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片づけできない人は、心を病んでいる。
また、自分の凝り固まった価値観が、物のためこみを助長している。
人の心に触れていく物語の展開は、とても興味深く、次が読みたくて仕方なくなるワクワク感でいっぱいでした。
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短編集4編。
3編は片付けられる方、最後の1編は片付ける側の視点で書かれている。どちらにしても、十麻里さんの掃除をしたいパワーが溢れていて、私も読みながら思い切って服などを捨てた。しばらく整理したい気持ちが続きそうだ。そして何よりいいのは、部屋がきれいになるだけでなく、心もメンテナンスされることだ。
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------本文冒頭
下北沢の駅の改札を出ると、永沢春花は自宅マンションへ向かって歩いた。
子供の頃から片付けが苦手だ。
掃除などは大嫌いだ。
部屋がどんなに汚れてきても、明日やればいいさ、とすぐに諦める。
「明日できることを無理して今日やることはない!!」という信条で生きてきたからだ。
傍から見れば気になって仕方がないらしいのだが。
学生時代、お袋が上京してきたときなどは、部屋の汚さに我慢できないらしく、勝手に掃除をしてくれる。
だから、片付けが苦手だからと言って、自分が困った記憶は殆どない。
考えてみれば、人生の片付けをするのも苦手だ。
過去の思い出にいつまでもしがみついている性格なのだ。
「あの頃はよかったなあ」などと昔の余韻にいつも浸っている。
「10数年前の今日はあんなことがあったな」などと、毎年毎年その情景をこと細かに思い出す。
でも、それが結構楽しいのだ。
別に将来に希望が全くないわけではないけれど、若かりし頃のほうが楽しいことがたくさんあったのは事実だから。
太陽の陽射しをたっぷり浴びながら、公園などに寝ころんで昔の思い出に耽っている。
好きだったあの子は今頃どうしてるかな? などと想像する。
こんな幸せな時間はないのだ。
過去の思い出に縛られる?
冗談じゃない。
過去の思い出がなくなったら、私などは生きている楽しみがなくなる。
おそらく、死ぬまで、自分の人生を片付けることなく、生きていくだろう。
だからといって、この小説を否定するわけではない。
この作品はなかなか面白い。
まず、文体がユニークだ。
ペーソスとユーモアに満ち溢れ、軽妙洒脱な楽しい文章である。
物を捨てるということと人生を片付けるということをシンクロさせる発想も新鮮だ。
ところどころ、ほろりとさせられる部分もある。
四人の主人公が、それぞれ苦い思い出や断ち切れない思いを引きずっている人生を、大庭十萬莉という片付けおばさんが見事に整理整頓し取り払い、彼女たちを立て直す。
そこには得も言われぬ爽やかな読後感がある。
思い出を捨てられない、人生を簡単に片付けられない私でも、いつの日か否応なく、それを求められる日が来るのだろう。
その時は、素直に従うべきなのかもしれない。
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片付け屋の大庭十萬里が部屋の片付けだけじゃなく人生の片付けもしてくれる。
うちの中も心も片付けられない家に行って、静かにすっきり片付けてしまう。
気持ちが良くて一気に読んでしまった。
最近姑と父が相次いで亡くなった。
思い出の品は持ち主がいなくなった途端ゴミになってしまう。使わない着物も食器も。
私も掃除がしたくなった。私がいなくなった後残された人が困らないように。
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片づけられない人の部屋と心を片づけ屋のおばさんがきれいにしてくれる、4つの短編集。
どのケースも、自らが片づけ屋を呼んだのではなく、見かねた家族からの依頼。
だから最初は「片づけなんて必要ない」と思うのだけど、片づけ屋とのやり取りで自分の生き方を見直し、ある「気付き」にたどり着く。
その過程で、家も心も整理されていく…
どのお話も、小説だから都合よくできてるなと思うところはあるけど、色んな事が整っていく様子は読んでいてとても気持ちいい。
特にケース3の資産家女性の話は、今後日本でものすごく増えていくモデルではないかと思う。
社会問題に鋭く、でも優しく切り込む垣谷さんの小説が大好きです。
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片付けを通して人生を解決していくお話。心が片付いてないとそれが生活の場にも現れる。私も部屋を片付けようかな。片付けると心も片付きます、そんな物語
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読みやすかった。
資産家の老婦人の話は身につまされた。
夫の実家がこんな感じ。資産家じゃないけれど。
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垣内美雨作品初読み。
片付けられない人たちを片付けられるように指導していく主人公。
片付けが出来る出来ないは心の問題だから物理的片付ける方法を指導するだけでなく、心理的にも自立を促さないとだめなんだなあ。
最後のストーリーは身の回りに同じような状況の人間が居るので傍観者として見るだけではあるが納得してしまった。
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タイトルで即予約。
図書館にて借りました。
短編になっていて、こ〇ま〇さんみたいな方のおば様版が登場します(笑)
◎清算
◎木魚堂
◎豪商の館
◎きれいすぎる部屋
一番解りやすいのは「清算」じゃないかな?
