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読みやすい文章
ことさらに感情を掻き立てるようなことは書いてなく
事実を連ねている
けれど事実を事実のまま見て伝えるということがどれだけ難しいか
文章は人なのだなあ、とつくづく思う
本文中にもし自分たちが死ぬことがあってもそれは他の誰かにいかされていくものではならないという内容があり
その覚悟に足がすくんでしまう
「人の営みが人と自然、人と人の和解のためにあることがまっとうな文明」
大切な言葉
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米軍アフガン撤退を機に積んであった本
をよんで見た。クリスチャンで医者である中村先生のアフガンへの愛を用水路旁を通して描いている。アフガニスタンは大干ばつに見舞われ地球の気候変動が原因だと言っている。アフガンのことは外国軍ではなくアフガン人によってだけしか解決できない。最終章の「日本の人々へ」は日本人への遺言になってしまった。
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本当に中村哲さんという方の人生の生き方の素晴らしさを感じた。私にはなぜ、死ぬかもしれない場所に自ら身を捧げられるのかわからなかった。
しかし、この本を読んで、なぜそこまでして身を捧げられたのか分かった。本当にオススメの本です。この人の人生の生き方を他の日本人いや世界に住む人々が真似していけば、日本という国が変わるのではと思いました。
人は自然の一部であるということを身を持って証明され、天(自然・神様)共に在りというタイトルをつけられたことが最後にわかりました。
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#世界一受けたい授業 で故・#中村哲 さんの特集を見て読了。
どうして医師としてアフガニスタンに渡ったのか、その人がなぜ用水路建設に取り組んだのかに興味を持っていたが、そこはびっくりするぐらいサラッと書いてある。そういう流れ、必然だったから、と。もうその心境が信じられないぐらいにすごい。
今の日本を憂うメッセージも胸に刺さる。「些末な言動をあげつらい、多勢を頼んで石を投げる迎合的な世情」「経済力さえつけば被災者(東日本大震災の話)が救われ、それを守るために国是たる平和の理想も見直すのだという」
今の自分の悩みが情けなくなる、本当に大事なことは何だろうかと考え直させる生き様だと思います。
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生まれてはじめて、本を読みながら著者の情熱に涙が出た。日本とは全く異なる国で、清濁併せ呑みつつ現地に入り込んで、情熱、知恵、胆力をの限りを尽くした。内戦や介入はまたまた国際援助団体とも距離を置き、それらと気候変動に運命を翻弄される最も弱い人々のために行動した。なぜこのような人の言葉に生きているうちに触れなかったのか、それだけが後悔である。
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人を幸せにできるのは経済発展や武力ではない。
天、自然と共に生きる、、、シンプルだけれど今の世界でこれほど難しいことはない。
中村哲さんの死を改めて悼みます。
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何十万人もの命を救うのは国策だけではなく、草の根活動でもできるのだということを克明に記している。詳細は語られていないものの、ペシャワール会の方々の労苦、地元の人々を組織化していく上での困難や、運の悪さに絶望したことも多かっただろう事は想像に難くない。映像に残る中村医師の訥訥とした語り口からはちょっと想像しがたい信念の強さを感じる貴重な自伝である。
中村医師が全く信頼していない、どちらかと言うと嫌ってすらいるようなestablishmentの世界に身をおきながら世のため人のために働こうと考えている者としては、強烈なアンチテーゼを突きつけられる一冊であった。
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30年以上にわたって国民栄誉賞、いやノーベル平和賞にも値するような活動を続けてきた一人の医師の記録。政治的な発言は抑えていると感じるが、現地を知らない超大国アメリカと無批判に追随する日本、さらには一部NGOや「海外医療協力」への怒りは随所に現れる。
かつては豊かな農業国だったアフガニスタンを襲う洪水や旱魃。泥沼のような内戦が続き、絶望的な状況の中「緊急のアフガン問題は、政治や軍事問題ではない。パンと水の問題である」(p95)、「もう病気治療どころではない」(p86)と語る筆者。数多の井戸を掘り、時には自ら重機を操って水路を拓く。途中からはまるで河川土木工学の本のようだ。
