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冬にホラー♡
意外な取りあわせのようですが、かなり好きです。(夏はリアルすぎてねぇ)
京極さんは一時期京極堂シリーズを頑張って読んでいたのだけれど、挫折。短編集だったので手に取ったのですが、これが面白くて怖い。
やはり怪談はこうでなくては(^^)
冥談も楽しみだなぁ。
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秀逸。京極夏彦氏は断じてミステリー作家などではなく、ミステリーの体裁をとっている怪談がバカ売れしたのだと改めて実感。氏の物語は、怪異の描き方が天才的に上手い。しかし、面白い事にそれらの怪異は「恐ろしいもの」なだけでなく「とても嫌なもの」として、現代に生きる我々をちくちくと刺激する。それを思うと、現代における相応しい怪異を復興させた氏の功績が明瞭になってきたりする。そんな短編集。怪異好きは是非とも御一読を。
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本屋で『怖い絵』という本を手に取り、レジに向かう途中でこの本も目にとまって
冥談とセットで買いました。
この時点で私が本書にホラー要素を求めていたのが丸分かりな購入エピソードです。
京極さんの本はこれまであまり馴染みがありません。
そんなNOT京極作品愛読者の目から見た感想です。
ページをめくってみるとホラーとは違う短編が綴られていました。
幽談は純粋な怖さを求めて読むとガッカリしてしまう方も多いかと思います。
幽けきもの。
不思議なもの。
なんだか正体が分からないままのもの。
私たちが普段望む怖い話は、因果によって成り立っている話がほとんどです。
過去にこういう残酷な事件があったから、今この場所ではその怨念に囚われた
幽霊が出るんだって……のような。
けれどこの本に出てくるお話では、そうした所謂それが起きた理由。
読者が納得できるような親切な原因や結末は用意されていません。
なんだか分からないモヤモヤとした胸に残る感じ。
これはこれで味わいがあって良いものだなと思いました。
でも読む側がこの幽かな世界に開かれている時に読まないと
絶対に面白くはない気がする。
作者が好きで長年多くの作品を吸収しておられる人が読めばいつでも
面白いのかもしれませんが。
一人称で進む語り口の話が多いけど、この方の作品ではこういう形の
ものが多いのだろうか。
冥談も買ったので、そちらも読んで確認してみようと思います。
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なんとなくいそうでいない幽霊のお話。読むのに苦労するほどではないんだけど、そんなもんかなーってくらい。
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怖い。特に怖かったのは、①「知らないこと」自分が本当は何も知らないのだとしたら・・・②「こわいもの」こわいものとは?老人から渡された『恐怖それ自体』の小箱。それを開けた時・・・。8つの短編どれをとっても、「?」と思いながら背筋にうすら寒いものを感じずにはいられない。自分の見ているものは正しいのか?自分はどれだけ判っているのか。考え出すと深みにはまっていく。そばに気配を感じながら。
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冥談に続いて読んだ京極さんのホラー短編。
一番怖いのは表紙である。
布団の中で読んだ本を、枕もとなんかに放置していると、ふと表紙が目にはいったときにギョッとする。なんとも死体感のある手首なのである。
さて、私はホラーが好きではない。
理由が、原因がはっきりと分かって、対処できる問題はホラーとはいわないのだろう。だから、ホラーはなんだか、いつももやっとしている。その、どちらともつかない、ふわっとした感じが、ホラーなのだろう。
私がホラーをあまり好まないのはそこらへんだ。
殺人鬼がいれば怖い。相手が銃を持っていれば怖い。足がうようよする虫が湧けば怖い。
だが、そういう「原因」があって、「オチ(解決)」がある、というわけではないホラーは、どうも虚空に放り出されたようで落ち着かず、それが苦手なのだ。
だが、それでも京極夏彦だ。
短編「知らないこと」の主人公の隣人は、奇人である。何年も洗ってないようなスーツを着て、自分の家の庭に排泄をし、みゃあみゃあ鳴く。そんな奇行をみて初めて主人公は、15年も隣に住んでいた隣人について何も知らないことに気がつく。いや、知らなかったのは隣人のことばかりではない。自分の家族のことでさえ、何も知らなかったのではないか・・・いや、見ないふりを、してきたのだ。
人間は、「面倒くさい」とか「関わりたくない」とか、「自分のことでとても忙しい」という理由で、見えるものも、見て見ぬふりをしていたりする。そんな自分の心の中に、「恐怖」に値するものが確実に存在するのだと、気がついてしまうのである。
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久しぶりに京極夏彦を手に取った。短編集でありながら、この奥の深さは感服ものだ。全てが記憶に残る、懐かしさと怖ろしさと、どこか物哀しい。表紙はそうか、「手首」なのか。
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シリーズもの以外の京極作品は初
全編を通して普通の日常を違う視点から視た怖さが描かれている気がする
成人が一番面白かった
手首を拾うは川端康成の腕を思い出した
た
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京極さんらしいと言うか、ぞくぞく薄気味悪く読後もその感覚が抜けない。
恐怖を感じてたもののネタばらしをしないから、どんより気持ち悪い厭な気分がずっと残る。
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らしいといえば、らしいのだが、落ちがないので、読んだ後いろいろ考えてつらい。
個人的には「こわいもの」が良かった。
この話みたいに、あれこれ突き詰めて考えるのは、嫌いでない。
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ホラーとカテゴライズしたけれど、正面きったホラーかというとそうではなく。
人間という生き物の不安定さを描いているという点で、気付けばどことなく怖くなる、という意味のホラー。
人間の感覚や認識、個人個人で違うし、同じ人物でも時と場合によって感じ方は違う。それはよくよく考えると怖いことなんじゃないだろうかと、手を変え品を変え、京極氏が説明してくれる。
読んだ後に、ちょっともぞもぞしちゃう短編集。
ただやっぱり、個人的には、京極氏の作品は長編のほうが好みかも。ねちねちしていて。
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さくっと読める短編集。
ぞくっとして時々ざわっとする。きゅんとくるラストもあった。
こういうのも書く方なんだなあ~と思いつつ、
個人的にやはりこの作家さんはずっしり長編がすきです。
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怖いものとは何だろう。本当に怖いものを知るため、とある屋敷を訪れた男は、通された座敷で思案する。完全な暗闇の世界、思いもよらない異形のモノ、殺意を持った猛獣や殺人鬼、己が死ぬこと、幽霊―。不安でも嫌悪でも驚きでも不思議でもなく、純粋な怖いものを。恐怖に似たものではない、真実の“こわいもの”を知るという屋敷の老人が、男にさし示したものとは。「こわいもの」を含む、妖しく美しい、幽き8つの物語を収録。
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こういう現代ホラー小説なら好きです。はっきりとは分からないけど、もぞっとするようなもやっとする感じ。ぞっとしないけど恐いと言うわけでもないけど、(むしろ笑けてしまう話もあるのですが、それが逆に現代的)結末にねじれを感じて、どこへ連れていかれるのか却って楽しみな感じ。投げっぱなしもあったけど、それは想像力で…というのかもしれません。
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京極夏彦の短編集。
ホラーテイストの・・・かと言って単純にホラーじゃない、不思議な世界観の八篇が収められています。
読んでて怖いと思ったのは「成人」と「逃げよう」
特に「逃げよう」は、追いかけてくる“迚も厭なもの”より、追いかけられ逃げ込んだ“おばあちゃんの家”の描写がなかなかの怖さでした(^_^;)
京極夏彦ってより、夢枕獏の作品を読んでるようで・・・・・ちょっと変な読後感でした。