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問いに対して、問いで返す。それが哲学者の答え。まあ、人生(子どもの難問?)って一言で答えられるほど単純ではないし、答えられるような人生だったらつまらないか。分かる答え、共感できる答えもあれば、何が言いたいかよく分からない答えもある。前書きにあるように、手元において何度も読み返す本なのだろう。
以下、引用。
●人生は、未来に背中を向けて、後ずさりしていくことと似ている。未来は見ることができない。背中にぶつかるものが、非難の石つぶてなのか、会場を揺るがす声援なのか、未来に進み、目にすることができたときにやっとわかる。今は見えないものを信じられる者だけが、未来に向かって後ろ向きに進むことができる。見えないものを恐れる者は一歩も未来に進めない。
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学ぶこと、問いかけること、自身を知ることの基本姿勢について学ぶことができる良書であると感じた。子どもには少しむずかしいが、中学生ならば読めるのではないか、むしろ中学生に一読することを勧める。もちろん大人もである。哲学者の意義とはこの忙しすぎる世界を「ゆっくり」にすることであるとあった。「ゆっくり」がいいのか「忙しい」のがいいのかさえも更に深く解のない深みに潜ることがそもそも哲学なのだと感じた。
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タイトルからして、子どもに訊かれたら返答に困ってしまうような質問(子どもはどこからくるの、のような)に対する回答集かと思いきや、子どもの単純に思える質問に哲学者が答えるという内容。
中学受験の進学塾「四谷大塚」の月刊誌で連載された企画の書籍化という本書の経緯を知って、なるほど納得。
読後に残る感想は、「哲学と屁理屈ってどこがちがうんだ?」である。
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企画としては面白いが,回答が薄すぎるかな。「哲学者って何する人なの」という問いに対する戸田山和久の「フライング気味の思考の長距離ランナー」とうのは正鵠を射ている気がする。同じ問いに対して入不二基義は「穴」掘りの比喩で答えていますがこれも良い喩えだと思う。いずれにせよ哲学者は,前に進めという圧力に対して,立ち止まることを求める営みだ。
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おぉ!なるほど!って思える回答もあれば、
???結局よくわからないものもありました。
今度は自分の考えを深めながらじっくり読んでみたいと思います。
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普通にやや速読。
よく他者を知れ、理解しろとか、知らないのにしゃべるなとかそんな論調があるが、在日のおれ本人が知らないことがたくさん。
そんなん「知れ」とか強制できんだろ。
大切なのは、知らないながらでいいから、寛容だと思うが。
赦すというより、こだわらない、か。
在日自体も被害者意識過剰な所はあるけど、いじめられっこがその過去を忘れるのはいいけど、いじめたやつに、「いい加減忘れろよそんなん」とか言われると腹立つのは当然。
人間誰しも差別される言われはないが、俺を差別しなかった人々よ、ありがと。
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この本は、著者「野矢茂樹」さんが四谷大塚の小学生に向けて、『子どもの難問』というテーマで設問し哲学者が分かり易く回答した月刊誌の連載である。・ぼくはいつ大人になるの?・死んだらどうなるの?……など20問、分かり易く、なるほどな、っていう回答もあれば分かりにくいのもあるのは、回答する哲学者が20人以上いるからその個人差によるものであろう。
・過去はどこに行っちゃたの?という問いに、「記憶が過去を再現しているとどうしてわかるのか…(略)…過去はどこにも行かず、今ここにある。」という回答が妙を得ている
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子供向けの哲学書ではない。
心はどこにあるの?勉強しなくちゃいけないの?偉い人ってどんな人?
