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人間の細胞はすべて動的に生まれ変わっていて(流れていて)
それがある一瞬をとらえた物が今の自分。
動的平衡を保っているのが生物であるという考え方。の著者
とその他の人との対談集
ジャレドダイアモンド氏との対談は面白かった。
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まだ動的平衡の元の本を読んでいないのだけど、これは読みやすそうだったので、借りてみた。
でも、これを読む前に原本を読むべきだったように思う。ここで話されている世界観が高尚すぎて、ついていけなかった。
生命は、その動きに宿るとか、そういうことかな?
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「動的平衡」という概念は20世紀前半のユダヤ人生物学者ルドルフ・シェーンハイマーによって発見された。著者はその概念を日本に紹介し、今回はさらに小説、建築、文明、芸術などすべての分野に展開すべく、各界を代表する知性との対話を試みる。
そもそもこの宇宙そのものが誕生と消滅を繰り返す、限りなく長い時間での動的平衡という「状態」にその本質があると考えると、そこで生まれる物質、生命のすべてがその状態の中にあって不思議はない。
仏教ではそれを諸行無常といい、ごくごく普通のことと語り継いできた。したがってこれはパラダイムシフトかと言うと、個人的にはそうでもなく「ああ、そうだよね」という再確認のようにも思える。
実は経済の本質もここにあるべきなんじゃないのかな、と思う。クラ交易のように、ただぐるぐるとお金(のような記号)をまわす、その状態に意味があって、それを退蔵するようになると歯車が狂ってくる。それが今の経済の問題点なのではないかと。
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文学者カズオ・イシグロと生命科学者ジャレド・ダイアモンドとの対談が特に興味深い。「記憶の連続性」による個人の形成を語るカズオ・イシグロと、「昨日までの世界」のジャドレ・ダイアモンドが福岡先生の視点と交錯するのは、ダイアローグ版ならでは。
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動的平衡という概念を生物学の視点から
いわゆる理系的にきりこんでいるのが面白い。
変化の因果関係については詳しくかかれていないし、
それ自体が非常に複雑で捉え切れていないのかもしれないが
非常に共感できた。
対話形式で様々なジャンルの人と科学から、文学、芸術にいたるまではばひろく動的平衡が語られた1冊。
もともとこのように学問でジャンルできないものなのだ
ということがわかった。
世界は大きく流れている
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福岡氏の著作は、「生物と無生物のあいだ」「25歳の補習授業」「フェルメール 光の王国」に続いて4冊目です。 最初に読んだ「生物と無生物のあいだ」で紹介されていた「動的平衡」というコンセプトのインパクトは大きかったですね。さらに「フェルメール 光の王国」では、分子生物学者という肩書らしくない思想の柔軟さ、文筆力の確かさにも驚いた記憶があります。
本書は、そんな福岡氏が、文学・芸術・建築・文明・宗教等々多彩なジャンルの論客と語り合った記録です。
とても興味深い刺激的なやり取りが満載の本です。
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福岡伸一、佐藤勝彦、ジャレド・ダイアモンド
馴染みある名前が三人も並んでいては買わざるを得ない。ちなみにこのうち前お二人は、講演会を聴きに行って至近距離で拝見したことがある。
ダイアモンドの章だけ、対話というよりインタビューのようになってしまっていた。興味深かったけど。
僧侶の玄侑氏、ケルト文化専門の鶴岡氏の章が特に示唆的で良かった。前者はマッハ・バンド、後者は求心性と遠心性が同時に現れる渦の話が印象的。
それから千住氏の章で、「青は、それ以上踏み込むと生物に害を及ぼす紫外線、だから生死を分ける境界の色、危うい色」という話は、強引すぎるとツッコミつつ新鮮な発想だった。
しかしいずれも掲載写真が不鮮明なのは残念。
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カズオイシグロやジャレドダイアモンドなど、現代の知性と福岡先生が「動的平衡」をキーワードに世界のありようを論じ合うもの。面白い。
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対談相手も申し分なく、興味深い話が読める。
平野啓一郎氏がエンターテインメントと純文学の違いについて、前者は読者がすでに知っていることを巧みに組み合わせて物語にするのに対し、後者は皆が知っていると思い込んでいることを解体して新しい価値を示すものではないかと言っているのが印象的。
なるほどね!
非アートとアートの違いにも通じる。
中身が常に入れ替わりながら一定の形を保っているものが生命ならば、生き物と言えるものは案外多いな。
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この世界に一貫性を整合性を求めるのは人間だけで、生命がしていることは、常に自らを壊して新たにつくり変えることだけ。
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2014年初版の対談集。科学のみならず、人、社会全般に動的平衡の考え方を当てはめわかりやすく進行する。読みやすい科学談義。
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http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?amode=11&bibid=TB10070808
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カズオ・イシグロさんの著書を図書館で探している時に、この著書に出会う。前著『動的平衡』『動的平衡2』を読んでいました。意図せず福岡さんの著書に再開したことに驚きです。
生物学と文学、建築、芸術との関連は興味深い。
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細胞のどこに生命が宿っているのか?
