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ジブリ制作の映画のノベライズとのことです。
概ねの話は同じですが、部分的に異なる箇所もあるとのこと。
サラッと読めますが、映画は11/23公開とのことですので、
もしかしたらそちらを見てからの方がいいのかな、とも。
元ネタは日本における物語の祖とある『竹取物語』ですが、
こちらではかぐや姫の心奥に深めにわけ入ってみた、との感じでしょうか。
で、かぐやが月で犯した“罪”とは、結局何だったのかな、
いまいちもやっとしていて伝わってきませんでした、残念。
ん、原典の方をあたってみようかなぁ、、となんとなく。
まさか『宇宙皇子』のような設定ではないとは思いますが。。
ちなみに『竹取物語』の成立年代は9-10世紀ころ推定とのことですが、
この時代にこういう物語を書けたってのは凄いなと思います、いろいろな意味で。
個人的には、本書では、終盤の富士山の由来にもなった、
「不死の薬」の由来がカットされてしまっているのが残念でした。
このエピソードは古事記ともリンクして興味深かいのですが、、
もしかしたら映画ではあるのかな、とか思ってみたり。
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本ではなく劇場版映画の感想です。
「ジブリ」久々の快挙です。
最近のジブリの作品は「風立ちぬ」を始めとしてイマイチでしたが、これは映像、音楽、ストーリー共に良くできていました。難を言えばエンディングに違和感がありましたが、全体としてみれば★5つです!
物語は「竹取物語」に沿っているが、高畑流の解釈が散りばめてある。
前半の山里の自然の中での貧しくても生き生きとした生活を丁寧に描く事により、後半での都での形式に囚われた殺伐とした生活の中で、失ったものの大きさが分かり、「生きるってなんだろう」ということを、真摯に問いかけています。
最後の方は涙・涙でした。
また、映像にこだわり抜いていて、墨絵の大胆な筆使いと墨の掠れた感じに水彩画を掛けあわせたような作画で、かなりの色塗りのない余白を残し、それがまた新鮮な感じを与えています。かぐや姫が激情に駆られて都大路を疾走する場面は圧巻です。
そんな映像を活かす久石譲の音楽。
ヒロインの朝倉あきは素敵な声で、翁の故・地井武男、媼の宮本信子も見事。
ただ高畑監督は我々をファンタジーの世界に浸ることを許さない。
後半再会した幼なじみの捨丸には妻子がいるという皮肉、月からの使者もそれまでのわらべ歌を壊すような賑やかな音楽に乗って現れ、そして月の羽衣を着ると過去の記憶が消えるという残酷さ。
かぐや姫がどんな罪を犯したのかは、最後まで解き明かされないで、観る側に委ねられる。
私にとっての高畑勲の作品は、「火垂るの墓」のように生理的に受け付けないイメージが強かったが、彼も歳と共に枯れたのか?その分、素直に見ることが出来た。
これまで、高畑勲は作品も少なくジブリの中では宮崎駿の陰に隠れている事が多かっただけに、この作品で面目躍如という感じです。
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映画の備忘録にお邪魔しますねー。
十二単をバッサバッサ脱ぎ捨てながら大路を駆け荒野を駆けるという驚愕の予告に心奪われ離れられなかった。
鑑賞後、
・罪が地上に憧れたことなら罰が地上に送り込まれたこととは矛盾しているのではないか?
・ストーリーラインはおおむね同じではないのか?
ともやもやするものが残ったが。
数日置いてみればふたつとも解決している。
・いったん憧れの生活をさせておいて都の鳥籠に送り込まれた(月の者の差し金で)のだから、えぐい話。
・捨丸=男の存在や、帝が原作とは異なりただの嫌悪の対象でしかないことなど、絶妙な改変が効いている。
合わせて、
・日本最古の物語を現代人の心情に合わせて解釈。
・「命を吹き込む」にまさにふさわしい映像表現。(アニメ/アニマ/アニミズム)
・罪と罰は表裏一体で、生きていることこそが喜びと苦しみをもたらす。
世界はあるだけでこんなに豊かだ。(生きている実感を持てれば……なんて現代的なセリフも。)
など、ぎりぎりのラインを突いた、大変なスケールの作品。驚嘆するしかない。
しかし、この作品にせよ「風立ちぬ」にせよ、そんなに生きろ生きろ言われなければいけないほど、現代人はニューロティックか?
