘れかけていた幸せな気持ちを取り戻すことができる気がします。
アイノアの仕事を最初は素晴らしいだなんて言っておいて、最終的にそれって嫌味?耐えられない、なんて言う彼氏は理解できません。
井上荒野「理由」
起承転結のある話ではないので、感想を書くのは難しい…。
読み終わって、カルロはこれからどうなるのかなとぼんやり思いました。
森絵都「ブレノワール」
実家に彼女を連れていくところ、うわーっと思いながら読みました…。
江國香織「アレンテージョ」
読んでいると、夏じゃなくても暑くて乾いている砂漠みたいなところにいる気分になりそうです。
彼らが夜に見たおばあさんたちが何なのか気になります。
どういう経緯で作られた本なのかわからないのですが、最初にある程度具体的なテーマが与えられていたのでしょうか?
田舎、家族仲良し、習慣に縛られた生活‥など、人によっては窮屈に感じる暮らしから抜け出して人生をおくるうちに、料理を通して故郷のことや家族のことに思いを巡らすようになり、結果、捨てたはずの暮らしや場所に戻るー。
というような話がいくつかあります(いやほとんどです)が、正直ベタすぎるだろうと思いました。
どの作家がどの話を書いているのか見ないまま読みましたが、やっぱりというべきなのか、4人の中でいちばん多くの小説を読んでいる江國香織の話がいちばん気に入りました。
登場人物もみんな魅力的(特にビッチとダグ)だし、内容も家族とか故郷とかじゃないし、読みやすいです。
次が初めて読んだ角田光代。これはベタな話の一つですが、主人公の仕事が登山家に食事を作る、というところ、それに至るまでの経緯が気に入りました。
森絵都の話はザ・ベタという感じですが、起承転結がある分、読み応えがあります。
井上荒野は「ベーコン」を読んだときに、合わないと思って以来ですが、やはり苦手です。
料理の出てくる小説は好きなだけに惜しいのですが、文章も内容も苦手です…。
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豪華作家さん達の短編が集まった一冊。
色んな国の食と人とのおはなし。
出てくる料理がとにかく美味しそう!そして旅もしたくなる!!
角田さんのおはなしが一番好きかな。
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豪華なメンバーのアンソロジーでした。海外の話なので「どこかな?」と想像しながら読むのがおもしろかったです。どこかほっこりとしていて温かいお話でした。
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外国のお話ですが、全部食べ物がおいしそうでした。最初の角田さんのお話は、時系列が分かりにくくて読みにくかったです。内容もなんかしっくりこないです。後のは面白かったです。しょっぱい食べ物が食べたくなりました。
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欧州とその土地の食事をテーマにした4人の女性作家によるアンソロジー。
チーズと豆が好きな私はタイトルに惹かれました(笑)
心に残ったのは森絵都のブレノワール。ラストの母の最期の言葉の意味がわかったところではちょっと泣ける。
あとの話は時間をあけて読んだからかあまり印象に残らなかったなー。
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角田光代さんの「神さまの庭」が印象的でした。会員制のサロンでのクラブで料理を振る舞う父。その中に馴染めない主人公。それがとても嫌で村を出てからバックパッカーになって世界を旅する。たまたま山の食堂で料理を振る舞うことになる。たまたまその一行に国境なき医師団の料理版の存在を知る。とあることがきっかけで参加することになる。これがいつの間にか場所ややり方は違うけれど食を通しての生き方をしていた。
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人生の中での、食事の位置について考える。
毎日毎日食べなきゃいけない。ごはんを作って食べて食べながら次の献立を考えなきゃいけない生活がいつまで続くんだろうと思ってうんざりしたことが何度かある。
それでも、後になって思い出すのはたぶん誰かと一緒に何かを食べたことと、そのときの相手の笑顔。そういう毎日をなんとか重ねて、いつのまにか「幸福な思い出」になっている。
十分分かっているんだけれどもなにぶん毎日のことなので、大切にしすぎても続かない。バランスが大事だ、がんばれがんばれと自分に言いたいときに、また読めるといい。
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愛と味覚のアンソロジーなんて可愛いものじゃなかった。食べることは、人生と切っても切り離せないもので、情は食事によって増す。遠くで生きている人たちに触れた気がする。同じものを見るのも、同じものを食べるのも、大切なことだ。
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「食習慣」について、いろんな視点からいろんな作家さんが語っている。
お祝いに、悲しい時の気分転換に、過去を思い出すきっかけに、日々の中の特別を作るために、はたまた、大切な人と同じものを食べる大切さに。
それぞれの短編で、食について考えに考えている。
毎日3回も食事をしている割に、自分は食事のことなんてそこまで考えてないんだな、と認識して不思議な気分になった。
舞台も世界中様々で、地域での食文化の違いもあって面白かった。けれど、(私の読解力の問題も大きいが)短編の中に国がいろいろ出てきて、ごちゃごちゃになりやすいのが残念かなと思った。
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食べ物・・・特別の日に一流レストランで取る食事じゃなくて、いつか自分の血や骨や肉になるような食事・・・を読み込んだ女性作家4人によるアンソロジー。
そういう食べ物は、人生の大きな、でも、静かな変化とあいものなのかも。あんパンと牛乳があいもののように。
ずっとこだわってきたことが氷解したり、ここが踏ん張りどころともう一度自分に言い聞かせたり、距離を置いてきた人の知らなかった一面に思い至ったり。
舞台がヨーロッパの田舎で、どこか「お話」めいてる感じが心地いい。
これが、「ごはんと漬物とお味噌と」で同じテーマだったら、ちょっと生々しくて、違う感じ方をしそう。
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普段あまり読まない女性作家による、料理短編集。ずいぶん前に村上龍の料理短編集を読んだことがあるが、男目線と女目線で随分と印象は変わる。前者は主に男女のセックスにつながる行為としての食事になりがちだったが、後者はもっと、生きるために欠かせない、切実なものとしての食事を描こうとしているようだ。また主にヨーロッパの、しかも田舎を舞台にした小説でその土地に染みついた味や匂いを感じさせる、とても人間くさい話になる。薄い本だが、食べるという行為をもっと考えた方がいいと思わせる重みがあった。
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角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織の四人の直木賞作家が書いた作品集。
どのストーリーも家族、田舎、料理がテーマになっていたように思う。
角田氏の「神さまの庭」は母の病気や死の頃の父や親族の態度や様子が原因で家族や親戚と距離を置くようになった主人公がNGの料理スタッフ等を経て、家族と和解していく物語。
井上氏の「理由」は娘と同じくらいのアリダと結婚したカルロは植物状態。ダビデと一夜過ごすが、やはりカルロとの暮らしを選ぶ。
森氏の「ブレノワール」はブルターニュが嫌で距離をおいたジャンが結局ブルターニュ人らしくなり、ブルターニュの女性と結婚し、店を持ち、黒麦畑で母達の痕跡と再会し、和解するストーリー。
江國氏の「アレンテージョ」はマヌエルとルイシュのゲイカップルの3泊4日の田舎への小旅行の話。
「神さまの庭」と「ブレノワール」が面白かった。「神さまの庭」はすごく感動した。