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1983年、とある日本人医師が、パキスタンの医療が不足した地域に赴任したが、現地での栄養失調や飢餓のとてつもない厳しさに直面し、
「医療より前に農業の安定、農業の安定のためにはまずは水が必要だ!」
と考え、ビックリするような規模の灌漑計画を作り、資金を集め、自ら率先し、時にはユンボやブルドーザを自ら操り、地元の人たちもたくさん巻き込み、その計画を実行に移した。
現地での紛争等々から計画の実施場所は隣国アフガニスタン国内となり、何年もの活動を経て、その日本人医師と仲間たちは、少しずつアフガンの地に緑を戻していった。
(「少し」ではないかも。写真のBofe/Afterを見ると、ほんとビックリしますよね! これも何ヵ所かのうちの一か所です!!)
2019年、活動中に中村哲医師は凶弾に伏したが、彼の遺志を継ぐ活動はいまも続いているらしい。
先週ひょんなことから中村哲医師の話になり、詳しく活動のことを知りたくなり著書『天、共に在り』を読んでみたところ、やっぱりすごい人ですね!
とても真似できることではないですが、敬意を表してペシャワール会に入会させて頂こうかなと思います♪
❏ぺシャワール会
http://www.peshawar-pms.com/index.html
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日本から遠くアフガニスタンで医師でありながら農地を広げる為時に重機を操り河川を開拓する。たんたんと河川工事について構造や対応策が語られる。もっと英雄譚があるかと思いきや協力者やそこに住む人たちに焦点をあてて共にあったことが書かれている。確かに中村医師はそこにいた。しかし医師としてだけでなく人として人を救う信念を持つ。それが多くの人に伝わり偉業をなしとげた。そんな感じがした。
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政府主導の海外協力なんてかすんでしまう。中村哲医師の人生を捧げたアフガンでの活動に頭が下がります。医師というよりも早く建築家設計士あるいは現場監督のような存在。無謀と思われた砂漠に水が導かれ周囲が緑に覆われている写真に感無量です。こういう活動こそが国際平和の力になると信じたい。
不幸な形での死が本当に惜しまれます。
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【動機】著者の本が読みたくて
著者の人柄が偲ばれる。現地での大変だったことの仔細は言葉少なだが、どれほどの苦難を乗り越えてきたのだろうと思う。中村さんを含め、現地で亡くなられた方のことを思うと悲しく悔しい。
本書を通して一本の芯が通った信念をしっかりと感じ、中村哲さんのようにありたいと思う。
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いま出来ることを精一杯やる。その積み重ねで大きな貢献が出来上がる。実例として改めて教えてくれる。
アフガニスタンで医療と灌漑をやるという難題だらけのテーマだからこそ、本当はものすごい苦労をしているはずで、それらを一つ一つ切り抜けた創意工夫が山ほどあるはず。一冊の本ではそれを表現しきれなかったんだろうと思う。
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■ まさに偉業!
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アフガニスタンでの活動がどういったもので、偉業を成し遂げた物語に純粋に感動した。
■ なぜそうなるに至ったのか?
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中村哲という方が、何故そこまで情熱を燃やし活動するに至ったのか?それは、ふとしたきっかけで現地の人々の苦しみに触れたからだと思う。
本当の意味で人を動かすのは、何かを達成するために行動をしようという打算的なものではなく、
そうせざるを得ない、感情の起伏や衝撃を元にしたモチベーションなのだと思った。
■ まず行動ありき
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現場に行き、行動をおこなさいと見えてこない情報や理屈がある。
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2021年「天、共に在り」読了。中村哲さんが、なぜ世界から賞賛されていたのかを学ぶために読んだ一冊。中村さんがアフガニスタンの人々にどれだけ寄り添っていたかがとてもよくわかった。物事にはさまざまな側面があり、見る方向によって正しさは変化する。特に国際問題にはその傾向が強く感じられる。OOが正しい、OOは間違っているだけでは語れないことが、世界にはたくさんあることを再認識できた。また、争いが起きるときには必ず誰かがお腹を空かせている気がする。食料と水、これが満たされれば、もっと世界は平和になるのではないだろうかと考えさせられた。
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まずは、中村哲さん、素晴らしい方です。
最近、何かと話題になるアフガニスタン。当然中村哲さんの話も出、では一冊読んでみようとこちら手に取りました。
ところどころに写真挿入があり、何もない砂漠が緑化していく様は目を見張るものがあります。また、アフガニスタンの風習や、人柄にも言及。用水路建設では現地での人間関係や根回し、関係機関や日本サイドのやり取り等、想像を超える苦労があったことが伺えます。
用水路建設の詳しい説明は、こちらの知識がなく、難解な部分が多少ありました。
