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なんか読む前のイメージと違う。。
お姫様っちゅうか、シェフ?が主役。
スープを通して、それぞれの人生や記憶を辿って行く。
その手伝いにお姫様の知識が活かされるわけだけど、なんだかビブリアのテイストに似ている。
もっとファンタジーでもいいから、お姫様設定を推したらいいのに。
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分かれた恋人の紹介で、古い洋館のマダムのためにスープを作る仕事についた僕。マダムの孫の千和(ちわ)と執事のキサキ。不思議な登場人物に囲まれて、作るスープは「違う」と言われたり「何か足りない」と言われたり。
昔母親と一緒に食べたスープを求めつつ、千和とスープを作っていく。
スープにまつわる話がいっぱいでてきます。知らない材料もありますが、解説があるのでイメージはできます。
スープを改めて見直して食べたくなる本です。
段々謎が明かされる過程も納得。
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料理しか作れないシェフと、料理に対する知識を持つ千和。二人が協力しあって、一つの料理を完成させる。けれど話が進むにつれて、自分たちが抱える悲しい記憶をも解きほどくように進んでいく。スープしか食べないマダムと孫の千和の記憶、そして、やとわれたシェフの僕の母親に対する記憶。一つのスープの価値。自分のために想いを込めて作ってくれたスープを私も食べたくなりました。
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各話、その人のために作った料理なのに
その人が食べた反応が伝聞や想像で、物足りない
主人公の料理が美味しそうに思えない不思議
あと、ヴィクトリア朝の時代はないって言いきってますね。なんでだろ
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図書館に行ったらこの本だけ主張するように本棚からはみ出していたので借りてみた。
料理人の主人公が洋館のマダムに雇われ毎度スープを作るお話。
うーん。嫌いな感じじゃないんだけど最後の話はなんとなくもやっと感が残るような。もっとマダムと千和が分かり合えた感じになってほしかったな。
それまでの話の印象からそこだけちょっと残念だったので星2つ。
面白いことは面白いんだけどな。
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樋口直哉さん初読み。
読みやすいけれど、なんとなく、なぜだかわからないけど、物足りなさを感じてしまった…
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お腹空いた…
これからの季節、温かいスープっていいなぁと思う
表紙がイメージとちょっと違うかな?
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最近はやりの日常ミステリ風。
内容しょぼしょぼ…。共感できない。主人公がズケズケ質問するし、そんな過去みんながみんな必要?って感じ。読みやすかった。マンガみたい。
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主人公の調理人の淡々とした雰囲気がよかったです。
心理描写に唸りました。たとえば、
“老人は遠くを見るような視線で空中の一点を見つめていた。老人もまた、失われてしま った日々に想いを馳せているようだった。
「スープを口に含んだ瞬間、昔のことを思い出しました。嬉しいこと、辛いこと、哀しかったこと、寂しいこと、それらを順番に…」”
この、思い出す順番はかなり推敲したのじゃないかな、うーむ。
・「余計なお世話かもしれませんが、年配者のちょっとしたアドヴァイスだと思って聞いてください。こういう時は、そもそものはじまりから考えることです」
「そもそものはじまり?」
「つまり、ポタージュ・ボンファムとは一体なにか、というところを紐解くことです。根源的なところから考えはじめるのです。答えは意外にシンプルだったりします。あれやこれや材料を足しても、お客様の望む味にはなりません」
キサキは人差し指を立てた。この男の動作はいつもどこか芝居めいたところがある。
・老人は遠くを見るような視線で空中の一点を見つめていた。老人もまた、失われてしま った日々に想いを馳せているようだった。
