投稿元:
レビューを見る
本屋業界にすごく興味があったのですごく楽しく読めました。本を狭い定義の中に押し込めないというのはこれからの本屋業界にとってかなり重要なことだと思いました。
投稿元:
レビューを見る
「書店」が減っても「本屋」は増える、という捉え方になるほどなと納得。書店は本を提供している空間だが、本屋はコミュニケーションの媒介者であるという。下北沢B&Bなど、いくつもの本と出会う仕掛け」作ってきた著者 内沼氏だからこそ言えることだと感じた。
そして「出版業界の未来」と「本の未来」は異なるという論にもはっとさせられた。斜陽産業などとネガティブなイメージを投げつけられてきた本の「逆襲」が始まるという本書の展開(実例が思ったより豊富)にも、本好きとしてはとても好感が持てた。
投稿元:
レビューを見る
B&Bに月に一回ぐらいの頻度でトークイベントを観に行っているような気がする。単純になにかが起こりそうな気がするからだ。
「本」というものを介在した出会いやきっかけとして、著者に会いたい、話を聞きたいというリアルな体験が拡張現実みたいに起きうる。
そして、その場にいる人はその「本」だったり著者に興味ある人だからいる事自体が心地よい。
そんな空間を持つ本屋がどうして生まれて多くの人にとって大切な場所になっているかがよくわかる一冊だと思う。内沼さんの経歴やアイデアが物質化し縁を繋いでいる、様々なものがいわば「本」として機能している。だから誰だって「本屋」になれるというかなっちゃいなよという楽しげなお誘いでもある。
B&Bでのこの本のトークイベントで聴いた時に面白いなと思ったことはこの本にしっかり刻まれていた。
投稿元:
レビューを見る
内沼さんの新しい本。簡単に読めますが、本のこれからについて、考えるヒントがたくさん含まれてます。読み終わった直後から、また読み始めた本は久しぶりです。
投稿元:
レビューを見る
「本」の未来について、
きちんとわくわくさせてくれる本でした。
既得権益に縛られた構造を嘆くだけに終わらず、
理想のかくあるべし論でもなく、
懐古趣味的に愛でる対象としてでもなく、
そもそも「本」とは?という問い直しを行うことで、
現実的に開かれた可能性を提示することができるのだ、というのはフレッシュでよいと思います。
アイデアインクシリーズのコンセプトと、
この本の内容がぴったりはまっていてそこも素晴しいなと思いました。
この本がこうして出ていること自体が本の未来の可能性の一つだと思います。
投稿元:
レビューを見る
内沼さんによる本ということで期待をしていたところ,想定以上に得るものがあった
広義的な本屋さんでいたいな
そして今の書店でももっと変えていけるところがあるはずだ
寛容な店長だから一緒に考えたい
投稿元:
レビューを見る
「紙の本はなくならない!だって独特の手触りが最高だし、インクの臭いも良いよね☆」と言う人に出会うたびに、懐古主義でフワフワしたこと言ってるなぁとちょっと嫌な感じがしていたのですが、この本を読んで考えが改まりました。
それだけ、「モノとしての本」が改めて意識されていることの表れと捉えれば、また新しい切り口が見つかるんですね。
すごく読みやすいですが、平易な言葉の中に、面白いヒントがたくさん。
以前、とある講座でお話を聞いた時から軸がぶれていないのも驚きでした。
でもって、全編通して前向きオーラ全開なのが、読んでいて非常に気持ちよかったです。
B&Bの経営について触れられている章は、「忙しくって本を並べるのに精一杯だよー。イベントはあくまでもオプションでしょ?」という人や、「棚がお客さんに話しかけるからオールOK」と本気で言ってのける人に読んでもらいたい。
投稿元:
レビューを見る
何かと取り上げられる内沼さんの思う、本のこれから。
感じるのは、本と、本を扱うことに対する自由さ。
今まで以上に、柔らかく、時にゆるく、本で商うコトを考えてみようと思った。
投稿元:
レビューを見る
下北沢B&Bという本屋さんは、企画が面白いのでよく行きます。
商品として並べている本も、セレクションが面白いので、プロデューサーの内沼さんという人は、以前から気になっていました。歳も近いしね。
何かのジャンルが衰退だのオワコンだのと語られるネガティブな言説は本当に嫌いで、書籍なんて、ここ20年近くそういった扱いを受けてきている気がします。この本のように、様々な企画を矢継ぎ早にポンポン出してくるような希望についての話は元気が出るし、ワクワクしますよね。
現状分析にしても、新しい企画の実現にしても、本には書けなかったであろう実状が気になります。トークイベントに期待。
投稿元:
レビューを見る
「本」をヘンに定義づけるから、既存のビジネスの枠から踏み出せない。アイデアのひねり出し方として、参考になるポイント多数。