むしろ生きろ生きろと脅迫的に言われるからこそニューロティックになってしまうのでは?
という感想ももった。これは別の話だが。
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(No.13-56) 本ではなく映画のレビューです。映画館で鑑賞。映画のことだけではなく原作の「竹取物語」についても書きます。
絵が素晴らしかった。最近のやたらはっきりした色使いのアニメと全く違い、淡く優しいタッチで水彩画のようです。風景はそのまま一幅の絵にして飾っておきたいくらいでした。音楽も心に染み入ってくるようで、この映画を見れて良かった~と幸せに感じました。
かぐや姫の誕生シーン。これはちょっと原作と変えてると思う。見たときにはかなり違和感があったのですが、姫が月に帰るラストシーンで、ああこれで監督が思い描いているこの世界のイメージがつながるんだと納得しました。
丸ごと創作して付け加えているのが、姫が育っていく過程で木地師の一家と交流。
このことで原作にはなかった、かぐや姫にとっての「もしかしたらありえたかもしれない幸せ」を、切なく描くことが出来ました。
でもこの地にとどまって幸せになったら、それはもう「かぐや姫の物語」じゃなくなりますからね。やはり姫は月の世界に帰っていかなくてはなりません。
この映画を見て、原作がとても読みたくなりました。
自分では「竹取物語」は知ってると思ってましたが、元々のものを読んだかどうかはっきりしなかったので。
選んだのは小学館の「新編 日本古典文学全集 12」に収録されている「竹取物語」です。
原文は流し読みで、ちゃんと読んだのは翻訳文と解説。
映画を見た後だったせいか、解説も含めすごく面白かった!
成立の年代は諸説あるけど、平安時代の始め頃らしい。「昔の話なんですよ」と語りだし、途中で壬申の乱で名前を知られている人を出してるので、絵を見ながらお話を聞いている平安時代のお姫様は、時代背景を思い浮かべることが出来たことでしょう。
ファンタジーなんだけど世界をリアルに感じさせる、今でも使われている手法。すごいわ!
名前が出た人の子孫はすでに絶えたり権力の座から落ちてたり、と問題にならない人を選んでることにも驚き。気を使ってるのね。
いろいろな箇所で「3」という数が繰り返し出てくるのも興味深かったです。3でなければ5。
「更級日記」で、やはり3などの数にとてもこだわった表現が何度もあったのを思い出しました。
私はあまりぴんと来ないのですが、当時の人だったらなぜそうなのかしっくり分かったのだろうなと思います。
映画を見て感動し、原作も楽しめたし良かったです。
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かぐや姫は小さい頃に絵本でしか読んだことがなかったので、 なぜ地球に来たのか、なぜ月に帰らなくてはならなかったのか、 細かいところまで知ることができてよかったです。 高い位でいることよりも、野や山で走り回ることを望んだかぐや姫でしたが、結局捨丸との恋も叶わず、とても悲しかったです。 映画も見に行きたいです。
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『平成25年 10月 25日 初版 発行』版、読了。
ジブリ映画の同名作品のノベライズ版です。ちなみにその映画は未見でこの本を読了しました。
内容的には、遠い昔に何かしらの媒体で見聞きした「かぐや姫」あるいは「竹取物語」と大差ありませんでした。
しいて違いを上げるとするなら、この映画の予告編に含まれていた「あの服装で全力で走る」や「桜の木の下をバッサバッサと髪を振り乱して周り転げる」といった独自描写ぐらいが印象に残ったくらいでしょうか。あと捨丸www
映画のキャッチコピーでもある「姫の犯した罪と罰」というのが、独自の新解釈にもとづいたものだったのかは、このノベライズ版を読む限りではかりかねるところ。
個人的には終盤でからんでくる「天女の羽衣」のあたりは、驚きました。確かに違和感はそんなに感じませんでした。
このノベライズ版を読む限りでは、翁と姫の「幸せの解釈の違い」や「姫の存在(あるいは言動)による影響で(結果的に発生した)誰かに対する災い」という意味では、確かに「姫の犯した罪と罰」なんて解釈もできますが…いや、そういうのは誰にでも、そしてどこにでも人間社会ならあるだろー……なんて、思ったり。
まあ、最終的な結論は映画見てからだろうな、うん。
また、登場人物の中ではダントツ媼には頭が上がりませんww 慈愛と母性に満ちてるのに、ひたむきで素朴な人だなあ…と。翁はホント幸せ者だよなあ…なんて、つくづく思いましたwwww
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かぐや姫の捨丸くんを思う気持ちがずっと続いているのが切ないし、綺麗だった。姫の犯した罪っていうのが、恋に落ちて逃げようとしたことなのかな?その辺りがなんか薄い。。。映画で観たい!!