「スープを口に含んだ瞬間、昔のことを思い出しました。嬉しいこと、辛いこと、哀しかったこと、寂しいこと、それらを順番に…」
・「そんなの変ですよ。友達なんて、頼まれてなるものじゃない」
キサキは目を細め、そのかたちの良い鼻筋を指先でなぞった。『どうでしょうか』とその表情は語っているように見えて。それから彼は流しで手を洗った。彼は一日に何度か、丁寧に手を洗う。それがとても大切なことのように。
・口論してみたって溝は埋まらない。こういう時、言葉は基本的には無力で、事態をややこしくするだけだ。
・「昔、車のなかで積み上げた容器が崩れて、料理が台無しになったことがあったな」
「その時はどうしたの ?」
「真空パックにしてあった料理はいいんだけど、そうじゃないのは食べられないから、近くのスーパーで材料を買い込んで、一から新しく料理したんだ。なにつくったのかさっぱりおぼえてないくらい大変だった」
そういうトラブルのなかでつくった料理のほうがかえって評判が良かったりするのが、不思議なところだ。
・「あの鳥たちは君が飼っているのかい?」
僕は彼に訊ねたが、返事はなかった。本当に聞きたいことでもなかったので、それ以上訊ねたりはしなかった。彼の様子を見ていると、なんとなく自分の子どもの頃を思い出した。自分にもこういう時があった。世界と自分とのあいだの距離の取り方がよくわからなくて、戸惑っていた頃だ。
・「大人になるってことはさ、罪を 重ねることなんだ。僕らは命を奪わなければ生きていけない。菜食主義者だって、その罪からは逃れられない。そして、罪を償う方法は、罰を受けるだけじゃない。死んでいったものたちのためにできることは、ちゃんと生きることだ――なんて言うと教科書に書いてあるような説教になっちゃうけどさ」
僕は誤魔化すように笑ってみた。真面目に話すのは、難しい。
・「��剣に話したから恥ずかしいんでしょ?たまには得意じゃないこともしたほうがいいわよ。嫌なことを毎日ふたつすることは魂の健康のためにいい、って誰かも言っているんでしょ?」
・「僕だって、わかっているよ。でも、もしもって考えてしまうんだ」
「もしも」彼女は空中に書かれた単語を読むように言った。「もしもっ て、なんのためにあるのか、よくわからない不思議な言葉よね。こういう気持ちって、どうしてあるのかしら。ただ人を苦しめるだけじゃない。そんな風に考えたって、今はなんにも変わらないのに」
・「腹は立たないの?」
「慣れてるからね」と僕は言った。「知識を認めてもらいたかったり、文句をつけずにはいられない性質だったり、ああいうお客さんは一定の割合でいる」
銅鍋を磨きながら、僕は話をした。
「君もいつか男性とレストランででデートこともあるだろ。そんな時に思い出すといい。客として訪れた店のスタッフへの態度で、その人の本性がわかるから。僕らみたいなスタッフに対して、相手の男性が偉そうにしたり、なにかを頼む口調がぞんざいだったりしたら要注意だよ。君 に対してどれだけ紳士的にふるまっていても、それがやつの本性だから。付き合いはじめてからガッカリしないですむ」
・その部屋に足を踏み入れた瞬間、はじめに満ちてきたのは虚脱感だった。
ガラスから夕陽が差し込んで、部屋をオレンジ色に染めていた。
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良いお話でした。
こういうのを読むとちゃんと料理しなきゃとか、台所きれいにしとかなきゃとか自分の食に対する姿勢を反省させられます。はい。
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じっくりと手間隙を掛けた料理を食べたくなる。ミステリファンの人はミステリはあくまでアクセントとして読むのが正しい。
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ある日突然「料理が出てくる小説が読みたい」と思い立ってから数週間、図書室にてソレっぽいものをお借りすること3冊目にして遂に「これだ!」と感じられる作品に出会いました。それが本書『スープの国のお姫様』であります。
元料理人の「僕」と、料理本マニアの少女。海の近くに建つ古い屋敷で出会った2人が、1皿のスープを通して自分の過去を見つめ直していく物語。
著者が現役の料理人、という点にも惹かれて手に取ったのですが、作中に登場する料理のお味の表現がまあ素敵。「甘い」とか「しょっぱい」みたいな言葉は使わないわけですよ。そういう時の比喩のボキャブラリーって、やっぱり料理に携わってきた経験に裏打ちされているんだなあ、と。
