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投稿者:ウッドチャック - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵本とは違いますが、こういうお話を読んで聞かせる時間も好きです。
息子もお気に入りの作品です。
レトロな絵と、丁寧な文章に安心感があります。
紙の本
待望の復刊
2016/02/12 13:29
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投稿者:うさこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童文学の名作です。長い間入手困難でした。今回、童話館から出版されたので、即購入しました。
お話は、ユーモアたっぷりでクスッと笑えます。
装丁も素敵です。
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ロシアの話の様な、ブルー、赤、黄色の配色がきれい!木戸に乗って行ったり、来たり、お茶会など楽しそう~
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1981年にペンギン社から出版され、絶版だったものが、童話館出版により2013年に復刊されました。多色刷りのイラストとページデザインの美しさも必見。訳者は、渡辺茂男さんのままなのもよかった。
全体に明度を下げて落ち着いた色合いに。両見返しの色はブルーから朱色に。多色刷り15枚のうち2枚の位置が変更になり、裏に文字がきて、元々裏に配されていたカットはそのまま残ったため、文章を分断しているのが気になるかな。「多色刷り差し込み」物件ではなくなりました。
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表紙を見てもわかるように、多色刷り版画のような挿絵が本当に美しくて、本をめくって挿絵だけを見ていても飽きない。
それとこの本を手に入れた人だけがわかることだけど、この本を持った時の質量感や手への収まり感、それとこの本の独特の“におい”もここちよい。
つづいて本の中身に触れたい。
最近日本の絵本を読んでいると、筋立てが定型化しているように思えて、はっきり言って食傷気味。
たとえば1つに「他人に親切にしておけば、それがいつかは自分に返ってくるのですよ」というような『説教パターン』。もう1つは、泣かせようとする『感動押し付けパターン』。
そんな絵本って、まず大人が読んで面白くないし、私個人的には、子どもに読ませるべき絵本では、そういう「説教」「感動」はできれば避けたいと考えている。説教や感動って、子どもに近い大人が日常生活の場でこそ子どもに与えるものであって、他人が作った絵本にそれを担わせてしまうのは“怠慢”だとも思ってる。
私が絵本に一番求めたいのは「こどもの想像力を引き出す力」だ。人間の想像力は無限ではあるものの、それをうまく組み立て「おはなし」として成立させ、なおかつ子どもの興味をうまく引き付けるように作品化するのは、生半可ではできない。だから、子どもの想像力を上手にくすぐってくれるような絵本を、私は求めたい。
この本には子どもの「なんで?」を引き出すネタが数多く詰まってる。この本を子どもに実際に読み聞かせて改めてわかった。
でも、大人が読むときに、安っぽく解釈や講釈を入れたら絶対にダメ。たとえばヤギや鳥が不意にしゃべったりするけど、子どもは子どもなりに想像力をふくらませて自分なりに理解して自分なりに楽しむようにさせないと。余計な一言は逆に子どもの想像力の成長を邪魔するだけ。
子どもの「なんで?」は子どもの小さな頭でいろいろ考えられて子ども自身で答えをだすことにこそ意味がある。だから初めから答えが準備されている「説教」「感動」パターンじゃ不十分なのだ。
定価2100円+税は絵本として決して安くはない。でも自分の本棚の並びにこだわるような真の本好きには、手に取ってよし、目で見てよし、読んでよしのこの本をそこに加えても決して後悔しませんよ、とお薦めしておきます。
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短いお話が何編か入っていてとても読みやすく面白いです。日本語がとてもきれいで読んでいて気持ちがいいです。
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まず絵の素晴らしさに感動。動物も子どももデッサンは正確で、特別可愛く描いてあるわけではないのだが、動物や子どもが本来持っている躍動感や愛らしさが伝わってくる。
ふるい国(ルパシカを着てるし、聖ワシリー大聖堂が描かれているからロシア)からあたらしい国(アメリカ)に移民してきた人々の物語なのだが、書いたのはアメリカ人、絵はアメリカ人とハンガリー人の夫婦。でも、ロシアに限らず移住してきた人々は、こうしてコミュニティをつくり、協力しあって暮らしていたんだろうな、というのが分かる。
物語は他愛ないが、イマドキのいかにも大人が商売ベースで考えたような物語とは違って、素朴でほのぼのとしている。
何より教訓がなく、子どもはあくまで楽しく過ごし、大人は子どもの失敗を決して責めず、おおらかに見守っているところがいい。こんな子ども時代を過ごしたいと思うし、大人は子どもにこんな子ども時代を過ごさせなければいけないとも思う。
幼い子どもに寝る前に読んであげるのもいい。穏やかな気持ちになれる。
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本当に本当にかわいらしいお話しと挿絵で、完璧な本でした。
小さな8つのお話しをまとめた可愛らしい本なんだけど、けしつぶクッキーが上手いことお話しの中に忘れられずにでてきていて、なんとも幸せ。
1けしつぶクッキー
目の覚めるようなショールをはおっていちばへ買い物にいくカチューシャおばさん。やんちゃな男の子アンドルーシクはお留守番。おはさんが作ってくれたふかふかの羽根布団であそんでいると、がちょうがやってきて羽を返せといいます。けしつぶクッキーをあげるからとなだめますが、がちょうは全部たべてしまうのです。さてそこへ…
2こんにちは、白やぎさん
カチューシャおばさんはやぎを買いに市場へ。アンドルーシクは門の戸口のところでなかそとなかそととこいでいます。
おばさんに買われたやぎは、アンドルーシクに会いたくなって先に走ってやってきます。そして、おばさんに見つからないようにかくれてしまう。これではけしつぶクッキーを焼くための乳がしぼれません。やぎはけしつぶクッキーなんかきらいだったのです。
3.ピクニックのおべんとう
公園へピクニックにやってきたふたり。おばさんが水をくみに行ってる間お留守番のアンドルーシク。ところが川に入りたくなってしまいます。そこへ白鳥がやってきて、けしつぶクッキーと卵のはいったかごを川にうかべてもっていってしまいます!