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2013.12.15 @吉祥寺
「かぐや姫の物語」の感想です。
映像。筆で描いたような線が日本画のようで大変美しいのだが、きちんと立体的な奥行きが
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『竹取物語』を忠実に美しいアニメとして表現したなぁーというのが感想です。
高畑勲監督の丁寧、かつ、忠実な作品の仕上げ方に感動すると同時に、美しいものを美しく表現(再現)することの難しさも感じた作品でもありました。
印象に残ったのは、かぐや姫が山村での生活を離れて、金銭的には不自由のない裕福な都生活を送りながらも心は満たされず、「生きている証を感じ続けたい」と呟いたシーン。
何のために生きているのか?
誰のために生きているのか?
誰に生かされているのか?
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悩みも苦しみもない月の世界、そこには本当に幸福はあるのだろうか?
現代に甦ったこの新しい竹取物語は、単に昔話という範疇を越えて、現在に生きる私たちに幸せとは何か?という命題を問いかけている。
山奥で貧しい庶民とともに幼少時を過ごし、成長してからは都で貴族として生活する。
人間界でのこの二つを対比することによって、生きることの苦しみや欲望に翻弄される空しさを、姫は見る。
その一方で天上界と下界である人間世界をさらに比べることによって、その穢れていると見えし下界でも美しく清らかなものを、小説の中で浮かび上がらせている。
この二重構造がこの新しい物語に深みと奥行を与えており、姫の気持ちを通じて現代に生きる自分達を取り巻く問題が見えるようになっている。
ただの昔話ではない、この新訳竹取物語、現在公開中の映画とあわせて観るとより面白さが増すだろう。
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2013.12.26読了。
今年51冊目。
映画を観る前に小説を。
竹取物語を小説にしたこのお話には竹取物語にはなかったかぐや姫の気持ちが描かれている。
慎ましい暮らしから本当の姫になったヒメのお金のある裕福な暮らし。
そして月の世界の感情のない静寂の世界と美しいものも醜いものもごちゃまぜの人間界。
対比が二つあったけれど、貧しくても愛があり、自分らしく、ありのままに生きることが幸せなのだと。
春には桜や生命の息吹を、夏の緑の匂いや暑さを、秋は紅葉を、冬には雪景色を、そして人の温もりを、そんな風にたくさんのことを感じながら、大切にしながら生きるほうが何倍も価値がある。
人間の持つ感情には醜い部分もあるけれど、それをひっくるめて愛おしく感じられた。
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うーん、竹取物語ってこんな話だったっけにゃ~
あまりに昔のことで、良く思い出せないにゃん。
やっぱりこれは、罪なのきゃにゃん?
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スタジオジブリ最新作のノベライズ。
観に行く時間がなかったので、ひとまず小説で。
今こうして改めてかぐや姫のお話を読むのもなかなか良いなと感じられました。
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映画の原作。
読んでから観れば良かったなあ。
かぐや姫の「罪」と「罰」、それに天界の女性の正体がわかってすっきりした。
従来のたけとり物語のナンセンスな部分に意味を持たせて
現代の女性として描き出したのはすばらしいと思う。
今まで語り継がれてる、振り回しっぱなしのかぐや姫も大好きですけどね。
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映画見ました。
竹取物語の筋に余計な変更を加えていないところが良い。
子供時代の「たけのこ」が天真爛漫で愛らしく、いつの間にか物語に引き込まれていく。
本当は、鳥、虫、けもの、草、木、花に囲まれた暮らしを営みたかったのに。突然の都への生活は意に反するもので、帝の求愛ににより、自ら月からの使者を呼んでしまう。本当は、地球で生きたかったのに。
あまりアニメでは見られない、独特の画風。きっと、おそろしく手が込んでいるのだろう。それが、竹取物語という純和風な世界の描写に活きている。