子どもが考えそうなことについて書いている。
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子どもの難問に哲学の先生達が回答しています。
一問について二人の哲学の先生が回答していく形をとっています。
「ぼくはいつ大人になるの?」「死んだらどうなるの?」「勉強しなくちゃいけないの?」「頭がいいとか悪いとかってどういうこと?」等などについて
我々の多くは前に進むことをと常に強いられている。しかし哲学的な問いというものは我々を立ち止まらせる。たとえば、働いているときに、「働くということとは何か」について考える暇はないのである。そういった点で哲学は、前に進むことから解放されている者、すなわち、子どもにしか出来ない。
しかし、子どもには哲学は出来ない。一つに、問いを形作ること、この問いが一体全体なにを問いかけているのかを明確にすることはまだ、子どもには難しいから。
また、たとえば、「働くということとは何か」を論じようとするとき、働いたことがあり、かつ働くことにのめり込みすぎていないようなフットワークの軽さが求められる。これは子どもにはないだろう(そもそも、「子どもとは何か」)。
哲学は、子どもにしか出来ないのにも関わらず、子どもには出来ない。では誰が行うのか、哲学者である。
哲学者がじっくりと考えて出した答えから見えてくるのは、それぞれの世界観・人生観。
例えば「どうすればほかの人と分かりあえるんだろう?」の問いに対して、戸田山は「分かり合えない相手とどうやって共存していくかを考えよう」と答え、古荘は「自分の人生の分かちあいがたさを互いに慈しもう」と答える。
「どうすればほかの人とわかりあえるんだろう?」という問いに対して、戸田山和久氏は、
わかりあえない相手とわかりあえないままでどうやって共存していこうか。こっちの問題の方こそ考える価値があると思うよ。
「どうすればほかの人とわかりあえるんだろう?」という質問に対しては、キリスト
教とイスラム教の対立を取上げ、「わかりあうことは難しい」や「わかりあうことは
良いことだ」という一般常識から子どもを解放させ、「わかりあえない相手の存在を
認め、わかりあえない相手とどうやって共存していくか?」のほうが大切な問題と回答。
頭の良さは過酷な修行に耐える力であるが、更に問題解決力があることがあげられる。前者は学歴という物差しで測ることが出来る。
「なぜ生きているんだろう?」という問いに対して、入不二基義氏は、
むしろ、「生きている」ことは、別の何らかの目的や理由のためにあるのではなくて、それ自身の「おいしさ」を生きていることによって開発し味わうためにあるのだと思います。「生きている」こと自体を深く経験するため。これが、あえて言えば、「なぜ」に対する私の答えです。
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子どもの哲学的質問に日本の哲学者のそうそうたるメンバーが解き明かす試みをしている本である。平易だか、文章は決して易しくはなく、大人が読んでも考えさせられる。回答はなるほどと思わせてくれるが、周りにいる大人が答えるには容易でなさそうだ。生徒と接する先生には必読書かと思いました。
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「子どもにしか哲学はできない。しかし、子どもには
哲学はできない。この逆説の中に、哲学者たちはいる。」
子どもがしそうな質問ひとつに二人の哲学者が答える…
その答えは同じではないので哲学に正解はないのかなと思います
質問と答えの間に野矢さんの短い文があって
それも「うんうん」とうなずけます
「自分がきれいと思わないものをきれいと言う人に
出会ったとき、「どうして?」と聞きたくなる。
それは、理由を尋ねているのではなくて、相手の見方を
少しでも分かろうとしているのだ。」
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えー難しい。
勉強しなくちゃいけないの?
どうすればほかの人とわかりあえるんだろう?
という問いに対する回答は割としっくりくる。
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小説以外も読もうと考えるなかで、直球での自己投資的意味合いの強いビジネス書・自己啓発書を読むだけでなく、人文科学系の本も読みたいと考え、どうせなら人文科学の極北的なものにしようとこの本を選んだ。
「ぼくはいつ大人になるの?」「頭がいいとか悪いとかってどういうこと?」「好きになるってどんなこと?」「科学でなんでもわかっちゃうの?」「悪いことってなに?」などなど、シンプルかつ考え出すと長くなりそうな、居酒屋でだらだらと論議したくなるような問いがたくさんある。
なかでも、「じぶんとおなじくらい大切なもの、かけがえのないこと、置きかえのできないひと、そうしたなにかを知ることが、おそらくは「大人」になる入口になるのでしょう」など、はっとするような答えもたくさんあり面白かった。
社会人になり2年半ほどになるが、これといった目標がないなかでがむしゃらに生き延びてきた。自分なりに一所懸命働いて、自分なりに勉強をして、自分なりに趣味を楽しんで、自分なりに人と交流してきた。
ただ、何故自分は頑張ろうとするんだろうかという問いに答えられず、そこで減速してしまったり、投げやりにしたくなってしまうこともたくさんあった。徒労感というか、無力感というか。
これから色々な勉強をして実用的な知識を身に着けていこうとは考えているが、そのプロセスの中では徒労感・無力感から逃れることはできないのだろうなと思っている。
そんな中で、本にあるようなプリミティブな問いについて考え自分なりに答えのようなものを見付けることが、「いい人生だった」と思えるような生き方に近付く方法なのかもしれないなと思った。
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四谷大塚が小学生や保護者向けに書名の記事を連載していたらしい。子供向けにシンプルに設定された質問に、2名の哲学者がそれぞれの見解を書き下す。小学生にもわかりやすく回答する制約の中で、発想を展開していく文章がいかにも哲学者らしい。土屋賢二はどんな回答をするのか楽しみだったが期待は裏切られなかった。巻末に執筆者の紹介があるが、出身小学校から書かれているのは独特だ。
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自分が子供の頃疑問に思ったこと、そして今もなお疑問に思うシンプルなテーマに様々な先生方が回答している。中には大人になった(と思いたい)今の自分が読んでも完全には理解できない回答もあったけれど、なるほど、そうか、と納得できる部分が多く、自分の子どもが大きくなったら、もう一度一緒に読みたいと思う一冊だった。