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アメリカ金融の崩壊が確定的となった下巻は、
アメリカン・ドリーム社を巡る鷲津と投資家サミュエルの対決が軸。
天上人たちが札束で殴りあっている中でも、大多数のひとはコツコツ生きるしかない人間世界の滑稽さを感じる。
まさに金のある不幸。
過去の作品では、鷲津さん陣営が勝つもののイマイチしこりが残るというか、かなりの痛手を負う感があったけれど、本作はかなり爽やかな終わり方のように感じた。
上下巻のボリュームで、組織・登場人物がかなり多くて混乱する瞬間もあるが、深く考えず読んでいくとそのうち理解できるから問題ない。勢いで読み下すタイプの小説だから。
今回は芝野さんはほんのちょっとしか出てこず。
その分、正義感からNYに飛ばされてしまった日本人記者の北村がいい役割を果たしている。
しかし、鷲津さんのイメージは大森南朋だから、小説の中での描写にどうしても違和感を感じてしまう。
物語の舞台である2008年がすでに5年も前だということに寒気を感じた。
ちょうど大学4年生のとき、内定式の直前。日本もまっくら闇に転がり落ちそうになっていた。
だけど正直「ギリギリセーフ」だと思ったから、当時の3年生はまったく見える世界の色が違ってしまっただろう。
実際、次の代は新入社員が入ってこなかった会社もあるし(うちは半分以下になった)、派遣さんを切ったり経費が厳しくなったり、環境はがらりと変わったようだ。
そういう意味では、まさに渦中にいた私達は崩壊の音を聞きながらも、それによって痛みを味わうことはない特殊な世代なのかもしれない。
就活時は売り手市場、入社した時はすでに不景気の底。
この物語に出てくる会社の採用試験を受けたが、この世界で働いていたらどうなんていたんだろうな、とハゲタカシリーズを読む度に思う。
物語のようなドキドキワクワクなんてほとんどないだろうけれど。
http://www.horizon-t.net/?p=851
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ハゲタカシリーズの最新刊(発刊されて随分経ちますが)を読みました。
昔読んだハゲタカを更にスケールアップされた作品ですね。
「日本を買い叩く」と言ってた男が、今度はアメリカを。
リーマン・ショック時のアメリカを舞台に、アメリカの象徴と言われる企業を救済するべく暗躍する。(救済するという腹積もりはあったのだろうが、表向きは欲しいから買う、価値があるから買うというスタンスを貫き通す)
グリード(Greed)=強欲
自由の国アメリカの象徴となる言葉かも知れない。
強欲であり続けるからこそ、なんらかの解決策を見出し、そのために権謀術数を巡らす人々。
権力があればあるほど、益々強欲になる。表向きは世のため人のためという顔をしながら。
次はどこで活躍するのか。
北村記者のその後も気になるところですね。
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最後は本当に意外な終わり方だった。
小説上の人物ではあるが、鷲津に転がされた感じだった。
自分が想定していたクライマックスとは違い、とっても面白かった。
AD社と鷲津の間に、事前にやりとりがあったのがビックリ!
今回の鷲津は勝ちだったなと思う。現在の時代とリンクしているところも多々あり、リアリティがあった。
次はいつになるか分からないけど、次回作を早く読みたいです。
でも、鷲津カッコイイなぁ…
憧れる…
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下巻。
ADのCP返済、GCの崩壊、手ぐすねを引くワシントンD.C.・・・日米のマスコミを巻き込んでの大立ち回りで、物語は終局へ。
おもしろかった!!
鷲津やリン、飯島はそれはもう死線を越えてきた人物なので、一挙手一投足に痺れるのですが、
アンソニーやジャッキーなどの若手ホープが、もがきつつも逞しくなっていく様には勇気づけられました。
でも上巻に比べてストラスバーグの影が薄かったのは物足りなかったかな・・その分、ブル・ジミーが立ちはだかってたけど。
"到底家を買えないような人に、マイホームの夢を見させてやる"
うーん金融工学ってすごい。
確率と変数によってカネでカネを生み出す錬金術。。
それで荒稼ぎした結果の金融危機なんだけど、でも「危機といっても、カネの流れが止まっただけにすぎない」(P.353)
ぃみゎかんなぃ。。。。
もぅマヂ無理。。。
貯金しょ。。。。
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企業買収を題材としたシリーズ第四弾であります
サブプライム問題から発するリーマンショック、そして、世界同時不況時
強欲(グリード)に塗れたアメリカにお仕置きを
ということで
ゴールデンイーグルこと、鷲津政彦が金融不安のどさくさに紛れて、アメリカの象徴を買っちゃうよってお話
人も企業も初心を忘れてはいけません
志を忘れてはいけません
お給料は、幸せを与える対価であります
過多なお金儲けは、手段であって、目的になってはいけません
鷲津の買収劇には、裏の事情がある訳で・・・・・・
これは、最後の最後のお楽しみ!!