4.エルミンカと赤いブーツ
弟におじさんが赤いブーツを買ってきました。でもそれはまだおとうとには大きすぎて、エルミンカがはくことになりました。それでもまだ大きいのです。エルミンカがもらったばかりの赤いブーツをはいてはたけの手伝いにいきますと、トマトの前ですべってたいへんなことに。家に帰ってそのことをおとうさんにはなします。
5.エルミンカと木ばこのなわとりた
エルミンカはあかあさんについて市場へいきます。また赤いブーツをはいて。
さて、にわとりに赤いブーツを見せようとしたところ、木箱からにわとりが逃げ出して…
家に帰ってまたおとうさんに今日何があったと思います?ときくと、赤いブーツにかんけいすることかな?とおとうさんはあててしまいます。
6.池におちたエルミンカ
エルミンカにすてきな黒い靴をかいにいきますと、お母さんはお店の人と昔ばなしに夢中。たいくつしたエルミンカは庭のはずれの池へ。カモたちに赤いブーツを見せたかったのですが…
おとうさんに今日何があったかを話すと、心配しなくても、こんど古い国へいくから、お前にピッタリのブーツを買ってきてあげよう。といいました。
7.かきねのあなから
おとうさんが古い国へいって留守の間、おじさんの家に泊まりました。アンドルーシクの家のおとなりです。
たいくつしたエルミンカがアンドルーシクを誘ってあそぼうとしましたが、垣根はしっかり縛られています。アンドルーシクが戸をこいでこわしてしまうからと。そこで穴を掘ってくぐって入ります。お茶のお客ごっこをしておると、白ヤギがお茶をいっぱいいただこう。と入ってきます。そのうしろからいぬが。にわとりも。
そうしておばさんに見つかっておしおきです。
8.おちゃのおきゃくさま
午後にお客様をよぶからとけしつぶクッキーを焼くおばさん。
おとなりにいってくるあいだ、やぎや犬たちを家に入れないようみはりをするはずでしたが…
おばさんのめのさめるようなショールをはおって遊んでいました。
おきゃくのじゅんびをはじめたおばさん、お庭のテーブルにクロスをかけて、家の中にジャムを取りに行っている間に、やぎやいぬたちがおぎょうぎよくかけています。あれまあ!お茶のお客さまがふえたようね、わたしのけしつぶクッキーがお気に召したかしら?
1920年代、ペレのあたらしいふく、アンガスとあひる、ちいさいじどうしゃ といったリアリズム幼年童話の本の先駆けとなったのが本書。
この本は2人の若き児童図書館員がストーリーテリングの経験の中から書いたもの。2人の名をあわけてマージェリー・クラーク。しかしこの伝説となる本を作った後に作品はありません。なぜなら二人は図書館員として働き続けたから。
編集者はマージョリー・ブラックを世に出したマッシー女史。素晴らしい挿絵、ピーターシャム夫妻。
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けしつぶクッキーを焼くおばあさん、元気でちゃっかりした男の子、隣の家の女の子、お母さんたち、動物たち。絵も物語も古き良きで色遣いも装丁もいい。思わず手にしたくなる。持っているのが嬉しくなる。誰かに贈りたくなる。なんて素敵な佇まいの本なんだろう。これぞ本。作り手の想いや情熱が形になるとこんなに素晴らしい形になる。