毎日イベントをこなすことで、よりお店のスタイルや雰囲気が洗練されていく。当人は好きでやってるんだろうが、こういう努力の量がないと、質の向上には転じない。そういうポイントもよくわかってらっしゃる。
本気の行動でしか世界は変わらない。
「本」の未来は、明るい。
投稿元:
レビューを見る
本が大好きで、だけど、本をビジネスとして考えている人が書いた本って感じがする。
ハードとソフトを分けて考える考え方に共感。
同時並行で星新一を読んでるんだけど、ふと、
星新一の思い描く未来は映像が進化した未来で、本も雑誌もゲームも小さくなって、人々の生活を豊かにする未来はどこにも描かれていないなぁっと思う。
投稿元:
レビューを見る
決して目新しいことが書いてあるわけではない。
ただただ著者の「暗いのはあなたの未来だけです。どうか本の未来まで巻き込まないでください。」という啖呵に胸が空く思いだったので五つ星である。
この手の本を読むと、「懐かしい未来」というキーワードを思い出す。
「世界は一冊の本」を地で行くようだ。
投稿元:
レビューを見る
「今年は電子書籍がくる」「電子書籍元年!」
ここ数年、何回この言葉を聞いたことだろう。
確かに2013年にkindleが日本に上陸し、紙の本の存在が危ぶまれた。
しかし現実はどうだろう。紙の本は絶望の危機に瀕しているだろうか。
個人的には、日本での発売当初その「新しさ」には惹かれたものの、
結局購入には至らず紙の本を読んでいる。
本題ではないので詳細については割愛するが、新しさは感じるものの
まだ紙媒体の方がいいと感じているためである。
著者は本書の中で、電子書籍は急速に広がらないだろうと主張する。
新しいハードウェアの普及に合わせてソフトウェアも移行していく音楽と違い、
1冊がハードウェアとソフトウェアを兼ねている「本」はそうした変化を
今まで一度も経験していないというのだ。
このように、ブックコーディネーターとして「本の未来」を考え続けてきた内沼晋太郎氏が、
「明るいとは言えない出版業界の未来」と「本の未来」は別物
とした上で、
本の「現実」、そして「逆襲(未来)」を語るために上梓したのが本書である。
筆者は「ブックコーディネーター」として、本に関わる多くの仕事や企画、作品に関わってきた。
種々の活動の中で「そもそも本はこれからどうなるのか」「本の未来にどんな可能性があるのか」
と考える機会に溢れていたそうだ。
それらの問いを経た上で、出された結論、すなわち本の未来は「本は拡張している」ということだ。
特に電子書籍以降、本はもはや定義できなくなりました。
すでに出版流通の外側に拡張しているので、そこで何かをしようとする人は、まず自分なりに
「あれも本かもしれない」と、ほんの定義を広げてみて色々試してみるのがいいのではないか
言われてみれば、身のまわりに「拡張した本」は存在している。
例えば、今のこの文章を書いているデスクにおいてある本に、
ドワンゴ会長の川上さんが書いた『ルールを変える思考法』という本があるが、
これは、従来の形式とは違い、インターネットでの連載
(4Gamer.net「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」)が元になって作られたものだ。
紙媒体であることが、本の絶対条件ではない。
上で紹介したインターネット連載が元になった本や、最近ではTwitterでの投稿をまとめたものが
そのまま書籍化されていたりする。
インターネットは、本にとっての悪い意味「黒船」ではなく、
むしろプラスとなる「黒船」なのである。
筆者の言うように本の枠組みを拡張させることで、本の可能性は広がっていく。
他にも、「本の定義を拡張して考える」を含め「これからの本のための10の考え方」が紹介されているので、是非ご一読いただきたい。
そして、本書では最後に「これからの本のための10の考え方」をふまえた上で筆者が現在
何をしているかが書かれている。
それが、筆者と博報堂ケトルの嶋浩一郎氏が「新たな町の本屋」として始めた下北沢のB&Bで��る。
コンセプトに惹かれ、自分も立ち上げから半年ほど関わっていたことがあるのだが、
B&Bが他の本屋と違う点は、以下の点だと認識している。
====================
①売っている本
B&Bに置いてある本を誰が選んでいるかというと、その大部分をブックコーディネーターである内沼さんが選んでいる。
誰よりも深く本に関わる仕事をしてきたということで、見たことのない本も多く面白い。
また、かつて筆者がアルバイトをしていた往来堂書店という本屋の本の置き方を踏襲して、
B&Bは「文脈棚」という陳列方式を採用している。
通常の本屋であれば「文庫本は文庫本のコーナー、ハードカバーはハードカバー、ビジネス書はビジネス書…」と本の種類ごとの陳列されている場合が多い。
一方で「文脈棚」は、本の文脈(=何らかの意味のあるつながり。例えば音楽、料理、アメリカ、など)ごとに陳列をする。
