紙の本
人間の弱さ
2019/03/21 05:01
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投稿者:kobugi - この投稿者のレビュー一覧を見る
とり憑かれ、操られる。契約を交わしたため、最終的には従属することになる。悪とは人の心の弱さだ、という師匠の言葉。自分の弱さを思った上での師匠の言葉かもしれない。レビューでは貴種流離譚だと書かれていたが、内在する特別な力が顕現していない時の方が面白いのでは?そんな気がする。魔使いの仕事は大きな悪から人々を守ることだが、守られていることに人々が気づかずに暮らしている、という設定からも地道な仕事だ、と実感できる。すべての人が救われるという安易さがない点も評価できる。
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あっという間に読み終わりました。読み終わったあと、本の内容を思い出すと眠るのが少し怖くなりました。
1巻で疑問だったいくつかがすでにここで明かされたように思います。明かされたことにより、さらなる疑問が。ファンタジーにしてはとてもスピード感があるため、すぐにでも続きが読みたくなります。
魔使いシリーズの驚く点は魔使いの職業と宗教が存在していること。いまでも魔女刈りが行われた歴史は伝わっていますが、宗教面もしっかりとした知識でかかてれいるためよりリアリティを感じられます。
付け加えるならば、翻訳家のうでもいいということ。ここは好みと感覚なので言葉にできませんですが、とても読みやすく、言葉を選んで翻訳されているように思います。
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児童書のファンタジーなのだけど、大人も十分読める、というより、これは大人になって読んで良かったかも。
というのは、どこもかしこも暗いんだ。それはもう、救いがないぐらいに暗いんだ。
確かに筋立ては単純なのに、大人でもぐいぐい引き込まれる。えええ、と思いながら読む手が止まらない。
それでも悪ははっきり悪として描かれているのは、児童書ならではかもしれないね。
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シリーズ2作目で、前作から半年が達った頃のお話し。
前作と同様、若干グロテスクな描写があります。
次巻への伏線が入ってきたし、主人の母の謎も少し明かされます。
文庫本解説の方(「獣の奏者」の作者)が書いているのと同じで私も“魔法使い”だと思い込んでました。“魔使い”ですね。二巻まで気がつかず…。
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魔使いシリーズ第2弾。
ミステリアス万能選手の母の章。
それから、この世界の善と悪というか、かくあるべきと、かくあるべきなのだがそうは出来ない人の心の弱さというか、もろさが描かれている。
この不安定な世界はどのように変貌していくのだろうか。
トムとアリスは、弱くて、ものを知らず、思慮が浅い。だからこそ、主人公としてこの世界に立つのにふさわしいなぁとおもう。
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一巻が\800で二巻が\960…初回特別サービスって奴?~師匠の具合が悪く,師匠の兄の司祭を救う仕事はトムが一人でしなければならなかった。ボガードの中でも凶暴なキャトルリッパーは穴に封じ込めたが,吸い付かれた脚を切り離された兄は亡くなった。葬儀は師匠が避けてきたプリーフタウンで行われる。そこでカタコンベに封じられている古代の邪悪な霊ベインを退治するという。ベインは人の心を読んで支配する。カタコンベの上の教会の司祭達を支配し始め,十分の一税を二度取っているのだという。プリーフタウンにはジョンの直ぐ上の兄が錠前をやっていてカタコンベに入る鍵を作って協力してくれるはずだ。しかし間の悪いことに,魔女狩り長官が来ていて,アリスが捕らえられており,師匠も捕まってしまった。トムも司祭に騙されて拘束されたが,万能の鍵で脱出した。カタコンベに降りて捕らえられていた人を解放したが,師匠は取り調べの最中で救出できず,銀の門の前で捕まりそうになって,アリスの唾吐きで窮地を脱した。師匠が火炙りになるところは,アリスがベインと契約をして救い出したが,正気を取り戻させたのはトムの母だった。家に帰り着いた師匠は,アリスを埋める穴をトムに掘らせたが,ベインが家を襲う。ボガードが撃退したが,ベインを葬り去らない限り,安穏は得られない。先住の小さき人がベインを閉じ込めた方法をゴーストから学んだ師匠は,アリスを餌にプリーフタウンのカタコンベに誘き出すが苦戦する。途中から追い出されたトムは母の手紙を読んで,別ルートからカタコンベに降りていく…~途中から読むスピードが上がる感じ。上橋さんが解説を書いていて,苦手なパターン化と想像して躊躇したんですって
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派手さはないが堅実に面白いイギリスファンタジーの二巻。今回は(も)主人公が徹底的に葛藤させられる。
何が正しいのか分からないまま選択を迫られる。
しかも、児童向けに優しい着地をすることなく、時に残酷な結果を容赦なく突き付けてくる。
師匠もガンダルフ的な強さと正しさは持ち合わせてはいない。彼も何が正しいかわかっていない。
謎が少しずつ明らかになりつつ次の巻への繋ぎもバッチリでとても良かった。