中村さんが凶弾に倒れてまもなく半年。「天、共に在り」というタイトルは「私たちが己の分限を知り、誠実である限り、天の恵みと人のまごころは信頼に足る」(p5)というキリスト者の信念によるのだろう。私たちは本当に大きな存在を失ったとしみじみ思う。
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パキスタン、アフガンに医師として赴任し、そこから人道支援として大用水路の建設を指揮した中村哲医師の足跡が語られている。内容は当然のことながら、厳かな筆致は一介の医師とはとても思えず、そこらの作家と比較するのも憚られるほど。
自然を敬い、畏れ、そして共生する。平和のために非暴力を貫く。他国の介入著しい情勢不安な紛争地域でその信念を貫くことがいかに困難か、想像を絶する。
非暴力を説く場面では中村医師が襲撃・殺害されたニュースの記憶が思い出された。中村医師は最後の瞬間にも信念を貫き、死を受け入れたのだろうか。暴力ではなにも変わらないことを体現するために。
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同じ日本人が異国の地で旱魃、紛争の中、医師とし感染症、ハンセン病として従事し、医師としての名声にこだわることなく、井戸を掘り、更に用水路を通し、砂漠を穀倉地帯に変え流民、難民を国土に戻す活動を行う。30年間に及ぶ活動をまとめ上げた一冊。ノーベル平和賞にも値すると感じる。偏った事実だけで判断してはいけない。理念とは現実に日々努力し信頼を積み重ねて浸透していくものである。一気読みした後清々しい気持ちになるノンフィクション。
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アフガニスタンで中村さんが何をやったのかみたいので読んでみたい。
アフガニスタンの人々の生活を守る生き方に感銘を受けた。
こんな偉大な人が亡くなったのは残念・・・
自分もなにか出来ないか考えてみる。
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人間として地球に暮らす中、衣食住が確保され美味しい水に囲まれた地域社会で生きる人間が存在している一方、旱魃、洪水、そして劣悪な治安といった自然・人為的要因による過酷な地域社会で生きる人間も存在している。
そういった存在を知ることもなければ悩むことなしに生きるのみだが、もし、その存在を知ってしまったら、まともな人間は、考え悩まずにいられず何とかしてあげたい気持ちになるはずである。
その気持ちを”自分の心の中だけで”ひたすら思うだけではなく殻を破って行動に移すことができる人が非常に少ないところが人間の特徴であって、情けないところでもある。
中村さんはその殻を破って行動に移した!
本当に勇敢で、本書はいろいろ考えさせられる機会を与えてくれる一冊であった。
美しい水と森は人を豊かにする....。
逝去されたことが本当に残念で仕方ないです。
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中村哲医師が、具体的にどんな事を為し、何を伝えたかったのかを知りたくて読んだ。
序章から、彼の活動の場であったアフガニスタンが、如何に我々の常識とは別のルールの上に立っているかを突きつけられる。読み進めるうち、日本で伝えられていた情報を受けた当時の自分の認識がその都度甦り、驚いた…強い関心を寄せていたつもりはなかったのだが、自身の感覚を振り返る契機になった。感情的な表現が少なく、淡々と書かれている分、迫る心情が伺える。人によって受けるものは違ってくるだろうが、大きなものを伝えてくれる1冊だった。
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中村哲さんがお亡くなりになった際に様々な報道がされ、どのような想いでアフガニスタンで長く活動をされることになったのか興味を持ちました。
私自身、世界同時多発テロやタリバンの記憶がかなり薄くなっていた。アフガニスタン戦争も聞いたことがあったが、地理的な場所もどんな国なのかも理解していなかった。
元々は国民の9割程度が農業に従事する国民が戦争などにより、砂漠化が進み、仕事がなくなってしまった人たちに、大規模な灌漑用水を作ることで、アフガニスタンの多くの人たちが再び農業に戻ることができた。
本の中で紹介されている水路ができた頃と3年程のちと比較した写真は、驚くほどの変わり様。異国の地で歴史に残ることを続けた日本人素晴らしいです。
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人として何を大切にすべきか考えさせられる良書。この本に出会えたことに感謝。
以下、心に響く2文。
『平等や権利を主張することは悪いことではない。しかし、それ以前に存在する「人としての倫理」の普遍性を信じる。そこには善悪を超える神聖な何かがある。』
『「信頼」は一朝にして築かれるものではない。利害を超え、忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人々の心に触れる。』