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ネット上では面白い人が実際会うとツマライ人だったり、ネット上では怖い人が実際会うと優しい人だったりするのは当然と言えば当然なんだろう。人間が「キャラ」を演じて居場所を求めるのは「人間失格」の竹一の台詞「ワザ、ワザ」から変わらないわけではあるが、ネット社会の匿名性によりその構造は重層化・複雑化しているのかもしれない。
承認の基準が、学歴・職業・家柄・財力等々の客観的なものからコミュ力という流動的な関係性に移行・偏重しているというのは、本人の努力次第でどうにでもなるという点において、一概に悪い事でもないような気もするのだが、終わりもゴールもないし、他者に依存し続けなきゃならないし、しまいにはアイデンティティーの崩壊にも繋がりかねないので、それはそれで疲れるし、問題なのかなとも思う。自分は面倒なのでそんな事どうでもよくなりつつあるような。
ただし、固有性を求める欲望と、快楽を求める欲求ってのは本来相反するものであるにもかかわらず、その両立を求めるところに生きる事の難しさがあるのかなあとは思ったが。
社会的事象から精神分析学的にその病理を読み解く程度の論証はいろいろと参考になるものの、あまり過度な分析は読み物としては面白いのだが、逆に現実から乖離し、虚構化ていくような気もして、単なる言葉遊びをしている印象もある。
本書は論文の寄せ集め集なので、内容的に重複していたり、統一感がなかったりで、1冊の本としては出来はよいとは言えない。
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○精神科医の斎藤環氏の著作。
○現代社会(特に若者)に多く見られる承認欲求について、精神・心理学的見地から考察したもの。
○エヴァの話しなど具体例も分かりやすかった。
○一方で、高度な内容・説明が多いので、何度か読まないと内容を理解するのは難しい。私も少なくともあと2回は読む必要がありそう。
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時期も媒体も違うものをひとまとめにした本。
そうとは知らず買ったから、少しがっかり。
おもしろいものもあれば読みづらいものも。後半はほとんどすっ飛ばしました。重複する部分も見受けられ、いっそのこと新しく書き下ろしてほしいな…と願いたい。
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このタイトルでピンときた自分にとっては内容はあまり印象に残らなかったのだが、そんな中「震災とデマ」という論考のテンションの高さだけが妙に印象に残った。
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章ごとに話が分かれてるので読みやすい
前半はまだ理解できたけど後半は難しかった
ところどころ同じ話がされている
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ライトな見た目とは裏腹に多少のラカン理解(12章などは「多少」とも言っていられない?)等が要求され、読み切る為のハードルは存外高い。
前半では思春期精神医学の字義通りに若者の心を様々な角度から理解する事が主眼だが、後半では日常化した完全なるシステムの綻びと「悪いエージェント」によるクレーマー・モンスター理解、脳の機能局在に擬えた「こころのモジュール仮説」は精神障害に際して使い物にならない、重層化した世界を貫く同一性獲得の為の身体性の衰弱とキャラ化、といった興味深い指摘が多い。
それから小論集という素性の故、勿論「承認」や「キャラ」からみた社会病理という著者独自の観点は通底しているのだが、議論の「深み」に関して物足りなさがあるという点は指摘すべきだろう。
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相変わらずライトな表紙で、前半のつかみは読みやすいんだけど読み進めれば進めるほど、難しすぎて何書いてるのかわからなかった…。
斎藤先生の本は毎回難しくて、難儀する。
一回じゃ理解できんなぁ…。
最後まで読んでわかったがやはり、専門誌と一般紙に寄稿した記事のアンソロジーのようなものだった。
途中までコメンテーターの様相だった、内容の浅い(斎藤環にしては)のに、次章ではゴリッとした医者の熱い思いが語られる(専門知識がないよとても読めない)。こんなものに需要があるのか?と思ってしまったが私のような環ファンの引きこもりが読むのだろう。
先生は社会一般に心理学が普及したと書いてあるが、この御仁もその風潮を加速させた一人のような気がしてならない。
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図書館より
前半は若者の話を中心に初音ミクやAKBから「コミュ力」や「キャラ」の考察。タイトルにもある承認欲求について、引きこもりや秋葉原の通り魔殺人の犯人から見るキャラ分析など、分かりやすかったのですが、
