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紙の本

……あまりにも、絶望的じゃないか。

2015/08/24 17:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ef - この投稿者のレビュー一覧を見る

SFの魅力の一つに、その世界構築の驚きというのがあると思います。
 本作は、まさにとんでもない世界を作り上げてしまったところに大きな魅力があります。モンド9(モンド・ノーヴェ)とは、ある広大な惑星の名前です。本作は、この惑星を舞台にした連作短編と言って良いかと思います。
○ カルダニカ
 巨大な船が広大な砂漠の上を進んでいきます。車輪を持った船で、蒸気機関で進んでいきます。
 ところが、砂漠の真ん中で故障してしまうのです。
 助かるためには、「継手タイヤ」と呼ばれる、非常時には脱出艇にもなるタイヤ部分に潜り込んで、本体から分離して逃げ出すしかありません。
 砂漠の砂は毒性を帯びており、船外に出るなどもってのほかです。
 「継手タイヤ」は非常時には自動的に変形し、勝手に近くの港に向かうのですが、マニュアルで操作することは不可能です。
 どこか一番近い港に着いた時点で初めてハッチが開けられる仕組みになっており、それまで何年かかるか分からないのですが、自動操縦に任せるしかないのです。
 これは……まるで囚人じゃないか!
○ ロブレド
 父親と息子は、砂漠の毒に犯されながらも、何とか食料を採って生き延びようとしています。頭上には沢山の鳥が飛んでおり、それを弓矢で打ち落とそうとするのですが……。
 そんな砂漠の中に、遺棄された巨大な船を見つけます。それがロブレドです。
 どういうわけか、鳥達はロブレドの中にネズミやトカゲなど、捕獲した食べ物を落としているようなのです。
 ある日、父親の姿が見えないことに気づいた息子は、ロブレドの中に入り込んでいきます。すると……閉じこめられた!
 お前は卵の孵化を見守り世話をするのだ……船が語りかけてきます。
 鳥達が生み付ける卵の中からは様々な物が生まれてきます。それは、船の代替部品達。
○ チャタッラ
 ここは腐ったような海です。砂漠を走っていた船も、遺棄されると何故かこの海域に流れ着いてしまうようです。
 気が遠くなる程沢山の船がからみあい、島のように固まっています。
 この船達は、遺棄されたとは言え、未だに生きているのです。
 <毒使い>の姉と弟は、この船に毒入りの餌を与えてその命を絶つことを生業としていました。しかし、海水も汚染されています。
 そんな海水を浴びてしまうと、身体が金属に変化してしまうのです。
○ アフリタニア
 最初の作品で登場した船長が再度登場します。船長はあの脱出行を生き延びたのでしょうか?
 船長はもう随分年をとっていますし、汚染されており、足がもう金属に変わりつつありました。船長は、今度はアフリタニアという砂漠を進む巨大な船に乗っていました。この作品で、船の<外部者>と<内部者>という存在が明らかにされます。
 どうやら、船の外には通常の人間がいるのですが、船の内部にも何らかの生命体がいるようなのです。
 そして、船に意思を持たせ、操っているのはその<内部者>らしいのです。
 アフリタニアは、目的の港目前まで進んできますが、何と、そこでロブレドに出くわします。
 はい、2番目の作品に登場した遺棄された船ですね。
 ロブレドは、アフリタニアに向かって攻撃してくるのですが……。

 とにかく、この異常とも言える絶望的な世界描写にやられてしまいます。
 ストーリーとしてはあまりに絶望的な展開になっていくのですが、それが大変魅力的な味わいになっていると感じました。
 機械と人間が融合するようなサイバーチックな雰囲気やスチームパンク的要素もふんだんにあるので、お好きな方は気に入るのではないでしょうか?

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