前作までのライバルたちがチョコチョコっと登場するのも良かったです
経済のお勉強にもどうぞ
さてさて
騙されるのは、誰だ!!
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ハゲタカシリーズは、金融エンターテイメント小説として、はずれがなく楽しめる。リーマンショック前夜の緊張感のある舞台設定は、実名が多用されたことでリアリティが増している。ただ、ジャッキーのGCでのタイトルを「アソシエイト」に設定した点には、最後まで違和感があった。
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リーマンショックを舞台としたお話。
フィクションだけど、あの頃どんなことが起きてたのかちょっとわかったきがする!
ハゲタカシリーズとは知らなかったけど面白かった。
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ハゲタカの鷲津ファンドがアメリカの象徴とも言えるAD社買収に動く。リーマンショック前夜の生々しいやり取りや、投資銀行家がまりにも希薄だった危機感と焦燥感をうまく表現している。想定しているアメリカ代表企業が買収対象になるという屈辱。モルスタを買ったBTMUの戦略など、思い起こすことが多い。すべてを鷲津の目線から捉えるのではなくて、新聞記者やアメリカ投資銀行家の視点など多面的に見させることに成功している。
金融小説にも関わらず、鷲津の戦略が前作から引き続いて光っていて、とても爽快な作品。愛国心というものを、お金という切り口で浮き彫りにするというテーマもあるだろうか。アメリカの魂、日本人としての誇りが入り交じる。
アメリカに渡った新聞記者の北村の台詞が印象的だった「不思議なもので国内にいる時は、日本経済や政治動向に興味がなかった。日本の行く末だの、希望なき未来だのという特集が組まれても、どこか冷たい目で見てみた。なのに、今は自国がやけに気になる。」これって本当にそうなんだ。海外に出て自身も気がついたことが多い。何のために日々身を削るのかって、大事な大義があってこそ成り立つもので、ぐらぐらしてたらやってけないから。
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映画では少し取り上げられていた、リーマンショックが舞台。グリード・イズ・グッド。今作に通底している言葉ですが、映画でも鷲津さんのセリフだけど、やっぱり一番有名なのはウォール・ストリートのゲッコーのセリフですね。
ところで、シリーズとしては前作で一応の決着を見ていたので、今作からは新たなメンバーが登場したりと、こらからのシリーズ展開も楽しみです。個人的には前作でちらっと話に出たある女性が今後絡んでくかどうかが楽しみです。
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スケールがもう限界い近いところまできたのかなぁと思いましたが、まだ謎は残ったままなので、まだ続くと信じています。楽しみに待ってます。
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続編があるのかな?
北村悠一記者が気仙沼に異動したあと、どのようなことが待ち受けているのか。
そして、鷲津政彦がどう関係してくるのか。
楽しみです。
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相変わらず最高におもしろい。
レッドゾーンでちょっと面白さが落ちたかな、と思ったけど、今回持ち直した。
最後の展開が予想外で、とてもよかった。
おれのGWは鷲津に奪われたw
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ゆかい痛快!
日本人が金融を愛?で救う。
質素、奥ゆかしさ、がにじみ出ているのが心地よい。
欲(グリード)が投資銀行を作り、増大させた。
アメリカンドリーム実現のために。
客を大切に扱う⇒会社の成長⇒マネーゲーム
米国内だけではなく、世界の金は有限であるはず。
バブルがはじけることを、人は歴史から学んでいないのか?
それにしても強欲な米国(人)は私利のためには盲目になる。
清貧という言葉はないのだろう。
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経済小説。
山崎豊子あたりだと会社名を「三葉商事」みたいにぼかしたりするが,真山作品は実在の会社名も出しつつ,架空の会社名を主軸に作品が展開する。
複数の登場人物の心情を描きつつ進む物語は切迫感を増大させ,次々とページをめくってしまう。
金融に関する説明も豊富なのでこの業界に全く縁がない人でも大丈夫。
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最後の終わり方はかっこよすぎた。こんな男性今の日本にはなかなかいない気がする。能ある鷹は爪を隠すという言葉がバッチリはまるような内容だった。私も見習おうと思った。最後まで期待を裏切らないストーリーでどんどん話に引き込まれた。