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サイパン戦車戦と言っても一戦で終わり、戦車を撃破された後一年以上洞窟に潜んでいた作者。題名に偽りありと言わざるおえないが、“サイパン戦車戦以外”の所は他の戦記のように面白く読め、戦後に私財をなげうってサイパン廃棄戦車帰国、靖国奉納をしたことは素晴らしいと思います。
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「サムライ戦車隊長」P.421に“不意に東寧にいたはずの五島大佐の来訪を受けた”の記載を読み、サイパンに向かった戦車隊について探していたときにこれを見つける。
肝心のサイパンにおける戦車戦についてはほとんど触れられず、戦車を失ってから投降するまでの洞窟生活や日本の戦車の開発史にページが割かれている。
関東軍の精鋭として厳寒の満州に配備されながら、戦況の変化によりサイパンに派遣された戦車隊。
地理に不案内な中、マレー電撃戦をもう一度と思ったのか、参謀長による歩兵を随伴させての作戦命令。
戦車隊長の意見が採用されて戦車隊が独自で動いていたら歴史も少しは変わっていたのだろうか?
国内に現存する戦車が、かつて戦車隊に所属していた一民間人が私財を投じて持ち帰ったものと知る。
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戦車第9連隊の隊員として満州からサイパンへ移駐と、サイパン島での戦闘と捕虜生活、さらに、戦後サイパンの戦車を日本に帰還させるエピソード。
サイパン島の戦いまでの歴史や日本戦車史的な解説がかなりの分量を占めており、タイトルにあるサイパン島における戦車戦自体を扱っている部分は少ない。
むしろ、サイパンでの収容所生活での米兵との交流や、戦車帰還事業後に著者に寄せられた
関係各者からの手紙の紹介などが興味深かった。
戦車の帰還により、筆者を含めた元兵士や遺族の戦後を終わらせるまでの物語と読むこともできる。