それを説明するのは、たやすくない。
生命の形態は 『動的平衡』であるとする。
動的平衡をめぐって 対話する。
対話する人は、それぞれ切り立った個性をもつ。
カズオイシグロ
記憶とは、死に対する部分的な勝利。
福岡伸一はいう。
『表現の解像度が非常に高い』
『科学者(生物学者)はwhyにこたえられない。
Howを説明する。
これが科学の限界であり、科学のチカラの源。
Howの答があって、はじめて whyの答えることができる。』
『私は私である』というアイデンティティを支えるのが記憶。
『過去の自分といまの自分の連続性を保証する数少ない要素のひとつが記憶』
子供の頃の記憶は 守られていて ノスタルジーがある。
善人に囲まれている。
大人になることは、やさしさと善意に満ちあふれていないことをしる。
クローネンバーグ監督 ヒストリーオブバイオレンス
誰も私から記憶を奪うことはできない。
『私を離さないで』
平野啓一郎
複数の『私』を生きる。
個人は わけられない。individual。
個人の概念が生まれたのが、一神教 から始まる。
多重人格というが、人はその状況に対して、
自分を編集しなおして対応している。
つまり、いくつもの 私が存在する。
自分の一貫性とは、なんであるのか?
一貫性のない自己 という人間の持つ非合理性。
エンターテイメント
すでに知っていることを巧みに組み合わせて物語にする。
純文学
みんなが知っていると思い込んでいることを解体して
新しい価値を示すもの。
自然には 様々な変動や揺れ、曖昧さをはらんでいる。
因果律で すべてが 成り立っているとは言いがたい。
復讐と言う概念は 正しいのだろうか?
『必殺仕掛人』が 物語となるが、正義は?
佐藤勝彦
インフレーションする宇宙。
『宇宙には果てがない。
果てがあると思うと、その果ての向こうというものを考える。
それは矛盾になるから、果てはない。』
宇宙は 動的平衡の中にある。
『生物の進化は偶然に起こる。』
宇宙の歴史 138億年
地球の歴史 46億年
生命の歴史 38億年
6550万年前に 隕石が落ちた。
玄侑宗久
ゆらぐ 強さ。
科学とは 『分けて名付ける』作業。
『死』とは、見極めることができない。
『同時に起こる関係性;シンクロ二シティ』
ジャレットダイアモンド
昨日までの世界に 未来の知はある。
農耕社会には体罰があり、牧畜社会には最小限の体罰しかない。
体罰をしない 民族も存在する。
価値の高いものをつくっているところほど体罰がある。
日本の教育
『ウソをつかない。盗みをしない。他人に迷惑をかけない。』
→『独立性、タフで強い、自分で生きていけること』
高齢者への対応 救うか。遺棄するか。殺すか。
社会によって 違ってくる。高齢者はお荷物なのか?
隈研吾
負けない建築 新陳代謝する建物
メタボリズム 中銀カプセルタワービル。
なぜ 新陳代謝ができなかったのか?
木の文化と石の文化のちがいがある。
ある意味では、日本は 木による文化によって新陳代謝がしやすい。
建物からではなく、等身大としての建築。
『だましだまし』
鶴岡真弓
ケルトの渦巻き。渦巻きは動的平衡の中にある。
渦巻きのエネルギー。うごめく生命。
『ダロウの書』
ニンゲンは生命をコントロールできない。
ディズニー ファンタジア。
水を制御できる魔法使い。
千住博
美しいは生きるためである。
水は青く見える。青は波長が短いので、エネルギーは強い。
青と言うものの力強さ。
ニンゲンは、強いもの、大きいものに美しさを感じる。
紫外線は、エネルギーが強すぎて、生物に害を与える。
魅惑的であるが、危険な色
赤は 波長が長い。
三つの科学的判断
1 それが科学的に正しいか? 真偽の基準
2 それをなすべきか? 善悪の基準
3 美醜の判断。
遺伝子組み換えも 原発も美しいと言えない。
スピード感ができることで 富士山が美しく見えない。
『美とはわれわれの生きる本能』
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私たちの爪や髪の毛は絶えず新生し、新しいものと置き換えられている。そして、それらは身体のあらゆる部位で起こっているのである。
肉体というものは、分子レベルでは「淀み」でしかないのである。
「生命とは、互いに相反する動きの上に成り立つ動的な平衡=バランスである」それを強調した言葉として表現したのが、「動的平衡」という言葉である。
あまりに端折りすぎて、これだけでは到底理解しえないだろうけれど、私の理解も他人に説明するほどには及んでいない証拠である。
とにかく、そのような生命観は、世界観にも通じる。
それを、専門の異なる著名な(素晴らしい)8名との対談を通じて知ることができる。