優柔不断なベテランOLのお相手は既婚者。
その彼にちょっかい出すのは新人派遣社員。
いつか君と結婚・・・の約束は何処へやら・・・。
年齢になんか負けじと対抗心を燃やし服や靴やと買い込むが・・・。
正直、私も一時これに近かったことがありました。
その時は実家暮らしで、母親との確執も噛み合ったりで、今となればあんな事もあった・・・なのですが(笑)
当時はずっとこのままなのかな、と強迫観念に駆られたこともありました。
「片付けとはカタをつけること」
私の好きな本に出てきた言葉です。
そう、人生にもカタをきちんと付けて、もっと楽しみましょうよ、そんな作品です。
しかし、あっさりし過ぎ(苦笑)
もうちょっと一本が長めでも良かった。
でも、捨てられない汚部屋者の発想は凄く的確だった(笑)
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一見、ただの“片づけ指導”が仕事の女性。しかし彼女の仕事の本質は、部屋の片づけを通して人生の整理整頓まで実現してしまうことであった。
恋人を奪われたOL、目標を失ってしまった男子高校生、子供や親族が成長して家に来なくなってしまった資産家の女性、中学生の息子を交通事故で亡くした母親……。部屋を片づけることでその人の悩みや人間関係が整頓され、解決すべき人生の問題が明確になっていく様子が気持ちよかった。
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3つのエピソードは、片付けられない人たちの視点で語られ、片づけ屋の大庭十満里が何を考えているのかわからない宇宙人のような存在となっているが、最後のエピソードでは十満里視点で語られ、実は人情味あふれるキャラが全開。
最後のエピソードは心に残る。
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この人の本初めて読みましたが、すごく馴染みやすくてすんなり読めてしまいました。
私も片づけられない的な人間なので、心理的な原因があるのかしら?
とりあえず少し片付けなきゃと思わされた!そしていらないものを捨てよう!...引越しの時にかなり処分したつもりなんだけどなあ
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片付けられない人の、心に寄り添う片付け屋の話。4エピソード。
片付けを通して、それぞれの事情を抱えたクライアントの心を動かしていく。できすぎかもと思わないでもないけど、でもやっぱりちょっといい話たち。
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この作家のは記憶にある限り初めて。結構好きだと思える新しい作家を発見できて嬉しい。収穫。
タイトルがなかなか衝撃的だけど、たしかに〜と思った。本当にこの仕事してくれる人がいるなら、職場の先輩にすすめたいぞ。ま、ここまで人生に関わるのは現実には難しいだろうけど…。
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「いつか使うかも」「まだ使える」って眠ってるもの、うちにどれくらいあるんだろう。
その中で本当に必要なものはどれくらいだろう。
大掃除の時期は外したけど、大規模なお片付けしようかな…