単なるお金の援助や型だけのものより、現地の人と手を取り合い、共に成長していくことこそが本当の意味での人道支援のあり方だと。
また、いかに日本の報道がアメリカよりなのか。ワールドトレードセンターが崩壊したとき、悲惨な状況に自分自身洗脳されていた気がします。でもアフガニスタンの多くの人は私達と同じ日常があり、普通の生活を送っています。その人たちのことも忘れてはなりません。各個人がしっかり情報収集をし、真実を自分で見極めて、判断することが大切です。
これは教科書に採用されて、全国民に読んでほしい本の一つです。
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中村哲さんは現代の偉人だ。
人間と自然に対する絶望を一心に引き受けながら、
人間と自然を裏切らず信頼し続けた人。
アフガニスタンの医療支援する医師でありながら、広大な砂漠地帯に、農業用水路や堰などを建設するなど、途方もなく壮大な人生だ。
氏はそれを英雄気取りせず、淡々と事実だけを書き記されている。
9.11すら日常の一コマのように思えた。
アフガニスタンでの飢えや貧困は、アフガン戦争、テロ報復戦争による被害だけでなく、地球温暖化による旱魃被害が大きな要因であるとはなんとも無慈悲だ。
「己の分限を知り、誠実である限り、天の恵みと人のまごころは信頼に足る」
なぜここまで自分を捧げることが出来たのか?と思うけれど、氏のこの言葉が全てを物語っている。
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縁がつながって井戸を掘ったり用水路を作ったり。医療以前に水とそこで暮らせる基盤作りが大切。誰かのために何かを成し遂げる。
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現代社会において日本人が失いつつある「良識」ある行動や考え方が随所に見られます。
『「王様は裸だ」と叫んだ者は、見栄や先入観、利害関係から自由な子供であった。それを次世代に期待する。』と中村医師は述べられた。やがて人々が大切なものを失うのではないかと警鐘を鳴らす。
彼の死は残念でならないが、彼の精神や良識ある行動が我々に伝えるメッセージをしかと受け止め、大切にしたい。
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私たちがテレビを通してみるものとは違う現実がここにはある。人として仕事をするうえで大切な本質に気付かされる。
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本当にすごい人すぎる。心から尊敬、中村哲先生。
日本からでは、現地の声や状況はわからない。
マスコミの報道は偏っているんだなと改めて感じる。
綺麗な水が、いかに大切か。医療よりもさきにやることがあるからと、
医者であるのに自ら井戸掘りに用水路をひくことに率先して行動。
その様子を淡々と綴られているのだけど、並大抵のことではない。
これらの事業に人生を捧げた中村哲先生だけど、ご家族はどんな気持ちだったのかと心配になる。
中村先生みたいには生きられないけど、自分のできる範囲でアフガニスタンを支援したいと思った。
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現在のアフガニスタンで起きている飢餓や人権侵害問題についてのテレビ報道を見て、いてもたってもいられなくなって読んだ。
環境的要因の視点は知らなかったので、新たな発見だった。
そこに追い打ちをかけるように、国際社会が貿易を停止したことで市民が生命の危機に陥っている。
他人事じゃないと思った。
行動した人の文章は、説得力が格段に違う。
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今まで中村さんの本を地道に読んできたけど、この本は中村さんの軌跡が知れるから、中村哲さんという人が知りたいなら、この本がベストチョイスだと思う。
それで、もっと中村さんのことが知りたくなったらほかの本も読んでみる みたいなチョイスはありかもしれません。
最後のほうのページにある、過去と現在の対比写真がすごかった。過去にそこが砂漠だったことなんて分からない、完全な緑の大地になっていて、感動した。
今までいろんな中村さんの本を読んできて、実際に中村さんがなさってきたことを文字とモノクロ写真だけでは知っていたけど、カラーで見ると感動が全然違う。
過去には何人もの人間が死に絶えた砂漠を、緑の大地にしてしまう力。
ほんとすごいな。ただただ感嘆の声が漏れる。
元々は医師として派遣され、現地でハンセン病をはじめとする感染症の治療を始めて、団体を立ち上げて、無医地区に病院を作り、井戸を掘り、用水路を造る…。
中村さんの本を読めば、流れとしてそうなっていくのは理解できるけど、実際にその場にいたときに、咄嗟に「無医地区に病院を作る」だとか「井戸を掘る」だとか、そういう判断ができるのがすごいなと思う。
にしても、戦争って、いわゆる先進国って、ほんとに勝手だよなあ。
誰のせいでアフガニスタンがこんな目に遭わないといけないんだろう。
捏造と錯覚で成り立つ世界。これを読んだわたしですら、生きるのがつらくなってしまうのに、中村さんはずっとどんな気持ちで頑張ってこれたんだろう。
けど、日本よりずっと人間らしいアフガニスタンにいるほうが、もしかしたら心地よく過ごせていたんじゃないかな。
中村さんの生きることに対する姿勢に、ちょっとでも近づいていきたい。
だから、生き物はすべて等しい命だと思っているわたしは、人間の勝手で辛い目に遭ってしまう動物たちのために活動している団体に毎月募金と物資を送ることにした。
すべての生命が等しく幸せになってほしい。
最終章はわたしたちに向けたメッセージ。心に刻みます。金と経済発展がイコール幸せではない。人間に必要なものは、そう多くない。