よく受験国語で”情景描写は心理描写”とか言いますけど、この作品は”味覚描写は心理描写”という感じ(いや、もちろん普通の情景描写も素晴らしかったです)。
また、物語の要所要所で少女が披露する、料理に関する知識も興味深い。さりげなく引用元も言ってくれるので、ついついそちらの方にも手を伸ばしたくなります。
他の方のレビューにもありましたが、まさにフランス料理版『ビブリア古書堂』という感じ。1つの作品からどんどん派生させて読みたいタイプの人には堪らんのでは。
1冊目は「読んでみたらそれほど料理関係なかった」。
2冊目は「料理はしてるけどそれ以上に主人公カップルがチュッチュチュッチュしてて辟易した」。
その経験を経ての3冊目『スープの国のお姫様』は、作品における料理の比重も申し分なし。ミステリー要素を特に期待していなかった私には、実にいい塩梅でした。
~MENU~
プロローグ
1 ポタージュ・ボンファム
2 ビールのスープ
3 ロートレックのスープ
4 偽ウミガメのスープ
5 せかい1おいしいスープ
エピローグ
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料理に関わる物語とか、エピソードとか、歴史とかおもしろいなぁ。
私食いしん坊だから、こういう話好きだな笑
音楽や絵画と深く関わっているのも素敵
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温かいスープをあなたと
朝夕が少し涼しくなってきたこの季節。
温かい汁物が、ほっとする瞬間をもたらす。
本作では5種類のスープがあなたのもとにやってくる。
温かい、誰かの心がこもったスープを、どうぞめしあがれ。
ポタージュ・ボンファム、冷やしたものはヴィシソワーズ。
ジャガイモのスープ。
おいしいけれど何か違う、それは一体なんだろう?
「愛」なんて陳腐な答えではあるけれど、大きくまとめれば結局の所そこに行き着く。
つまり、愛とはその人の背景を見ること。
料理の奥深さを感じる。
ロートレックのスープはちょっとした行き違いの物語。
そして、「食べる」ことの意味を考えさせる。
私たちは生きている。
つまりは何かの命を食べているということ。
命の重さに軽重はない。菜食主義だって同じこと。
しかし、いきなり他人の愛するペットを食ってもいいという話にはならない。
(実家ではペットのうなぎ(うなちゃん)の前でうな丼を食べていたけれど!)
むずかしい。
きちんと向き合って話をすること、誰かが自分の心配をしてくれていることに気づくことだ、と本書で述べられている。
納得のいくことではないにしろ、そうすることで状況は打開できるのだと思う。
さて、他にもビールのスープ、偽ウミガメのスープ、せかい1おいしいスープがでてくる。
どうとくてきなはなしにしゅうしすることなく、しかし料理人でもある著者が料理を作る中で得た考えは心にきちんと届く。
おいしい食べ物は一人で食べると一つ嬉しくなる。
二人で食べれば4倍嬉しくなる。
9、16、25倍.....いや、もっともっとおいしいものには力をわかせる力がある。
本書ではスープに絞って物語が進められていく。
そこにまつわる物語が、心に染み渡っていく。
愛おしい誰かに幸せを分けてあげたくなる。
今日の夕飯は、何を作ろうか?
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元カノに紹介されたのは、古い洋館のコックの仕事だった。
”夜8時きっかりに一杯のスープを出すこと”
それが業務内容のすべてだった。
かつて有名店でシェフをしていた僕にとって
おいしいスープを作ることは造作もないが
ここでは、おいしいスープで「想いを満たす」ことが要求さる。
僕は、マダムの孫である千和と知恵を出し合い、
マダムやそのご友人の「想い」を満足させる
最高の一杯を作り上げていく…。
ライトノベルのような軽さ。さらさら読めます。
重厚感のある物語が好きなので、ちょっと物足りなかった。
スープが食べたくなるし、
なにより、相手のために丁寧に準備をすることは素敵だなと感じました。
相手のことを考えて準備をする時間に比例して、思いは届くと思うのです。
千和のキャラクター設定がややブレていて
そこがちょっと残念でした。
あと記憶力が抜群にいい理由とかは明かさないのね。笑
何かの伏線かと思ったけど違った。
誰しも、思い出の味はあると思います。
主人公が母親と最後に食べたスープように。
私にとってのそれは、祖母が作る蕪の糠漬けかな。
それぞれの「特別の味」は
その人の人生が凝縮されているのかもしれない。