後半からは専門的な精神医学の話やラカンの精神医学の話などかなり難解に…。こんなライトな表紙でそこまで難解なこと書くかあ、と思ったり思わなかったり。
あとがきや初出一覧によると色んな所に依頼されて書いていた論文がたまったので一冊とした、という感じだったので、前半と後半の極端な落差も致し方なしかな、という感じです(それでも一冊にまとめるんだったら論文のレベルは合わせてくれよ、と思わなくもありませんが)
後半は難解かつ専門的な分野で評価できませんが、前半部分は結構面白かったです。
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専門書的なコラムのまとめ本だったので、承認欲求などを噛み砕く内容を期待していた自分にはいまいち面白くなかった。
根底には承認の要素が通じているのだろうけど、書き方のせいもあって読んでいてそれがわかりづらい。
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キャラ消費とは成熟のない社会であること。良い子とは前思春期までは問題がなくいけるし、ある種の域の完成をみるが、その後においては足を引っ張り人間の成熟を妨げるものであること。1700円とは高いとは思ったが、現状社会分析として楽しめて読めたし、上記の見解の一文を読めただけでも読んだ時間の価値があった。
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20151216
・他者への愛が欠けた人間は自己愛もまた不安定なものである。
・僕には難しい。心理学の専門的な言葉に、サブカルチャーを交えた文書は非常に読みづらく、自身が期待した過剰な承認欲求に対する答え、あるいはそのヒントを読み探る前にやめてしまった。
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再読。承認に纏わる話を様々な心理学に基づいて、幅広に書いてある。精神医学的な観点も絡めているので、興味がある人は面白いと思う。筆者の言いたかったことは、漫画の主人公を例にして、理解しやすい。ただ、この手の本は、興味本位で読み進めるも、特に取り入れたい事が出てこないので、読んだ後の満足感は低め...。
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現代思想の著作を読んでみようと思って挑戦しましたが、読みにくい印象でした。
ほかの現代思想家の本よりも読みやすいような感じはしますが、もう少し現代思想の用語や思想そのものを勉強してからでないと、理解しづらいのかもしれません。
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現代はコミュニケーション偏重主義
承認の病を回避する方法
1:他者からの承認とは別に、自分を承認するための基準をもつこと
2:他者からの承認以上に、他者への承認を優先すること
3:承認の大切さを受け入れつつも、ほどほどにつきあうこと
現代のコミュニケーションとは空気を読む、笑いを取る、他人をいじる(操作する)といった能力に限定される傾向がある
キレやすい人へのアドバイス:
キレやすさはあなたの意志いかんで克服できます。薬もカウンセリングも必要ありません。大切なのは「絶対にキレてはいけない」と自分に繰り返し言い聞かせることです。まったく無意識にキレる人はいません。キレる人は、どこかで必ず、自分にキレてしまうことを許しています。キレることを正当化する気持ちが少しでもある限りは、それを止めることはできません。
キレやすい人の中には、怒りをこらえすぎるとストレスがたまって別のところで爆発すると信じ込んでいる人がいます。それが「たまにはキレていもいい」という正当化につながるようです。でも本当は逆です。そういう衝動は、押さえ込めばただ消えてしまうだけで、蓄積することはありません。どうしても解消したければ、誰かにその気持ちを話すなり紙に書き出すなりして言葉にしてみることです。実はキレることを繰り返すほうが、はるかにストレスはたまりやすいのです。
良いシステム(権力、医療、教育等)と悪いエージェント(医者、教師等)と処理され、モンスターはエージェントに対してだけ攻撃する
キャラ分化といじめとの間には、きわめて密接な関係があると考えられる
現代のコミュニケーション・スキルにおいて、好ましいとされる属性は、メッセージ内容の軽さと短さ、リプライの即時性、頻繁かつ円滑なやりとり、笑いの要素、顔文字などのメタメッセージの多用、キャラの明確さ、など
存在肯定に繋げるには、自分にしかできないことをせよ
ネット依存対策としてプロバイダ解約というペナルティをつけて時間制限する
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対象とする読者が不明
基礎知識の無いものにとっては説明もない専門用語の嵐で話についていけない
基礎知識のある読者にとっては、学術データに乏しく参考にならないのでは