紙の本
ワクワクする考察
2019/05/20 18:57
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投稿者:lizzy - この投稿者のレビュー一覧を見る
フェルメールについては様々な研究がされていますが、こちらは美術家の考察とあって、またひと味違った解釈で非常に楽しめました。実際にセットを再現されている森村泰昌さんならではのカメラオブスキュラの話は納得です。6月まで大阪のモリムラ@ミュージアムで、このセットが見れますが、こちらを読んでから行ったので、さらに堪能することができました。さまざまな情報を堅苦しくなくとても読みやすく書かれています。プルーストを読みたくなりました。
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セルフポートレートをされてる森村さんらしい視点に、既存のフェルメール研究家とは違う発見があってとても面白かった。
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読書録「知識ゼロからのフェルメール鑑賞術」4
著者 森村泰昌
出版 幻冬舎
p69より引用
“「まねぶ」とは、「まねる」と「まなぶ」
双方の語源となる古語。「まねる」と「まな
ぶ」は出所が一緒。「まねる」ことは「まな
ぶ」こと。まねてみると、たくさんのことが
まなべます。”
目次から抜粋引用
“フェルメール、謎の生涯と作品
《絵画芸術》を読み解く
風景画に隠された秘密
人物画に潜ませたメッセージ
描かれた女性は誰なのか”
美術家である著者による、画家フェルメー
ルについての研究を記した一冊。
フェルメールの人物像から個々の作品の
解説・考察まで、歴史背景なども交えて書か
れています。
上記の引用は、絵画の中の人物に著者自身
が扮装して写真をとることについての一節。
何かを身につけようと思ったら、まず先人を
しっかりと真似ることが大切なようです。
どんなに同じように真似ようとしたとしても、
全く同じものは出来ない、そこにその人のオ
リジナリティーが表れるとは、養老氏の著作
にあったように記憶しています。
全編カラーで、作品リストや参考文献も
しっかりと掲載されていますので、フェル
メールに興味を持たれた方にはいい一冊とな
るのではないでしょうか。
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先日小説「真珠の耳飾りの少女」を読んだので、いったいフェルメールの絵というのはどんなものなのか、興味があって手に取った。寡作だったフェルメールの代表的な絵をソロれぞれを、詳しく、そして時に非常に妙な視点から解説している。寓意の創造だけではなくて、いったいどのような遠近法を用いているのか、隠れている部分にはどのようなものがあったはずなのか、実際の絵の舞台はどのような広さだったかなどが綿密に検証されている。妙な目の付け所に感心したりして、絵の楽しみ方の新たな一面を知った気がする。