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ちょいと期待はずれの展開
2017/03/21 09:00
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投稿者:ひつじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
申し訳ないけど、急にファンタジーに逃げた感じがします。突然塔が出てきて、部下が復活し、都市が隔離されてハンムラビの支配下に入るという展開。
書きたいテーマからすればどうやって権力を得るか、というところはあまり意味がないとか、原始状態にするための舞台装置としてはこの位強引でなければと思ったのか。
政治家として支配を広げていくような話を期待していたので星3つ。
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おおお…唯一の王、唯一の法。自由という冥府。絶対の法こそが理想郷を作る。王は正しき道を教えてくれる。あなた方が創る必要などないのです。
…なかなか…なかなかキますですよ…従っていれば楽チンなのですよ…。(つーても治水なんかされてもなアババババ)
それに対し、
意思によって自身を制御出来る生き物なのだと、誰もが自制の心持つと証明できれば法はいらなくなる。法の消滅こそが法の発展なんじゃないかと語る兄の姿…。
お天道様は見てる…お天道様に恥ずかしくないように方式を叩き込めばいけるかしら…。お天道様式はちょっと宗教ちっくだけど好き。
わかってるー。少しでも魔が差せば転落人生ゴロゴロ麻痺、あいつがヤってるなら俺もヤる。獣の徘徊する街の出来上がり。ヒトの心は弱すぎるわよねと修羅の国からこんにちはデース。
あーすごい。どっちがいいなんて一概に言えないんだけどこの漫画はどう決着つけんのかな。。て、次巻予告に物語は最終局面へって書いてあるー!!!いやいやこれってあと一冊じゃ収まらんやろ!?さささ最終局面突入しても最終局面五巻くらいあるかもしらんしね!三巻以降も期待!!!!
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自分の中にある『何か』が根本から揺るがされる
ファンタジー感が強まり、ハンムラビ王とシャイールの過去から始まった確執が絡み合う事で、重々しい雰囲気のストーリーの芯が更に太くなり、読み応えと、読み手を世界観に引き摺り込む腕力が単純に増している
帯にある、「死刑とは“正しい殺人”なのか」と言う問いかけ
私はNOだと思う。殺人は全て間違った行為だ。その動機が、大事な人間を殺された事に対する怒りや憎しみで、真っ当な復讐であろうとも、自身の手で凶器を握り、血で汚したが最後、金銭目的やイジメの延長線上の殺人と同じになる
しかし、NOだと思う反面で、死刑は必要だ、とも考えている自分がいる
人を殺した人間は、その最も重い罪を、自分の命で贖うべきであり、死刑も、死刑を執行する人間は必要であり続けるべきなのだ。むしろ、人を殺して、のうのうと生きていられる現代社会にこそ、目を逸らしてはならないイビツさがあるのではないか?
非の打ちどころが一つとしてない『正しい』人間がいない以上、間違いを犯し、人が超えてはならない一線を越えて境界を侵した人間は、正しくない人間からの罰を受けなければならない
もちろん、『正しい』人間がいない以上、『間違いつづける』人間もいない事になる。生き続けていれば、いつか、自分の犯した罪の重さと真摯に向き合い、本当に反省し、後悔する瞬間は来るのかも知れない。けれど、その一瞬が来ない可能性もあり、そちらの方が遥かに高いとすら言える
人を殺した時点で、その者は自分も殺している、それは過言じゃない。死刑は罪人を救う行為ではないが、人でなくなった者を救えるのは人であり、その者を許す唯一の行為は、やはり、死刑しかないのではないか・・・・・・
仮に、死刑を“正しい殺人”と定義した場合、それは見せしめになるよう、冷酷かつ残忍なモノにすべきなのか。それとも、死刑を課す者の苦しみを軽減するために、罪人の命の重さを極力、感じないようなモノにすべきなのか
そんな、どんなに真面目に考えても、揺るがない正答を導き出せず、グルグルと思考の迷宮に読み手を誘い込む漫画
罪人を赦せるのが「強い」と言えるのか、逆に、罪人を罰したいと願うのは「弱さ」なのか
改めて、『正義』の二文字は生半可な覚悟で振りかざして良い物じゃない、と実感
正義は、違う面から見れば、圧倒的な悪でもあるのだから
裁かれるべき、死で償うべき罪に、『緊急避難』、しかも、最も、それの是非が話しやすい『カルネアデスの板』を用いている点に、ホント、驚嘆させられた
多を救うために、個を犠牲にする、それが「正しい行為」として許されるか、「非難される悪行」として罰せられるか、極端なトコ、ケースバイケースで、私には何とも言えない。一人を切り捨てないと、自分が助からない、そんな極限状況に追い込まれた事がないから、安易な想像で答えを出せないし、むしろ、出しちゃならないと思う
ただし、この男は許されないし、許せない。こればかりは「思う」と付けたくない。
『緊急避難』が正しい、正しくない、はこの際、関係ない
自分が助かる為に、他人を犠牲にした、そ���行為に対して、悪びれもせず、自身の行為を正当化しよう、と他者を恫喝する。罪を犯した事を自覚せず、良心の呵責を一欠けらも持ち合わせていない以上、それは最早、まともな人間じゃない・・・・・・死刑になるべきだ
また、このエピソードで改めて、ハンムラビ王の『王』としての凄さと怖さを直感したのは、廣治に『処刑』を一任した点。同時に、彼から任された廣治が、その瞬間、濁った私情を挟まず、負の感情にも飲まれず、本当に淡々と刑を執行したシーンにも、足元から震えが駆け上がってきた。少年に、そこまで腹を据わらせ、罪を負い続ける覚悟を背負わせるハンムラビ王は、やはり、「カッコいい」などと陳腐な一言で表してはいけない凄味を秘めているように思える
自分が全力を出し切ってすべき事を知り尽くし、その行為を一切の非の打ち所がない大義と信じ切った上で、己の行う業に対して「NO」を刃と共に突きつけてくる相手の存在すらも「正しい」と受け入れるハンムラビ王。国のトップに立って欲しいけど、仮に国権を掌握されたら確実に今の日本は終わるな、けど、彼ほどの『器』の持ち主になら潰されたもしょうがない、と一人の読み手に本気で思わせる、尋常じゃないまでの歪な個性の保有者。恐らく、長い歴史の中でも、彼に匹敵する古今東西の偉人は片手で数えられるしかいなくて、日本人で最も感性が近いのは、かの織田信長だろうな
ここまで長々と語ってしまったが、どうしても、最後に言いたい事が一つ
これは、今年末に出る『このマンガがすごい!』のベスト3、いや、第一位を獲得しても不思議じゃない漫画ってコト、それだけは言っておきたかった
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「目には目を、歯には歯を」が絶対的に施行されるものとした時、人は復讐心を浄化する事が出来るのだろうか。