また、内沼さん以外のスタッフも本のセレクトに関わっている。
内沼さんとスタッフによる選書を「文脈棚」方式で陳列することによって、
B&Bは魅力的な「街の本屋」になっているのである。
※もちろん、週刊誌、月刊誌等の雑誌も売っている。
「街の本屋であれば、そういった連載誌も売ってなければ」ということだったと思う。
②ビールが飲める
B&BとはBook & Beerの略である。B&Bでは、本を読みながらビールが飲めるのだ。
こぼしてしまうことがおおそうだが、以外と月に1回あるかないかがぐらいらしい。
ビールと本が両方好きな人にはたまらないサービスだと思う。
③売っているものが本だけじゃない
文房具はもちろん、なんと本を置いている本棚や机、照明など店内のもののほとんどが売り物だ。
確かに、空の本棚を見て購入するより実際に本が入っている様子を見た方が、自分が使う様子を想像しやすく買う方も嬉しい。
④毎晩イベントを開催している
基本的には本屋なのだが、本に関わることの集まる磁場を作るべく、毎晩イベントを開催している。
毎晩イベントという言葉だけ聞くと「え、無理でしょ…」という印象を受けるが、本当に毎日実施している。
しかも土日には、一日2本以上のイベントを実施していることもあるので、昨年は1年で450~500本のペースだそうだ。
また、イベントのゲストも日によって全くジャンルが違うことも多く、
ある日はゲームの歴史についてひたすら話していたり、別の日は谷川俊太郎さんが子、孫の3世代で話していたり、
とにかくイベントのゲストが多種多様で、イベントによってお客さんも全然違う
(40代以上がほとんどだったり、若い人ばかりだったり、あるいは世代がバラバラだったり)
「本」という共通点を除けば、出会うことのなかったような人が同じ場所に集まっている。
その光景が、いい意味でカオスで、面白い空間だった。
====================
なぜ本屋なのに、ビールを売ったり、イベントをしたりするのか。
それは収益のポートフィリオを組むためだという。
今、街の本屋(新刊書店)が次々につぶれている。
本を読む人が大きくは減ってないとはいえ、街の本屋にとっては
Amazonやスマートフォンは大きな脅威である。
そんな時代を考慮した上で、紙の本を売るだけではない他の収益源を持った本屋、
B&Bをオープンさせたのである。
そして筆者は「あなたも「本屋に」」というメッセージと共に本書を終わりとしている。
10の考え方を活用すれば、このような「本屋」のアイデアはは誰にでも思いつけるのではないかと思います。
筆者の考えに沿えば、この書評も「本屋」の一環になる。
書評に加えてその本のAmazonのアフィリエイトリンクを貼れば、
インターネット上の「本屋」であるといえなくもない。
筆者や出版業界、本屋の関係者だけが、本の未来を作っていくのではない。
筆者の言う「10の考え方」を活用できれば誰もが本の未来を作っていける、というのが筆者が読者に一番言いたかったことではないだろうか。
本に仕事で関わってる人だけではなく、本が好きな人に読んでもらいたい1冊である。
投稿元:
レビューを見る
ブック・コーディネーターの内沼さんによる本。「これからのアイデア」を文字に刻む新シリーズ」というキャッチコピーの「アイディア・リンク」シリーズの1冊として出版されていることもあり、内沼さんの視点から現在の本や出版に関する状況が整理され、そのうえで、これからの「本」を考えるための具体的な提案が示されていて、(広い意味で)本に関わって何か活動をしてみたい、と考える人にとってはマストな本だという印象を持った。
この本で記された内容のなかで意義あるアイディアはいくつもあるけれども、その中でも特に、大きな意義があると感じたのは、「本屋」という概念の再構築(=新たな概念としての「本屋」)の提案であろうと思う。当たらな概念が生み出されることで、私たちは新たな土台に立って議論を始めることができる。そのような意味で、ここで提案された「本屋」という概念は、これから私たちが、本と人との関わりを考え、新たな活動を提案するためのキーワードになるだろう。この概念を提示しただけでも、この本の意義は大きいと感じた。
投稿元:
レビューを見る
「本の未来」を多角的に見つめた一冊。平易な言葉で書かれているので、誰が読んでもわかりやすいです。これまで内沼さんが手掛けてきた仕事はもちろん、今の仕事に辿り着くまでの軌跡も綴られていています。考え方が前向きで企画・発想力も豊かで柔軟。本はもちろん、クリエイティブを生業としている方にもたくさんのヒントを与えてくれることでしょう。「ワクワクすることには人がついてきて、結果的にお金もついてくるから、ワクワクする方を選ぶ」の一言に納得。B&Bのトークショーに何度か行ったことがありますが、動機は「ワクワクするから」だもんなー。