投稿元:
レビューを見る
(支援者向けではなく)経営者に向けられた障害者雇用の指南書。障害者雇用に成功している(=戦力化できている)中小企業の事例を紹介しながら、『法令遵守』や『社会的責任』といった後ろ向きの取り組みではなく、『リスクマネジメントの向上』や『コミュニケーションの活性化』といった障害者雇用の知られざる効果に注目する。
投稿元:
レビューを見る
このタイトルが障がい者雇用に関する誤解や余計な偏見をもたらすんじゃないかとヒヤヒヤしながら読み進みました。著者も誤解や偏見を助長することのないように丁寧に説明を尽くされており、CSRについて書かれている本の中で何がいいかと業務内で問われたら、お薦めしたい一冊かも。決して奇を衒ったものではない。
投稿元:
レビューを見る
障がい者雇用は、企業の負担になるどころか、経営を改善する力を持っており、経営戦略として障がい者雇用を進めるべきと主張している。
本書は、経営戦略としての障がい者雇用を成功させている5つの中小企業の事例紹介、障がい者雇用の経営上の効果についての企業へのアンケート調査の分析、経営戦略としての障がい者雇用の前提となるCSRについての解説などから構成されている。
障がい者雇用を経営に生かしている企業の事例はどれも興味深く、経営者の姿勢やキーパーソンの存在、マッチングの重要性などの成功のコツはどれもさもありなんと思うものばかりだった。また、障がい者雇用が「組織内マクロ労働生産性」を向上させるという著者の定性的な分析もある程度納得できるものだった。
一方、アンケート調査の分析は、あまり納得のいくものではなかった。障がい者パフォーマンスと業績などの相関を出しているが、どの相関関数も数値が低すぎたり、障がい者の能力の認識をもって障がい者の能力の発揮とみなすなど、研究の前提にも危ういものが散見されたりして、研究の精度としては必ずしも高くないと感じた。
総合的にみて、障がい者雇用が中小企業の業績を向上させるという本書の主張には十分納得がいったわけではないが、障がい者雇用推進に向けて、示唆に富む一冊だとは思う。
投稿元:
レビューを見る
障がい者採用は「社会貢献」なのか?
CSRの専門家の著者が、経営戦略として障がい者採用を行うことで、「負担」ではない障がい者雇用を実現できることを解いています。後半は、日本企業がCSRの意味を取り違えていることが多く、本来のCSRとはどうあるべきかの解説をしてくださっています。
実際に障がい者雇用で業績を上げている中小企業の事例が5件紹介されていますが、その中でも特例子会社の例が印象的です。